国政評第8号
平成16年5月28日
海上保安庁長官 殿
国土交通大臣 石原 伸晃
平成15年度に海上保安庁が達成すべき目標についての評価
中央省庁等改革基本法(平成10年法律第103号)第16条第6項第2号の規定に基づき、平成15年度に海上保安庁が達成すべき目標についての評価を次のとおり実施したので、通知する。
- 海上保安庁が達成すべき目標についての評価にあたって
この評価は、実施庁が目標を達成したかどうかを判断するとともに、目標を達成するために必要な措置等が講じられたかどうか等を視点として評価するものであり、評価結果は、実施庁の効率的な業務執行に活かされるべきものである。
- 海上保安庁が達成すべき目標についての評価
(1)海上における治安の確保について
具体的な目標
情報収集・分析及び機動的な広域捜査を推進するために必要な組織等の整備を行うこと。
速力、夜間監視性能、捕捉性能等を向上させた巡視船艇の整備及び夜間監視機能を備 えた航空機の整備を行うこと。
密輸・密航事案の摘発を強化するための効果的な資機材の開発及び整備を促進すること。
警察、税関等の関係取締機関との間において、情報交換、合同訓練、合同捜査等を実 施し、連携の強化を図ること。
評価
【評定】
目標どおり達成されたと認められる。
【所見】
平成15年度には、4つの管区海上保安本部に国際刑事課等を設置した他、速力、夜間監視性能、捕捉性能等を向上させた巡視船等の整備、警備情報システムの効果的な活用等により密輸・密航事犯の摘発を強化するための体制整備を着実に進めている。また、警察、税関等関係機関との連携を強化したことにより、平成15年10月、青森県八戸港で発生した 中国籍船の覚せい剤不法所持及び集団密航事件を第二管区海上保安本部及び八戸海上保安部等が青森県警等と合同で捜査する等密輸・密航事犯を関係機関と摘発する、といった実績をあげた。引き続き、情報収集・分析能力の向上、機動的な広域捜査の推進、監視・捕捉・執行能力の強化のための体制を整備することにより、薬物・銃器の密輸事犯、密航事犯等の国際犯罪に適切に対処することが期待される。
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(2)海難の救助について
具体的な目標
- 距岸20海里未満で発生した海難について、118番の定着、GMDSSの適正使用の指導、啓発等を行うことにより発生から2時間以内に海難情報を入手する割合が平成 17年までに80%以上となることを目指すこと。
評価
【評定】
目標達成には一層の努力が必要である。
【所見】
連絡手段の確保、118番の有効活用等の周知・定着のためのキャンペーン、GMDSS機器の適正使用の指導等を海上保安庁独自又は関係機関と協力して積極的に実施しているものの、結果として、前年より2ポイント減少した75%という実績値となっている。しかしながら、この目標が達成されれば、海難事故に係る救助までの時間が短縮され、救助率の向上につながるものと期待されるので、自己救命策確保キャンペーンを主体とした活動を官民一体となって展開する等により、目標値達成に向けて一層の努力を継続することが必要である。
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(3)海上交通の安全確保について
具体的な目標
- 関係機関と連携し、モーターボートに係る救命胴衣着用率を平成17年までに50%以上となることを目指すこと。
評価
【評定】
目標達成には一層の努力が必要である。
【所見】
平成15年の実績は、前年より3ポイント向上し15%であり(14年:12%、13年:15%)、現状では目標年である平成17年に50%以上を達成することは困難であると思われる。海上保安庁としては、救命胴衣着用等の周知・定着を図るための自己救命策確保キャンペーンの関係省庁、関係団体(漁協、マリーナ、釣具店等)とも連携した実施、ライフジャケット着用推進モデル漁協・マリーナの設置(全国に190箇所)等の努力を継続してきており、わずかながら自己救命策確保キャンペーン等の効果がみられるが、依然として安全・自己責任意識の浸透が十分図られてきていない。当該目標の達成にあたっては、海上保安庁が関係機関と連携して実施する啓発活動以外に、関係機関の施策に負うところも少なくないが、目標が達成されれば、海難現場に到着し救助を開始するまでの間の海中転落者の生存率が高まり、救助率の向上につながると期待されるので、海上保安庁においては、引き続き自己救命策確保キャンペーンを主体とした活動を官民一体となって効果的に展開する等目標達成に向けた一層の努力が必要である。
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(4)海象の観測等について
具体的な目標
地震や火山噴火の発生する可能性の高い場所及び時期を予測するため、特にその発生 の可能性の高い三陸南部、南海トラフ等の海域に分布する断層及び南方諸島の海底火 山についての情報の空白区域を減少させること。
「東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」が制定された東 南海地震の震源域について、地震活動の監視観測地点の増強を図ること。
評価
【評定】
目標どおり達成されたと認められる。
【所見】
平成15年度においては、三陸南部−常磐沖北部、南海トラフ、日本海溝、加賀−福井沖及び周防灘北部に確認されていた断層5箇所について、活断層の活動周期や発生する地震の規模を予測するための調査等を予定どおり実施しており、これまでに調査済みの箇所が50箇所となった。また、海底火山については硫黄島北方の噴火浅根1箇所の調査を実施し、これまでに6箇所が調査済みとなった(残り8箇所)。今後も、引き続き断層、海底火山の調査を進め、これらに係る情報の空白区域を減少させることによって、より的確な地震・火山噴火の発生する可能性の高い場所や時期の予測精度が向上し、災害に備えることが可能となると期待される。 海底地殻変動観測については、潮岬沖の2点において海底基準局を設置し、計14地点において観測を開始している。平成16年度以降は、東南海・南海地震や宮城県沖地震の震源域について、引き続き監視観測地点の増強を図ることとしている。これらにより、地震・火山活動について、より精度の高い事前情報を収集し、災害に備えることが可能となるものと期待される。
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