小笠原諸島振興開発審議会(第65回)会議録


日時  平成11年6月8日(火)
場所  中央合同庁舎5号館
     26階 共用第9会議室

国土庁地方振興局特別地域振興課



小笠原諸島振興開発審議会会議次第

日時  平成11年6月8日(火) 午後2時〜午後4時
場所  中央合同庁舎5号館26階 共用第9会議室
議題  (1)新小笠原諸島振興開発計画(案)について
     (2)平成11年度小笠原諸島振興開発事業実施計画(案)について
     (3)その他


出席者  委   員
     (学識経験者)
       森  繁  一(会長)
       赤保谷 明正
       朝 倉 敏 夫
       小豆畑  孝
       石 田 頼 房
       岩崎 美紀子
       寺 澤 則 忠
       川 崎 正 道
       首 藤 宣 弘
       台  た ま え
       田村 久仁夫
       山 口 甚 郎
     (東京都)
       福 永 正 通(東京都副知事)
     (小笠原村)
       宮 澤 昭 一(小笠原村村長)
       稲 垣   勇(小笠原村議会議長)

      幹   事
       中 川 浩 明 国土庁地方振興局長
       坂 田 隆 史 国土庁長官官房審議官
       中 村 賢 一 国土庁地方振興局特別地域振興課長
       村 木 春 彦 小笠原総合事務所長
       横 山 洋 吉 東京都総務局長

     (国土庁)
       国土政務次官 谷 川 秀 善

     (東京都:オブザーバー)
       金 内 善 健(東京都総務局地域振興担当部長)


目    次

 1 開  会
 2 議  事
   (1)新小笠原諸島振興開発計画(案)について
   (2)平成11年度小笠原諸島振興開発事業実施計画(案)について
   (3)その他
 3 閉  会


午後2時 開会

1.開  会

会長
 本日は、皆さん方、大変お忙しいところをお集まりいただきましてまことにありがとうございました。小笠原諸島振興環境審議会委員 19名のうち、現在のところ 14名の御出席をいただいております。したがいまして、ただいまから小笠原諸島振興開発審議会を開会させていただきたいと思います。
 それでは、最初に、谷川国土政務次官から御挨拶をいただきたいと思います。
 谷川政務次官、よろしくお願いいたします。

政務次官挨拶

谷川政務次官
 皆さん、本日は本当に御苦労さまでございます。政務次官の谷川秀善でございます。一言御挨拶を申し上げます。
 委員の皆様方には、かねてより小笠原諸島の振興開発に関しまして格別の御尽力を賜り、心から敬意を表する次第であります。
 さて、昨年、新しい全国総合開発計画「21世紀の国土のグランドデザイン」において、今後の国土政策の道筋を示したところでございますが、小笠原諸島につきましては、その特有の自然環境や地理的特性を生かした振興開発を推進することといたしております。
 小笠原諸島は、昭和43年の本土復帰以来、特別措置法のもとで、各般の施策が積極的に講じられ、相応の成果を挙げているところであります。しかしながら、本土から 1,000km余りの遠く隔絶した外海離島である等の厳しい条件下にあって、航空路の開設を初めとする交通手段の改善や人口の定着、産業の振興など、なお解決すべき多くの課題を抱えております。このため、今国会におきまして小笠原諸島振興開発特別措置法について、その有効期限を5カ年延長し、平成15年末までとする改正が行われたところでございます。
 本日、新たに平成11年度を初年度とする5カ年の新小笠原諸島振興開発計画(案)につきまして御審議をいただくこととなっており、本計画案は、東京都知事から提出をされました案に基づきまして関係行政機関と調整したものであり、本日の御審議を経て決定してまいりたいと考えております。何とぞ今後の振興開発方策につきまして、委員の皆様方の率直な御意見を賜りたいと存じます。
 また、平成11年度の予算につきましては、小笠原諸島の新たな振興開発を推進すべく国費ベースで前年度と同額の 27億円を確保することができました。これにより小笠原諸島の自立と発展の基礎を確立するための各種の基盤整備を初め、産業の振興など、各種事業の円滑な推進が図られるものと考えております。
 最後に、今後とも委員の皆様方の一層の御指導、御協力を賜りますようお願いを申し上げまして、簡単でございますが御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

