国家公安委員会
○総
           告示第一号
   

 高齢者、障害者等の移動等の円 滑化の促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号)第三条第一項の規定に基づき、移動等円滑化の促進に関する基本方針を次のように定める。

  平成十八年十二月十五日

                                                                                                                                 国家公安委員会委員長 溝手 顕正
                                                                                                                                                      総務大臣 菅  義偉
                                                                                                                                              国土交通大臣 冬柴 鐵三  

 

    移動等円滑化の促進に関する基本方針

 

    我が国においては、諸外国に例を見ないほど急速 に高齢化が進展していること、障害者が社会の様々な活動に参加する機会を確保することが求められていること等から、高齢者、障害者等の自立した日常生活及 び社会生活を確保することが重要となっており、その前提として、高齢者、障害者等の移動又は施設の利用に係る身体の負担を軽減することにより、その移動上 又は施設の利用上の利便性及び安全性を向上すること(以下「移動等円滑化」という。)が急務となっている。

 本方針は、このような移動等円滑化の実現に向け、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の 促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号。以下「法」という。)第三条第一項の規定に基づき、国、地方公共団体、高齢者、障害者等、施設設置管理者そ の他の関係者が互いに連携協力しつつ移動等円滑化を総合的かつ計画的に推進していくための基本的な方針として定めるものである。

一 移動等円滑化の意義及び目標に関する事項

    移動等円滑化の意義

     我が国においては、諸外国に例を見ないほど急速に高齢化が進展しており、本格的な高齢 社会への対応が急務となっている。本格的な高齢社会においては、健全で活力ある社会形成のためには、高齢者の自立と社会参加が不可欠となる。

     また、近年、障害者が障害のない者と同等に生活し活動する社会を目指す、ノーマライ ゼーションの理念の社会への浸透が進み、障害者が障害のない者とともに活動し、サービスを受けることができるよう配慮することが強く求められるようになっ てきている。

      このように我が国においては、高齢者、障害者等が自立した日常生活及び社会生活を営むこ とができる社会を構築することの重要性にかんがみ、そのための環境の整備を一刻も早く推進していくことが求められている。移動    及び施設の利用は、高齢者、障害者等が社会参加をするための重要な手段であることから、 移動等円滑化を促進することは、このような社会の実現のために大きな意義を持つものである。

     移動等円滑化の効果としては、高齢者、障害者等の社会参加が促進され、社会的経済的に 活力ある社会が維持されるほか、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づき、生き生きと安全に暮らせるよう すべての利用者に利用しやすい施設及び車両等の整備を実現することが挙げられる。

     なお、法にいう障害者には、身体障害者のみならず、知的障害者、精神障害者及び発達障 害者を含むすべての障害者で身体の機能上の制限を受けるものはすべて含まれること並びに身体の機能上の制限には、知的障害者、精神障害者及び発達障害者等 の知覚面又は心理面の働きが原因で発現する疲れやすさ、喉の渇き、照明への反応、表示の分かりにくさ等の負担の原因となる様々な制約が含まれることから、 法が促進することとしている移動等円滑化には、このような負担を軽減することによる移動上又は施設の利用上の利便性及び安全性を向上することも含まれるこ とに留意する必要がある。

     また、移動等円滑化を進めるに当たっては、高齢者、障害者等の意見を十分に聴き、それ を反映させることが重要である。

  2 移動等円滑化の目標

     移動等円滑化を実現するためには、高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利 用する施設について移動等円滑化のための措置が講じられることが重要である。

     したがって、法では、これらの施設を設置し、又は管理する者に対して移動等円滑化のた めに必要な措置を講ずるよう努める一般的な責務を課すとともに、これらの施設の中で、特に日常生活及び社会生活において通常移動手段として用いられ、又は 通常利用される旅客施設及び車両等並びに一定の道路、公園施設、路外駐車場及び建築物の各々について、新設等に際し各々に対応した移動等円滑化基準への適 合を義務付けることとしている。

     また、市町村が定める重点整備地区において、移動等円滑化に係る特定事業その他の事業 が基本構想に即して重点的かつ一体的に実施されることとしている。

      移動等円滑化の促進に当たっては、国、地方公共団体、施設設置管理者、都道府県公安委員 会等の関係者が必要に応じて緊密に連携しながら、法に基づく枠組みの活用等により、次に掲げる事項を達成することを目標とする。

    (1)旅客施設

      @ 鉄道駅及び軌道停留場

         一日当たりの平均的な利用者数が五千人以上で ある鉄道駅及び軌道停留場については、平成二十二年までに、原則としてすべての鉄道駅及び軌道停留場について、エレベーター又はエスカレーターを高低差五 メートル以上の鉄道駅及び軌道停留場に設置することを始めとした段差の解消、ホームドア、可動式ホーム柵、点状ブロックその他の視覚障害者の転落を防止す るための設備の整備、視覚障害者誘導用ブロックの整備、便所がある場合には障害者対応型便所の設置等の移動等円滑化を実施する。また、これ以外の鉄道駅及 び軌道停留場についても、地域の実情にかんがみ、利用者数のみならず、高齢者、障害者等の利用の実態等を踏まえて、移動等円滑化を可能な限り実施する。

      A バスターミナル

          一日当たりの平均的な利用者数が五千人以上であ るバスターミナルについては、平成二十二年までに、原則としてすべてのバスターミナルについて、段差の解消、視覚障害者誘導用ブロックの整備、便所がある 場合には障害者対応型便所の設置等の移動等円滑化を実施する。また、これ以外のバスターミナルについても、地域の実情にかんがみ、利用者数のみならず、高 齢者、障害者等の利用の実態等を踏まえて、移動等円滑化を可能な限り実施する。

      B 旅客船ターミナル

          一日当たりの平均的な利用者数が五千人以上であ る旅客船ターミナルについては、平成二十二年までに、原則としてすべての旅客船ターミナルについて、段差の解消、視覚障害者誘導用ブロックの整備、便所が ある場合には障害者対応型便所の設置等の移動等円滑化を実施する。また、これ以外の旅客船ターミナルについても、地域の実情にかんがみ、利用者数のみなら ず、高齢者、障害者等の利用の実態等を踏まえて、移動等円滑化を可能な限り実施する。

      C 航空旅客ターミナル施設

          一日当たりの平均的な利用者数が五千人以上であ る航空旅客ターミナル施設については、平成二十二年までに、原則としてすべての航空旅客ターミナル施設について、段差の解消、視覚障害者誘導用ブロックの 整備、便所がある場合には障害者対応型便所の設置等の移動等円滑化を実施する。また、これ以外の航空旅客ターミナル施設についても、地域の実情にかんが み、利用者数のみならず、高齢者、障害者等の利用の実態等を踏まえて、移動等円滑化を可能な限り実施する。

    (2)車両等

      @ 鉄道車両及び軌道車両

         総車両数約五万二千両のうち約五十パーセント に当たる約二万六千両については、平成二十二年までに、移動等円滑化を実施する。

      A バス車両

         平成二十七年までに、原則として総車両数約六 万台のすべてについて、低床化された車両に代替する。また、総車両数の約三十パーセントに当たる約一万八千台については、平成二十二年までに、ノンステッ プバスとする。

      B タクシー車両 

          平成二十二年までに、約一万八千台の福祉タク シーを導入する。

      C 船舶

         総隻数約千隻のうち約五十パーセントに当たる 約五百隻については、平成二十二年までに、移動等円滑化を実施する。

      D 航空機

         総機数約五百三十機のうち約六十五パーセント に当たる約三百四十機については、平成二十二年までに、移動等円滑化を実施する。

    (3)道路

       平成二十二年までに、原則として重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成するすべて の道路について、移動等円滑化を実施する。

    (4)都市公園

      @ 移動等円滑化園路 

        園路及び広場(特定公園施設であるものに限る。以下同じ。)の設置された都市公園の 約四十五パーセントについては、平成二十二年までに、園路及び広場について、移動等円滑化を実施する。

      A 駐車場

        駐車場の設置された都市公園の約三十五パーセントについては、平成二十二年までに、 駐車場について、移動等円滑化を実施する。

      B 便所

        便所の設置された都市公園の約三十パーセントについては、平成二十二年までに、便所 について、移動等円滑化を実施する。

    (5)路外駐車場

      特定路外駐車場の約四十パーセントについては、平成二十二年までに、移動等円滑化を 実施する。

    (6)建築物

      二千平方メートル以上の特別特定建築物の総ストックの約五十パーセントについては、 平成二十二年までに、移動等円滑化を実施する。

    (7)信号機等

       重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成する道路に設置されている信号機等について は、平成二十二年までに、原則としてすべての当該道路において、音響信号機、高齢者等感応信号機等の信号機の設置、歩行者用道路であることを表示する道路 標識の設置、横断歩道であることを表示する道路標示の設置等の移動等円滑化を実施する。

二 移動等円滑化のために施設設置管理者が講ずべき措置に関する基本的な事項

    施設設置管理者は、利用者の利便性及び安全性の向上を図る観点から、施設及び車両等の整 備、適切な情報の提供及び職員等関係者に対する適切な教育訓練について関係者と連携しながら、1から3までに掲げる各々の措置を適切に講ずることにより、 移動等円滑化を進めることが必要である。