会長
 どうもありがとうございました。
 なお、谷川国土政務次官は所用がございますので、ここで御退席になられます。

(谷川政務次官 退席)

新任委員及び新任幹事の紹介

会長
 それでは審議に入ります前に、委員と幹事の異動がございましたので、事務局から御報告をいただきたいと思います。

中村幹事
 それでは、委員の異動につきまして御報告いたします。
青島幸男委員が退任され、石原慎太郎東京都知事が就任されました。石原委員は、本日御欠席でございます。本日は、石原委員の代理といたしまして、福永副知事が御出席されております。
 また、佐々木幸美委員が退任され、稲垣勇小笠原村議会議長が就任されました。
 続きまして、幹事の異動につきまして御報告いたします。
 東京都の人事異動によりまして木宮進幹事が退任され、横山洋吉総務局長が財務局長から御異動になってございます。
 また、横山前財務局長の後任として、木内征司財務局長が新しい幹事として就任されました。木内幹事は、本日、御欠席でございます。新しい幹事の方の紹介は以上でございます。
 なお、お手元の資料1が委員及び幹事名簿となっておりますので、御確認ください。

2.議  事

会長
 ありがとうございました。
 それでは議事に入ります前に、前回の審議会におきまして、委員の先生方からいわゆる特別賃借権の問題と小笠原諸島の調査の概要につきまして、具体的な御質問がございました。
 そこで、初めに事務局からその説明をさせていただきたいと思います。