    施設設置管理者がこれらの措置を実施するに当たっては、その措置が効果的に実施されるよ う、地域の実情を把握している市町村等の関係者と連携することにより、可能な限り利便性の高い動線の確保等他の施設との連続性に配慮した措置を実施し、か つ、自らが設置し、又は管理する施設に設置される設備について、施設の特性に応じて可能な限り時間的な制約がなく利用できる等移動等円滑化のために必要な 措置を講ずるよう努めるとともに、公共交通事業者等にあっては、複数の事業者間又は鉄道及びバス等複数の交通機関間を乗り継ぐ際の旅客施設内の移動等円滑 化にも十分配慮することが重要である。  また、施設設置管理者は、旅客施設について移動等円滑化のために講ずる措置について具体 的な実施計画を策定すること等により順次計画的に移動等円滑化を進めていくことが重要である。さらに、施設及び車両等の整備に当たっては、高齢者、障害者 等を区別するのではなく、障害のない者と共に利用できる形での施設整備を図るユニバーサルデザインの考え方に十分留意することが重要であること、また、可 能な限り高齢者、障害者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めることが重要である。

  1 施設及び車両等の整備

     移動等円滑化を図るためには、まず、施設及び車両等についてのハード面の整備が必要で ある。したがって、法では、施設設置管理者が、自らが設置し、又は管理する旅客施設及び車両等並びに一定の道路、公園施設、路外駐車場及び建築物を新設等 するときは、当該施設及び車両等の移動等円滑化基準への適合が義務付けられており、また、既存の施設及び車両等については、施設設置管理者は、当該施設及 び車両等を移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めることとされている。

     施設設置管理者が、施設及び車両等について移動等円滑化のために必要な措置を講ずる際 には、次に掲げる観点が重要である。

    イ 高齢者、障害者等が施設内外の移動及び施設の利用を円滑に行うために必要な施設及び 設備を整備し、連続した移動経路を一以上確保すること。また、経路確保に当たっては、高齢者、障害者等の移動上の利便性及び安全性の確保に配慮すること。

    ロ 便所等附属する設備を設置する場合は、一以上は障害者対応型にするなど、高齢者、障 害者等の利用に配慮したものにすること。

    ハ 車両等にあっては、高齢者、障害者等の乗降及び車内での移動が容易にできるように必 要な措置を講ずること。

    ニ 旅客施設、車両等にあっては、運行情報等公共交通機関を利用する上で必要な情報を提 供するために必要な設備を整備すること。

     なお、移動等円滑化基準に定められていない内容であっても、上記の観点等から移動等円 滑化に資すると考えられる措置については、施設設置管理者はこれを積極的に実施していくよう努力することが望ましい。

     特に、建築物の移動等円滑化に関しては、移動等円滑化が義務化されていない特定建築物 の移動等円滑化にも積極的に取り組むことが望ましい。特定建築物の新築時等における移動等円滑化に当たっては、ユニバーサルデザインの考え方に配慮した整 備が求められているとともに、建築物ストックの長寿命化等その有効活用が求められていることから、誘導的な建築物移動等円滑化基準に適合する特定建築物に ついて容積率の特例及び表示制度等を措置している認定特定建築物制度を積極的に活用することが望ましい。

  2 適切な情報の提供

     移動等円滑化を図るためには、施設及び車両等についてのハード面の整備のみならず、施 設設置管理者が利用者に対して必要な情報を適切に提供することが必要である。

     その際には、利用する高齢者、障害者等のニーズ、施設及び設備の用途等に応じて、例え ば、路線案内、運賃案内及び運行情報等利用に当たって必要となる情報並びに緊急時の情報について、視覚情報として大きな文字又ははっきりした色彩で見やす く表示すること、また、聴覚情報としてはっきりした音声により聞き取りやすく放送すること等、分かりやすく提供することに留意する必要がある。

  3 職員等関係者に対する適切な教育訓練

     移動等円滑化を図るためには、施設及び車両等についてのハード面の整備のみならず、職 員等関係者による適切な対応が必要である。

     したがって、施設設置管理者は、その職員等関係者が高齢者、障害者等の多様なニーズ及 び特性を理解した上で、これらの者による施設及び車両等の利用を正当な理由なく拒むことなく、円滑なコミュニケーションを確保する等対応を適切に行うこと ができるよう、計画的な研修の実施及び高齢者、障害者等の意見を反映した対応マニュアルの整備等により職員等関係者の教育訓練を更に充実させるよう努める べきである。

三 基本構想の指針となるべき事項

   市町村は、法第二十五条第一項の移動等円滑化に係る事業の重点的かつ一体的な推進に関 する基本的な構想(以下「基本構想」という。)を作成する場合には、次に掲げる  事項に基 づいて作成する必要があり、施設設置管理者、都道府県公安委員会等の関係者は、これらの事項に留意する必要がある。

  1 重点整備地区における移動等円滑化の意義に関する事項

    (1)重点整備地区における移動等円滑化の意義

        移動等円滑化を速やかにかつ効果的に実現するた めには、基本構想において、生活関連施設の集積する一定の地区を重点整備地区として定め、移動等円滑化に係る各種事業を重点的かつ一体的に推進することが 必要である。

    (2)基本構想に即した各種事業の重点的かつ一体的な推進のための基本的視点

        基本構想に即した各種事業の推進については、次 に掲げる基本的視点が重要である。

      @ 市町村の基本構想作成による事業の効果的な推進

          重点整備地区における移動等円滑化に対する取組 は、当該地区に最も身近な行政主体でありその地区における特性を十分に把握している市町村が、施設設置管理者、都道府県公安委員会等事業を実施すべき主体 はもとより、高齢者、障害者等の関係者と協議等を行いながら基本構想を作成することにより、これらの事業の効果的な推進が図られることが重要である。

      A 基本構想作成への関係者の積極的な協力による事業の一体的な推進

         基本構想の作成は市町村が行うが、移動等円滑 化に係る事業の実施主体となる施設設置管理者、都道府県公安委員会等及び高齢者、障害者等の関係者がこれに積極的に協力し、各種事業を一体的に推進してい くことが必要である。

      B 地域住民等の理解及び協力

          重点整備地区における移動等円滑化を図るに当たり、基本構想に位置付けられた各種事業が 円滑に実施されるためには、地域住民等の理解及び協力が重要である。

    (3)基本構想作成に当たっての留意事項

       市町村は、効果的に移動等円滑化を推進するため、次に掲げる事項に留意して基本構想を 作成する必要がある。

      @ 目標の明確化

          各種事業の実施に当たっては、当該重点整備地区 における移動等円滑化について、市町村を始め、施設設置管理者、都道府県公安委員会等の関係者の施策を総合的に講ずる必要があることから、各者間で共通認 識が醸成されることが重要である。したがって、基本構想には、地域の実情に応じ、可能な限り具体的かつ明確な目標を設定する。

      A 都市計画との調和

          基本構想の作成に当たっては、都市計画及び都市 計画法(昭和四十三年法律第百号)第十八条の二第一項に規定する市町村の都市計画に関する基本的な方針(以下「市町村マスタープラン」という。)との調和 が保たれている必要がある。

      B 地方自治法に規定する基本構想との整合性

          市町村は、その事務を処理するに当たっては、地 方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第四項に規定する基本構想に即して行う必要があるため、基本構想もこの基本構想に即していなければならな い。

      C 地方公共団体の移動等円滑化に関する条例、計画、構想等との調和

          地方公共団体において、移動等円滑化に関する条 例、計画、構想等を有している場合は、基本構想はこれらとの調和が保たれている必要がある。特に、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)第九条第三 項に規定する市町村障害者計画、障害者自立支援法(平成十七年法律第百二十三号)第八十八条第一項に規定する市町村障害福祉計画、老人福祉法(昭和三十八 年法律第百三十三号)第二十条の八第一項に規定する市町村老人福祉計画等の市町村が定める高齢者、障害者等の福祉に関する計画及び中心市街地の活性化に関 する法律(平成十年法律第九十二号)第九条に規定する基本計画等都市機能の増進に関する計画との調和が保たれていることに留意する必要がある。

      D 各種事業の連携と集中実施

          移動等円滑化に係る各種の事業が相互に連携して 相乗効果を生み、連続的な移動経路の確保が行われるように、関係する施設設置管理者、都道府県公安委員会等の関係者間で必要に応じて十分な調整を図って整 合性を確保するとともに、事業の集中的かつ効果的な実施を確保する。

         また、複数の事業者間又は鉄道及びバス等複数 の交通機関間を乗り継ぐ際の旅客施設内の移動等円滑化並びに当該市町村においてタクシー事業者及び自家用有償旅客運送者等が行っているスペシャル・トラン スポート・サービス(要介護者等であって単独では公共交通機関を利用することが困難な移動制約者を対象に、必要な介護などと連続して、又は一体として行わ れる個別的な輸送サービスをいう。)の在り方にも十分配慮する。

         さらに、特定事業に係る費用の負担について は、当該事業の性格を踏まえた適切な役割分担に応じた関係者間の負担の在り方について十分な調整を図って関係者間の共通認識を確保する。

   E 高齢者、障害者等の提案及び意見の反映

          施設及び車両等の利用        者である高齢者、障害者等を始め関係者の参画に より、関係者の意見が基本構想に十分に反映されるよう努める。このため、法第二十七条に規定する基本構想の作成等の提案を受けた際には、その内容について 十分な検討を加えるとともに、法第二十六条に規定する協議会(以下「協議会」という。)を有効に活用することが求められる。この際、既に同条第二項各号に 掲げる構成員からなる協議体制度を運用している場合、又は、他の法令に基づいて同項各号に掲げる構成員からなる協議体制度を運用しようとする場合は、当該 協議体制度を協議会と位置付けることも可能である。なお、意見を求めるべき障害者には、視覚、聴覚、内部障害等の身体障害者のみならず、知的障害者、精神 障害者及び発達障害者も含まれることに留意する必要がある。

  2 重点整備地区の位置及び区域に関する基本的な事項

    (1)重点整備地区の要件

       法では、市町村は、法第二条第二十一号イからハまでに掲げる要件に該当するものを、移 動等円滑化に係る事業を重点的かつ一体的に推進すべき重点整備地区として設定することができることとされている。また、重点整備地区の区域を定めるに当 たっては、次に掲げる要件に照らし、市町村がそれぞれの地域の実情に応じて行うことが必要である。