中村幹事
 お手元の資料7の後に、参考1、参考2、参考3とございますので、そのうちの 参考1「特別賃借権について」をごらんください。
 「小笠原諸島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置法等に関する法律」ということで、この法律で復興に関して構ずべき措置について法律で定めろということで、今、私どもの審議会のもとになっている特別措置法があるわけです。この振興法の親の法律が、この暫定措置法でございます。その暫定措置法の中で定められた権利が特別賃借権でございます。
 2として「特別賃借権の背景」と書いてございますが、本土復帰時点に旧小作人の権利を保護する必要があったということでございます。なぜ内地と違ったこういう形をとらざるを得なかったかといいますと、一つは、耕作者が強制疎開の中で居住していなかったということで、現況主義、実際に耕して賃借している人に強制買収方式による農地改革ということができなかった。それから強制疎開から24年が経過していたというようなことで、こういう形の権利をつくったということでございます。
 3の(1)「特別賃借権の設定」ということで、どういうことでこういう権利が設定されたかといいますと、2行目からでございますが、1年以内に土地の所有者に対し耕作の目的で賃借の申し出をする。実際どうやったかと申しますと、次のページに小笠原協会というのが出てくるのですが、この小笠原協会の方で個別の小作人、賃借権者に対して、「こういう制度ができたので、これこれの様式で土地の所有者に内容証明書をつけて申し込みなさい。ついては、その写しを小笠原協会に送ってください」ということでこういう統計をとってございます。
 それから、イの土地の所有者を知ることができなかった場合は、公告によりすることができる。これも小笠原協会が全部まとめて、その場合は小笠原協会に手数料も払って、そこからまとめて公告したというふうに聞いております。 
 特別賃借権は旧小作権の保護ということがございますので、解約等について制限がございます。(2)のアでございますが、譲渡、転貸、賃貸借の解除、解約の申し入れ。これを一方的に行う場合は、東京都知事の許可を受けなければいけないということで、合意の解約については、特に許可等は不要ということでございます。
 それからもう一つの場合として、相当の期間を経過しても、その土地を耕作していないときには、東京都知事の承認を受けて解除をすることができる。ただこの場合でも、解除した後、特賃権者に対して保障しているような例もあるということでございます。
 その次のページでは設定状況ということでございますけれども、※1で小笠原協会調べ、これが昭和45年のものでございますが、先ほど申し上げたような経緯の中できておりますもので、これは恐らく全数に近いと思っております。私どもの振興事業の対象としておる父島と母島だけに絞っていいますと、約60人の方が特賃権を設定された。平成11年3月31日現在で、実際にそれを使って耕作しておられる方は4名ということでございます。
 問題点ということでございますが、この特賃権というのは、特に登記しなくても対抗力があるということでございますので、外から見ると、その土地に対して特賃権が設定されているかどうかよくわからない。それと、特賃権は設定しても耕作していない方もおられるというようなことなので、土地の売買をした場合に、あるとき急に、「ここは特賃権がある」という人が出てきて、特賃権の権利を主張されるという可能性がなくはないということでございます。そういう意味で言いますと、ただでさえ不在地主が多くて土地の売買が非常に難しいという中で、より権利が複雑なものでございますから、土地の売買や有効利用という面で問題が起こる可能性があるということでございます。
 ただ、問題が起こる可能性があると申しましたのは、実際のところどういうふうになっているかわからないような状況になっている部分もございます。問題点のところで書いてございますが、特別賃借権については登記されていないということで、どのように相続されているかが不明であるということでございます。実際、この設定された60人の中の半数近い方がもうお亡くなりになられているということでございますので、その後、どうなっているのかよくわからない。
 それからイでございますが、合意による解約の場合は届出の義務がないということでございますので、過去、仮にこの小笠原協会の資料を見て、その土地に対して特賃権が設定されているということがわかっても、合意による解約がされている可能性もあるということでございます。
 それと、先ほど昭和45年の協会調べは全数に近い、かつこれが唯一の確かな資料ということでございますが、このときでも土地地番の確認のできないものがあるということで、このときの調査の結果から言いますと、約4割が地番が特定できていないということでございます。そういうことで可能性としては権利が非常に複雑化するということで、土地の売買、有効利用等の妨げになる可能性もあるわけですが、一方で、現状が全くよくわかっていないということもございまして、10年度に東京都の方で調査を実施しております。この結果については現在、分析中でございます。また、今回の計画の中で特に土地の有効利用の観点から、特別賃借の実態、売買等でどういう問題が起こっているかという調査をしたいということでございます。いずれにしましても、こういった調査の結果が出次第、随時、この審議会にお諮りしながら検討を進めていきたいと思っております。特賃権については以上でございます。
 その次の参考2でございますが、小笠原諸島振興開発自立調査の経緯ということで、これは小笠原諸島振興開発自立調査として実際にどういう調査をしておられるのかという形での質問を岡田委員からいただきまして、岡田委員にはすぐにこのペーパーをお送りしました。
 過去、こういう形の調査をしておりまして、調査結果は振興開発を考える上で内部的に使っています。報告書の部数は1〜2部ということで非常に少ないのですが、もし御興味のある委員がおられたら、回覧ということは可能でございますのでおっしゃっていただければと思っております。
 前回の宿題ということですと、以上でございます。

会長
 ありがとうございました。
 前回の宿題の結果が出たわけでありますけれども、この点について御質問があれば、まず承りをしたいと思いますし、後の時間でも結構ですが、御質問、御意見のある方はお願いいたします。

○○委員
 前回、質問したのは私なのですけれども、前回のときには、賃借権者が島に帰っていなくてこっちにいて、小笠原の農業の振興に支障があるというような意味合いでお聞きをしたので質問をしたのです。今、お聞きしたみたら、もともとそうだろうと思うのですけれども、賃借権を設定された土地が耕作するのに非常にいい土地であって、それで賃借権者がこっちにいるということであれば、それは小笠原の農業の振興に支障があるでしょうけれども、どこが賃借権が設定された土地だかよくわからないところもいろいろあるという話で、今、都の方で調査もしておられるということですから、その調査結果も見せてもらって大体わかりましたので結構でございます。ありがとうございました。