      @ 「生活関連施設(高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用する旅客施 設、官公庁施設、福祉施設その他の施設をいう。以下同じ。)の所在地を含み、かつ、生活関連施設相互間の移動が通常徒歩で行われる地区であること。」(法 第二条第二十一号イ)

         生活関連施設に該当する施設としては、相当数 の高齢者、障害者等が利用する旅客施設、官公庁施設、福祉施設、病院、文化施設、商業施設、学校等多岐にわたる施設が想定されるが、具体的にどの施設を含 めるかは施設の利用の状況等地域の実情を勘案して選定することが必要である。

         また、生活関連施設相互間の移動が通常徒歩で 行われる地区とは、生活関連施設が徒歩圏内に集積している地区をいい、地区全体の面積がおおむね四百ヘクタール未満の地区であって、原則として、生活関連 施設のうち特定旅客施設又は官公庁施設、福祉施設等の特別特定建築物に該当するものがおおむね三以上所在し、かつ、当該施設を利用する相当数の高齢者、障 害者等により、当該施設相互間の移動が徒歩で行われる地区であると見込まれることが必要である。

         なお、重点整備地区を設定する際の要件とし て、特定旅客施設が所在することは必ずしも必須とはならないが、連続的な移動に係る移動等円滑化の確保の重要性にかんがみ、特定旅客施設を含む重点整備地 区を設定することが引き続き特に求められること、及び特定旅客施設の所在地を含む重点整備地区を設定する場合には、法第二十五条第三項の規定に基づき当該 特定旅客施設を生活関連施設として定めなければならないとされていることに留意する必要がある。

      A 「生活関連施設及び生活関連経路(生活関連施設相互間の経路をいう。)を構成する一 般交通用施設(道路、駅前広場、通路その他の一般交通の用に供する施設をいう。)について移動等円滑化のための事業が実施されることが特に必要であると認 められる地区であること。」(法第二条第二十一号ロ)

         重点整備地区は、重点的かつ一体的に移動等円 滑化のための事業を実施する必要がある地区であることが必要である。

         このための判断基準として、高齢者、障害者等 の徒歩若しくは車いすによる移動又は施設の利用の状況、土地利用及び諸機能の集積の実        態並びに将来の方向性、想定される事業の実施範囲、実現可能性等の観点から総合的に判断 して、当該地区における移動等円滑化のための事業に一体性があり、当該事業の実施が特に必要であると認められることが必要である。

      B 「当該地区において移動等円滑化のための事業を重点的かつ一体的に実施することが、 総合的な都市機能の増進を図る上で有効かつ適切であると認められる地区であること。」(法第二条第二十一号ハ)

         高齢者、障害者等に交流と社会参加の機会を提 供する機能、消費生活の場を提供する機能、勤労の場を提供する機能など都市が有する様々な機能の増進を図る上で、移動等円滑化のための事業が重点的に、か つ、各事業の整合性を確保して実施されることについて、実現可能性及び集中的かつ効果的な事業実施の可能性等の観点から判断して、有効かつ適切であると認 められることが必要である。

    (2)留意事項

       市町村は、重点整備地区を定めるに当たっては、次に掲げる事項に留意するものとする。

      @ 重点整備地区の数

          市町村内に特定旅客施設が複数ある場合等、生活 関連施設の集積の在り方によっては、複数の重点整備地区を設定することも可能であるが、当該生活関連施設相互間の距離、移動の状況等地域の実情から適当と 判断される場合には、一つの重点整備地区として設定することも可能である。

      A 複数の市町村及び都道府県の協力

          生活関連施設の利用者が複数の市町村にまたがっ て流動しており、重点整備地区の範囲が複数の市町村にまたがる場合など、当該市町村が利用者の移動の実態にかんがみ適当であると認めるときは、共同して基 本構想を作成し、一体的に推進していくことが重要である。

         また、これらの施設が大規模であり、利用者が 広域にわたり、かつ、関係者間の調整が複雑となるような場合には、協議会への参加を求める等により都道府県の適切な助言及び協力を求めることが重要であ る。

      B 重点整備地区の境界

         重点整備地区の境界は、可能な限り市町村の区 域内の町境・字境、道路、河川、鉄道等の施設、都市計画道路等によって、明確に表示して定めることが必要である。

  3 生活関連施設及び生活関連経路並びにこれらにおける移動等円滑化に関する事項

    重点整備地区において長期的に実現されるべき移動等円滑化の姿を明らかとする観点か ら、生活関連施設、生活関連経路等については次に掲げるとおり記載することが望ましい。

   (1)生活関連施設

     生活関連施設を選定するに当たっては、2(1)に留意するほか、既に移動等円滑化 されている施設については、当該施設内の経路について、生活関連経路として移動等円滑化を図る場合等、一体的な移動等円滑化を図る上で対象と位置付けるこ とが必要な施設につき記載するものとする。また、当面移動等円滑化のための事業を実施する見込みがない施設については、当該施設相互間の経路について、生 活関連経路として移動等円滑化を図る場合等、一体的な移動等円滑化を図る上で対象と位置付けることが必要な施設につき、生活関連施設として、長期的展望を 示す上で必要な範囲で記載することにも配慮する。

   (2)生活関連経路

     生活関連経路についても(1)同様、既に移動等円滑化されている経路については、 一体的な移動等円滑化を図る上で対象として位置付けることが必要な経路につき記載するものとする。また、当面移動等円滑化のための事業実施の見込みがない 経路については、長期的展望を示す上で必要な範囲で記載することにも配慮する。

   (3)移動等円滑化に関する事項

     基本構想の対象となる施設及び車両等において実施される移動等円滑化の内容につい て記載するものとする。当面具体的な事業実施に見込みがないものについては、事業実施の見込みが明らかになった段階で記載内容を追加又は変更する等段階的 に基本構想を策定し、移動等円滑化の促進を図るものとする。

  4 生活関連施設、特定車両及び生活関連経路を構成する一般交通用施設について移動等円 滑化のために実施すべき特定事業その他の事業に関する基本的な事項

 

    (1)特定事業

       特定事業としては、具体的には、特定旅客施設及び特定車両について公共交通特定事業、 生活関連経路を構成する道路等について道路特定事業、特定路外駐車場について路外駐車場特定事業、特定公園施設について都市公園特定事業、特定建築物につ いて建築物特定事業、信号機の設置等について交通安全特定事業があり、各々の事業の特性を踏まえ、必要となる事業について基本構想に記載するものとする。

       なお、第二十五条第二項第四号括弧書に規定されているとおり、旅客施設の所在地を含ま ない重点整備地区にあっては、当該重点整備地区と同一の市町村の区域内に所在する特定旅客施設との間の円滑な移動を確保するために、当該特定旅客施設の移 動等円滑化を図る事業及び当該重点整備地区と当該特定旅客施設を結ぶ特定車両の移動等円滑化を図る事業についても、公共交通特定事業として記載することが 可能である。

       一般的には、建築物特定事業の対象となり得る生活関連施設である建築物が多数存在する ことから、基本構想作成時の協議及び事業実施を確実かつ円滑に行うためには、対象となる生活関連施設の規模及び利用状況等、他の特定事業との関連等につい て、当該地域の実情に照らして判断し、必要性等の高いものから基本構想に順次位置付けていくことが望ましい。

       また、事業の着手予定時期、実施予定期間について可能な限り具体的かつ明確に記載する こととし、当面事業の実施の見込みがない場合にあっては、事業の具体化に向けた検討の方向性等について記載し、事業が具体化した段階で、基本構想を適宜変 更して事業の内容について記載を追加するものとする。     

    (2)その他の事業

       その他の事業としては、特定旅客施設以外の旅客施設、生活関連経路を構成する駅前広 場、通路等(河川施設、港湾施設、下水道施設等が生活関連経路を構成する場合にあっては、これらの施設を含む。)の整備があり、おおむねの事業内容を基本 構想に記載するものとする。

    (3)留意事項

       市町村は、基本構想を作成しようとするときは、これに定めようとする特定事業その他の 事業に関する事項について、関係する施設設置管理者、都道府県公安委員会等と十分に協議することが必要であり、事業の記載に当たっては、高齢者、障害者等 の移動又は施設の利用の状況、都市計画及び市町村マスタープランの位置付け、事業を実施することとなる者の意向等を踏まえることが重要である。

       また、特定事業を記載するに当たっては、事業を実施することとなる者の意向等を踏まえ ること並びに関連する特定事業間の連携及び調整を図ることが必要不可欠であることから、協議会制度を有効に活用し、基本構想の作成及び事業実施の円滑化を 図ることが求められる。なお、協議会において協議が調った事項については、協議会の構成員はその協議の結果を尊重しなければならないこととされていること に留意する必要がある。

        特定事業その他の事業については、合理的かつ効 率的な施設及び車両等の整備及び管理を行うことを念頭に、生活関連施設及び生活関連経路の利用者、利用状況及び移動手段並びに生活関連経路周辺の道路交通 環境及び居住環境を勘案して記載することが必要である。この際、特定事業その他の事業の実施に当たっては、交通の安全及び円滑の確保並びに生活環境の保全 についても配慮する必要があることに留意する必要がある。また、交通安全特定事業のうち違法駐車行為の防止のための事業に関しては、歩道及び視覚障害者誘 導用ブロック上等の自動二輪車等の違法駐車、横断歩道及びバス停留所付近の違法駐車等、移動等円滑化を特に阻害する違法駐車行為の防止に資する事業が重点 的に推進されるとの内容が基本構想に反映されるよう留意する必要がある。