会長
 ありがとうございました。
 特賃権は本土にはない、その名のとおり特別の賃借権。先ほど説明がありましたように、具体的な権利関係が必ずしも明確でない、そういう地域というのも数多くあり得ると思われます。先ほど、最後の方でお話がありましたように、東京都の方で御調査をやっていただいております。まとめてこの審議会に一度お知らせをいたたければ大変ありがたいと思います。いずれにいたしましても、今後、小笠原の振興を図っていくために、この特賃権の問題は避けて通れない問題かなという気がいたします。したがいまして、事務局の方で制度実態の問題点を整理した上で、今後のあり方について検討しようということでございますので、これも事務局の方でよく勉強しておいていただいて、できるだけ早い機会にまとめて説明をしていただきたいと思います。ありがとうございました。

(1)新小笠原諸島振興開発計画(案)について

会長
 それでは、会議次第により議事を進めさせていただきます。
 まず議題の1「新小笠原諸島振興開発計画(案)」につきまして、内閣総理大臣から諮問をされておりますので、この件につきまして審議を進めたいと存じます。
 それでは、まず事務局の方から御説明をお願いいたします。

中村幹事
 資料2「新小笠原諸島振興開発計画(案)」によりまして御説明いたします。
 この案は、前回、11月の審議会で御検討いただきました「小笠原諸島振興開発の大綱」を参考でつけてございますが、これに基づきまして東京都が作成した計画案を関係省庁等と調整したものでございます。
 内容的には、大綱に今後予定される事業を書き込んだものということでございます。これまでの計画との関連で言いますと、これまでの5年間で終了した二見港の大型観光船接岸のための港湾施設、おがさわら丸の更新、地上波テレビジョン放送の受信の実現、父島の地域福祉センターの整備等、これについては削除いたしまして、今後、予定される新規事業を新たに書き加えたものになっております。本日の御審議を経て決定してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それではおめくりいただきまして1ページ目でございます。
 第1として「基本方針」ということで、これは大綱のままでございます。「基幹的な施設の整備等については相応の成果をあげてきた」ということでございますが、「空港整備をはじめとした交通手段の改善等引き続き解決すべき課題がある」ということで、新たな振興開発計画を策定し、島民の定住及び生活の安定と地域の自立的発展を図るということでございます。
 2「計画期間」は、平成11年度からの5年間でございます。
 3「計画の目標」でございます。産業の振興、地域社会の基盤整備の促進等を図ることにより、島民の定住、生活の安定、地域の自立的発展を促進し、豊かで生きがいのある地域社会の実現を目指すということでございます。
 目標人口でございますが、短期滞在者を含め 3,000人としてございます。現状は 2,450人でございます。常住人口は、このうち現状 2,300人でございます。この 3,000人という数字でございますが、15年度末ということでありますと、恐らく空港建設にかかわる短期滞在者がおると思いますが、そういったものを含んだ数字で対応してございます。
 4「島別の対処方針」でございます。父島、母島につきましては、各種振興開発事業を実施・推進するということでございます。硫黄島及び北硫黄島については、集団移転事業に類する措置を推進ということでございます。
 その他の島しょでございます。これも大綱のときに御説明申し上げましたが、その保全と利用について所要の調査検討を行うということでございます。父島、母島以外にも属島ということでいろいろな島がございまして、現状でもそれらの島については渡し船で渡ってきたりしております。小笠原につきましては、全島自然公園ということでございますが、自然公園の中でも許された事業というものがございます。今後、ある部分の島についてはそういった事業をするという可能性も踏まえながら、こういった所要の調査検討を行うということでございます。
 その次のページは「土地利用計画」でございます。
 これは、空港着工するまでは大きな変化はないということで、これまでの計画と変わっておりません。ただ、「また」というところで「土地利用計画に基づく適正な利用を図るため」ということで、土地利用の規制方策や特別賃借権のあり方等を検討するということで、ここで先ほど申し上げました特賃権のあり方の検討ということを今回は入れてございます。
 集落地域、農業地域、自然保護地域、その他地域でございますが、3ページのような形になっておりまして、これまでの計画と変わっておりません。
 その次のページをおめくりいただきますと、これを図に落としたものが4ページに父島、5ページに母島とあります。
 もう1枚おめくりいただきまして6ページ目からでございますが、第3の「新振興開発事業計画」でございます。これにつきましては、先ほど御説明申し上げましたように、終了した事業を削除して、新規のものを追加してございます。「なお」ということで、「事業の実施に当たっては、必要に応じ環境影響評価を行うこと等により、公害の防止及び自然環境の保全に配慮する」ということを全体にカバーしてございます。
 1は「交通施設及び情報通信体系の整備」でございますが、まず「港湾」でございます。父島二見港でございますが、老朽化した港湾施設の改築等ということで、岸壁改修、泊地の汚泥浚渫等を行います。施設の充実を図るとともにマリーナの整備、これは防波堤整備を平成12年度あたりから行うというようなことを考えております。
 母島の沖港でございますが、外郭施設、環境整備施設ということで、防波堤突堤の改良、園地整備等を行います。
 「空港」でございますが、自然環境の保全に十分配慮しつつ、適切な空港計画の策定、費用負担等の諸課題を解決した上でその事業化を目指す。これは大綱と全く同じ文章でございます。後ほど、都の方から御説明がありますが、事業着手については平成13年度ということで、ただいま都の方で調査をしております。
 「道路整備」は都道、村道の整備ということでございます。
 「船舶整備」でございますが、おがさわら丸につきましては平成9年に更新しております。ははじま丸は平成3年に更新済みでございますので、今回の計画期間では、特にこういった更新の予定はないということでございます。
 「情報通信体系の整備」でございますが、情報化社会に適応する情報通信体系の導入・改善を図るということでございます。実績でございますが、昭和58年に対本土ダイヤル即時通話が開始されてございます。昭和59年にNHKの衛星放送が開始され、平成8年に地上波テレビの放送が開始され、平成11年からは父島の一部で携帯電話のサービスが開始されております。
 次は2「産業の振興及び観光の開発」でございます。
 (1)「農業の振興」でございますが、規模を拡大するとともに、花き、観葉植物、野菜、果樹等の生産を振興し、特産地の形成を図るということでございます。
 「このため」ということでございますが、まず生産基盤の整備、ほ場、農道、水利整備施設等の整備を行います。また、生産対策といたしまして病害虫の防除。農業生産施設の整備ということで、具体的には鉄骨パイプハウスの建築を考えております。また、家畜導入等ということで肉用繁殖牛の導入、堆肥センター等の整備による土壌改良、地力の維持増進といった施策を実施いたします。
 協業化対策でございますが、共同利用施設として鉄骨パイプハウス、営農者の宿泊研修施設、農村物加工施設、観光農園等の整備により協業化を促進するということでございます。
 試験研究の充実ということで、父島にございます亜熱帯農業センター等の試験研究施設を整備・充実するということでございます。
 経営指導でございますが、営農指導のため母島の営農研修所の施設を充実する。また、亜熱帯農業センターの試験研究の成果も活用に努めるということでございます。
 次は(2)「水産業の振興」でございます。
 漁業基盤の整備でございますが、二見港、沖港の機能の強化ということで、母島漁港については防波堤建設、船揚場等の整備等を行います。また漁港の環境向上、水域の環境保全ということで、二見漁港は汚泥浚渫で漁港環境整備を行います。また、避難施設の整備を図るということでございます。