  5 4に規定する事業と併せて実施する土地区画整理事業、市街地再開発事業その他の市街 地開発事業に関し移動等円滑化のために考慮すべき基本的な事項、自転車その他の車両の駐車のための施設の整備に関する事項その他の重点整備地区における移 動等円滑化に資する市街地の整備改善に関する基本的な事項その他重点整備地区における移動等円滑化のために必要な事項

    (1)土地区画整理事業、市街地再開発事業その他の市街地開発事業に関する基本的な事項

       重点整備地区における重点的かつ一体的な移動 等円滑化を図るために実施される4に規定する事業を実施する場合、重点整備地区における市街地の状況及び生活関連施設並びに生活関連経路の配置の状況に よっては、これらの事業を単独で行うのではなく、土地区画整理事業、市街地再開発事業その他の市街地開発事業と併せて行うことが効果的な場合がある。

      @ 具体的事業の内容

         4に規定する事業と併せて行う事業の選択に当 たっては、高齢者、障害者等の移動又は施設の利用の状況、都市計画及び市町村マスタープランの位置付け等を踏まえて判断することが重要である。

      A 記載事項

         基本構想には、事業の種類、おおむねの位置又 は区域等をそれぞれ記載するものとする。

         なお、土地区画整理事業の換地計画において定 める保留地の特例を活用し、土地区画整理事業と併せて生活関連施設又は一般交通用施設(土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)第二条第五項に規定 する公共施設を除く。)であって基本構想において定められた施設を整備しようとする場合には、それぞれの施設の主な用途、おおむねの位置等についても記載 する必要がある。

    (2)自転車その他の車両の駐車のための施設の整備に関する事項その他の重点整備地区に おける移動等円滑化に資する市街地の整備改善に関する基本的な事項

       移動等円滑化の妨げとなっている自転車その他の車両の放置及び違法駐車を防止する ための抜本的な施策として、駐輪場等自転車その他の車両の駐車のための施設を特定事業その他の事業と一体的に整備することは極めて有効であることから、具 体的な位置等これらの整備に関するおおむねの内容を記載するほか、その他の重点整備地区における移動等円滑化に資する市街地の整備改善に関する事項につい て記載することとする。

    (3)その他重点整備地区における移動等円滑化のために必要な事項

      @ 推進体制の整備

          基本構想に位置付けられた各種の事業を円滑かつ 効果的に実施していくためには、基本構想の作成段階又は基本構想に基づく各種の事業の準備段階から、関係者が十分な情報交換を行いつつ連携を図ることが必 要であり、協議会を有効に活用することが求められる。

      A 事業推進上の留意点

        イ 地域特性等の尊重及び創意工夫

            各種の事業の実施に当たっては、事業効果を高め るため、地域特性等を尊重して、様々な創意工夫に努めることが重要である。

          積雪及び凍結に対する配慮

           積雪及び凍結により移動の利便性及び安全性が 損なわれる可能性がある場合は、積雪時及び路面凍結時の安全かつ円滑な移動のための措置を講ずるよう努めることが必要である。

        ハ 特定事業に関する公的な支援措置の内容

            基本構想に即して特定事業を円滑に実施するため 公的な支援措置が講じられる場合には、その内容を明確にすることが重要である。

        ニ 基本構想に即した特定事業計画の作成上の留 意事項

            施設設置管理者及び都道府県公安委員会が基本構 想に即して特定事業計画を作成するに当たっては、早期作成の重要性を十分認識するとともに、協議会を活用することによって当事者である高齢者、障害者等を 始め関係者の参画を図ること等により、関係者の意見が特定事業計画に十分に反映されるよう努めることが重要である。

          基本構想策定後の特定事業その他の事業の実施状況の把握等

          基本構想策定後、特定事業その他の事業が早 期に、かつ、当該基本構想で明記された目標に沿って順調に進展するよう、市町村は、事業の実施状況の把握、これに係る情報提供、協議会の活用等による事業 を実施すべき者との連絡調整の適切な実施等事業の進展に努めることが必要である。

        ヘ 高齢者、障害者等への適切な情報提供

            施設設置管理者及び都道府県公安委員会は、高齢 者、障害者等に対して、重点整備地区における移動等円滑化のために必要な情報を適切に提供するよう努めることが重要である。

      B その他基本構想作成上の留意事項

          基本構想は、市町村の発意及び主体性に基づき自 由な発想で作成されるものであるので、この基本方針の三に定めのない事項について基本構想に記載することを妨げるものではない。

         また、市町村は、基本構想が作成された後も、 施設を利用する高齢者、障害者等の利用の状況及び重点整備地区における移動等円滑化のための施設及び車両等の整備状況等を把握するとともに、協議会の活用 等により基本構想に基づき実施された事業の成果について評価を行い、必要に応じ、基本構想の見直し及び新たな基本構想の作成を行うことが望ましい。特に、 移動等円滑化について、事前の検討段階から事後の評価の段階に至るまで、高齢者、障害者等の利用者及び住民が積極的に参加し、この参加プロセスを経て得ら れた知見を共有化し、他のプロジェクトに生かすことによって行われる、段階的かつ継続的な発展(スパイラルアップ)を図ることが重要であることに留意する 必要がある。