 協業化対策ということでございますが、共同利用施設ということで海上・陸上の地区用施設、種苗ホール、冷凍冷蔵施設、後継者住宅の整備等の整備により協業化を促進するということでございます。
 次ページをおめくりいただきまして試験研究でございます。
 試験研究の充実ということで、水産センターの本館の建てかえの話がそろそろ出てきております。また、指導船の整備を行う必要があるかと思っております。
 経営指導でございますが、経営指導を強化するということで、水産センター等の試験研究の成果の活用に努めるということでございます。
 商工業でございますが、経営基盤の強化、流通体制の整備を図るということで、まず商工業基盤整備ということで、地場産品等の生産の拡大と資質の向上を図り、新商品の開発を促進する。あと経営指導ということで、商工会の育成に努め、経営指導体制を強化するということでございます。
 観光でございますが、海洋性リゾート地域として観光の振興による地域の活性化を図るということで、観光客受け入れ体制の整備でございますが、宿泊施設の整備、各種のイベントの開催、関係団体の育成等、観光客数の増加を図る。
 観光関連施設の整備でございますが、マリンスポーツのための施設を整備するということで、二見港ではマリーナ等の整備、母島港におきましては環境整備施設を整備するということでございます。
 その他として、全般的な話でございますが、街なみ整備等によりまして海洋性リゾート地域にふさわしい景観づくりを行う。また豊かな自然に親しめるように案内標識、遊歩道等の自然公園施設を整備するとしてございます。
 3「生活基盤施設の整備等」でございますが、住宅につきましては、人口の増加に対応した住宅の整備を引き続きいたします。それと、既に建築した建物につきまして、そろそろ老朽化という観点から建てかえの話が出ているということで、老朽化した小笠原住宅等の建てかえを推進する。これは今回新しく出てきております。
 生活環境でございますが、水資源開発施設、簡易水道の整備ということで、導配水管、浄水、配水施設等の整備を行います。また地域し尿処理施設、ごみ処理施設等を整備するということでございます。
 市街地、集落の整備でございますが、都市公園の整備、または景観に配慮したまちづくりを推進してございます。
 医療でございますが、診療所の施設等を整備するということで、父島の診療所につきましてそろそろ改築の話が出てきております。また緊急患者の搬送等、緊急体制の維持・充実と書いてございます。現在は、緊急患者につきましては自衛隊への要請ということで、要請実績で言いますと平成7年に 19件、8年に 39件、9年に 28件ということでございます。1件依頼してから実際に病院に行くまでに、大体11時間から13時間かかっております。また夜間については、ヘリコプターの着陸ができないということで不可ということでございます。こういったものについての維持・充実を図っていく必要があるのではないかと考えております。
 社会福祉の充実でございますが、地域の拠点施設として高齢者福祉施設を整備するということです。父島につきましては地域福祉センター整備が前回の計画のときに終わっておりますので、今度は母島につきまして高齢者生活福祉センター整備を考えております。
 4「教育及び文化の振興」でございますが、公立学校につきまして、これもそろそろ改築の必要性が出てきております。
 5「自然保護」でございます。自然公園法の適正な運用を図るとともに、調査研究及び普及啓発等に関する施策を充実するということで、都の方で自然国立公園基礎調査ということをやっております。
 その次のページをおめくりいただきますと、6「防災及び国土保全」、7「硫黄島対策」と出ております。一般住民の定住は困難であることにかんがみ、集団移転事業に類する措置を引き続き推進するということでございます。
 8「その他」でございますが、金融対策、電力、各種調査の実施と書いております。
 最後の第4「むすび」でございますが、「この計画を達成するためには」ということで、「国の特別措置に加え、都及び村の努力はもとより、住民の自治意識に基づく積極的な参加と努力及び地価の安定に対する配慮が必要である」として結んでおります。以上でございます。

会長
 ありがとうございました。
 ただいま御説明がありました「新小笠原諸島振興開発計画(案)」につきまして、御質問、御意見ございましたらお願いをいたしたいと思います。
 ○○委員、どうぞ。

○○委員
 最後10ページのその他のところに入っております「電力の確保」というところでございますけれども、電源としては、大体、どのようなものを考えているというようなことまでわかるのでしょうか。

中村幹事
 火力です。

○○委員
 これは希望というかコメントということなのですが、火力はやはり二酸化炭素の排出などがございます。特に離島で発電をする場合、燃やすものから運ばなくてはいけないということも考えますと、小笠原の自然環境を見ますと太陽光ですとか風力ですとか、そのように再生可能な自然のエネルギーを使っての電源開発というのを積極的に進める。これも小笠原の特性をアピールする上でもかなりよいのではないかという気がしております。環境の話ですとか出ておりますことから、特に電力、水などは住民の生活に非常に密着している必要なことなので、そこのところを……、言い方が悪くて申しわけないのですけれども、非常に安易に火力に頼るということではない、新しい電源を考える。まさに小笠原にふさわしい電源を考えるということで御検討いただければというふうに思っております。これは強くお願いしたいと思います。

金内東京都地域振興担当部長
 現在のところ火力に頼っておりますけれども、一応、村の方で10年度から2カ年の予定で「地域に適したエネルギーの利用検討」という御指摘の趣旨のような調査を行っておりますので、将来的にはそういう方向に進みたいということでございます。

会長
 今、○○委員から御発言がございましたけれども、委員の先生方も大体同じような御意見だと思います。特にすぐれた環境のところなものですから、電力とか水というのはなくてはならないというのはよくわかるのですけれども、小笠原にふさわしいいろいろな工夫を今後もしていただきたいと思います。
 ○○委員、どうぞ。

○○委員
 7ページの試験研究というところに、亜熱帯農業センターなどの試験研究施設を整備・充実するとございますけれども、今現在、亜熱帯農業センターのスタッフは何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか。わからなければ結構なのですけれども、この試験研究の充実の意味合いは、単に施設だけではなくて、研究のスタッフということまでもぜひ含んでいただきたいと思うのです。
 と申しますのは、日本は主として温帯地域に属しておりますけれども、亜熱帯地域の農業の研究開発というのは、まだまだおくれているような状況にあって、恐らく亜熱帯農業センターのスタッフというのは本当に足りないような状況ではないかと思うのです。現に農業技術の普及員さん的な役割まで果たしていらっしゃるのではないかと思いますので、ぜひスタッフの方の充実による研究。設備だけではなくて、その辺をぜひお願いしたいというふうに考えております。

金内東京都地域振興担当部長
 亜熱帯農業センターのスタッフ、父島の方でございますが 14名でございまして、それぞれ専門ごとにスタッフを置いております。

○○委員
 母島の営農センターの方は。

金内東京都地域振興担当部長
 母島の営農研修所については2名でございます。

○○委員
 となると、農業といいますとどうしても母島がメインということになってまいります。お互いの亜熱帯農業センターと営農センターの密接な技術の交流等々は当然行われていると考えてよろしいですね。

金内東京都地域振興担当部長
 常にとっております。

会長
 ○○委員、どうぞ。

○○委員
 何カ月か前にたまたまテレビで拝見したのですが、空港建設と飲料水の時雨ダムの問題をめぐって、建設の影響が出るとか何とかというようなことで、地元の住民の間で陳情か何かやっていた。詳しくは私もフォローはしていないのですが、その後の行方はどうなっているのでしょうか。

金内東京都地域振興担当部長
 時雨ダムの水源の問題と、さらに濁水の問題があろうかと思いますので、その辺については後ほど若干御説明をいたしますけれども、調査を行っております。

会長
 今の件は、後ほど空港の問題について都の方から御説明がありますので、そのときにもう少し詳しく話を進めたいと思います。
 ○○委員、どうぞ。

○○委員
 意見というより要望なのですけれども、農業振興のところで規模拡大ということが書かれておりまして、確かに必要なのでしょうけれども、こっちの本土というか内地に比べれば限度がある。ですから、ああいう亜熱帯の気候に合ったような地域特産物のようなものをうまく生かすような、そういう方向で御努力をいただきたいと思います。
 それともう一つ。海岸のところでスポーツセンターか何かをつくるという話があって、前回、水産関係者から必ずしもまだあの計画について同意していないとか何とか、これから調整をする必要があるというお話があったと思うのですが、やはり水産業と観光、両方大事なので、その辺の調整をお願いしたいと思います。

会長
 ○○委員、どうぞ。

○○委員
 意見というよりは質問なのですが、小笠原諸島が広大な二百海里水域を抱えているというか維持している。そういう関係で、近年、日本海の方の漁業水域やら経済水域という問題がいろいろ話題になって、この関連の充実とか何とかということがありますけれども、小笠原の広大な水域についてのそういう、これは漁業保護にも国土保全にもなるのかならないのかわかりませんけれども、遵守体制とか監視体制とか、取り締まりというほどのものなのかどうか。そういったものについてはどうなっているのでしょうか。あるいはどうしているのでしょうか。国土庁でも東京都でもないと思いますが、ちょっと状況をお伺いしたいと思います。