四 移動等円滑化の促進のための施策に関する基本的な事項その他移動等円滑化の促進に関 する事項

  1 国の責務及び講ずべき措置

   (1)国の責務(スパイラルアップ及び心のバリアフリー)

        国は、高齢者、障害者等、地方公共団体、施設設 置管理者その他の者と協力して、基本方針及びこれに基づく施設設置管理者の講ずべき措置の内容その他の移動等円滑化の促進のための施策の内容について、移 動等円滑化の進展の状況等を勘案しつつ、これらの者の意見を反映させるために必要な措置を講じた上で、適時に、かつ、適切な方法により検討を加え、その結 果に基づいて必要な措置を講ずるよう努めることにより、スパイラルアップを図るものとする。 

        また、移動等円滑化を進めるためには、施設及び 車両等の整備のみならず、国民の高齢者、障害者等に対する理解及び協力、すなわち国民の「心のバリアフリー」が不可欠であることを踏まえ、国は広報活動、 啓発活動、教育活動等を通じて、移動等円滑化の促進に関する国民の理解を深めるとともに、その実施に関する国民の協力を求めるよう努める。

        さらに、このような責務を前提に、全国的に一定 の基準の施設及び車両等の整備を確保するという観点から、関係省庁間で緊密な連携を確保しながら、次に掲げる措置を講ずるよう努める。

    (2)設備投資等に対する支援、情報提供の確保及び研究開発等

        施設設置管理者等による移動等円滑化のための措 置を促進するため、設備投資等に対する必要な支援措置を講ずる。

        また、高齢者、障害者等の円滑な移動及び施設の 利用を確保するためには、施設設置管理者等による移動等円滑化のための事業の実施状況に関する情報が利用しやすい形で提供される必要があることから、国 は、施設設置管理者等による移動等円滑化のための事業の実施状況に関する情報が確実に収集され、利用しやすいよう加工された上で、利用者に提供されるよう な環境の確保に努めることとする。

        さらに、国は、移動等円滑化を目的とした施設及 び車両等に係る新たな設備等(情報を提供する手法に係るものを含む。以下同じ。)の実用化及び標準化、既存の設備等の利便性及び安全性の向上、設備等の導 入に係るコストの低減化等のための調査及び研究開発の促進を図るとともに、それらの成果が幅広く活用されるよう、施設設置管理者等に提供するほか、地方公 共団体による移動等円滑化のための施設の整備に対する主体的な取組を尊重しつつ、地方公共団体が選択可能な各種支援措置の整備を行う。

  2 地方公共団体の責務及び講ずべき措置

     地方公共団体は、地域住民の福祉の増進を図る観点から、国の施策に準じ、1に掲げる責 務を果たすとともに、措置を講ずることが必要である。特に、地域の実情に即して、移動等円滑化のための事業に対する支援措置、移動等円滑化に関する地域住 民の理解を深めるための広報活動等移動等円滑化を促進するために必要な措置を総合的かつ計画的に講ずるよう努めることが必要である。

     なお、建築物の移動等円滑化に関しては、地方公共団体が所要の事項を条例に定めること により、地域の実情に応じた建築物の移動等円滑化を図ることが可能な仕組みとなっているので、積極的な活用に努めることが必要である。また、建築物の部分 のうち駅等に設けられる一定の要件を満たす通路等については、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第五十二条第十四項第一号の規定による容積率制限 の特例を受けることが可能であるので、同法に規定する特定行政庁は、当該規定の適切な運用に努めることが重要である。

  3 施設設置管理者以外の高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用する施設 を設置又は管理する者の責務

    高齢者、障害者等の円滑な移動及び施設の利用を実現するために、地下街、自由通路、 駅前広場その他の高齢者、障害者等が日常生活及び社会生活において移動手段として使い得る又は利用し得る施設を設置し、又は管理する者においても、移動等 円滑化のために必要な措置を講ずるよう努めることが必要である。

  4 国民の責務(心のバリアフリー)

      高齢者、障害者等の円滑な移動及び施設の利用を実現するためには、施設及び車両等の整備 のみならず、国民一人一人の理解と協力が不可欠である。

     したがって、国民は、高齢者、障害者等の自立した日常生活及び社会生活を確保すること の重要性について理解を深めるとともに、視覚障害者用誘導ブロックへの駐輪、身体障害者用駐車スペースへの駐車等による高齢者、障害者等の施設の利用等を 妨げないことのみならず、必要に応じ高齢者、障害者等の移動及び施設の利用を手助けすること等の支援により、高齢者、障害者等の円滑な移動及び施設の利用 を確保することに積極的に協力することが重要である。

      附 則

1 この告示は、法の施行の日(平成十八年十二月二十日)から施行する。

                         国家公安委員会、運輸省
2 移動円滑化の促進に関する基本方針(平成十二年           告示第一号)は、廃止する。
                        建  設  省、自治省