金内東京都地域振興担当部長
 漁業の関係では、一応、取り締まりは都の方でやっております。時々、多国籍船とのトラブル等が若干あって、そういう関係もやっております。ただ、全体的な取り締まりとなりますと、海上保安庁なりそちらの方の関係になろうかと思います。

会長
 今の件は、できれば海上保安庁などとも御相談していただいて、こうなっておるということを次の審議会でお話しいただければありがたいと思います。
 ほかに御質問、御意見ございませんでしょうか。

(「なし」の声あり)

会長
 それではございませんようでしたら、諮問をされました「新小笠原諸島振興開発計画(案)」につきましては、原案で適当である旨答申をすることといたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

会長
 ありがとうございました。
 御異議がないようでございますので、答申案をお手元に配付させていただきます。

(答申案配付)

会長 それでは、事務局から答申案を朗読してください。

中村幹事
 朗読させていただきます。


答申案

            新小笠原諸島振興開発計画(案)について(答申)

                                          平成11年6月8日付
                                          11国地特第137号

 当審議会に諮問のあった「新小笠原諸島振興開発計画(案)」については、慎重に審議し
た結果、適当であると認められるのでこの旨答申する。


以上でございます。

会長
 ただいまの答申(案)につきまして、御意見ございますでしょうか。
 ○○委員、どうぞ。

○○委員
 今の答申について、これまで30年間、復興事業、振興事業、そして現在の振興開発事業と名称が3回変わってきたわけですが、ただいままでの御説明を伺いますと、基本的に大きな変化あるいは考え方の前進というものは、どうも私には見られないような気がいたします。既に 1,000億円を超える経費を投入していただいて、小笠原復興振興のために御援助いただいたことをこの上なくありがたいと思っていますが、同時に、30年過ぎた今までのことを総括をしていただいて、どこが足りなかったのか、どこが余分だったのか、そういうことをきちんと踏まえた上で、今年度以降の予算にぜひ反映をしていただければと希望を申し上げます。

会長
 ありがとうございました。
 今、○○委員から答申そのものではないけれども、今後の振興開発のあり方に御注文がつきました。委員の先生方も30年たってもなかなか進まないという感じはお持ちだろうと思いますし、今後、行政当局の方で今の御意見をよく解していただきまして工夫をしていただきたいと思います。
 今の答申案文につきまして、御異議ございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの案文により答申をすることにさせていただきます。

(2)「平成11年度小笠原諸島振興開発事業実施計画(案)」について

会長
 続きまして、議題(2)「平成11年度小笠原諸島振興開発事業実施計画(案)」につきまして、事務局から御説明を願います。

中村幹事
 それでは資料3「平成11年度小笠原諸島振興開発事業実施計画(案)」によりまして御説明いたします。
 まず1ページ目でございます。
 T「平成11年度小笠原諸島振興開発実施計画の基本方針」と書いてございます。
 一番上の段落の(基本方針)の3行目、「戦後、20数年間の空白期間に加えて本土から 1,000キロメートル離れた外海離島であるという地理的条件等のため、人口の定着、産業の振興、交通手段の改善等、引き続き解決すべき課題がある」としてございます。このため新たに策定する「新小笠原諸島振興開発計画」に基づき、振興開発を推進するということで、以下の事業実施計画を立ててございます。
 (事業概要)でございますが、1として「小笠原諸島振興開発事業費補助」でございます。これは公共事業的な内容のものでございます。
 まず(1)交通施設整備費補助の@港湾でございます。二見港は岸壁の整備等ということで、大型船の施設利用、クルーズ船対応のための岸壁整備、改修を行います。また泊地についての浚渫を行うための調査設計を行います。沖港は港湾環境整備ということで緑地整備、防波堤改良等を行います。
 A道路整備でございますが、都道としては父島の大村洲崎小港線、母島の沖港北港線。村道としては奥村地域線、扇浦地域線等の整備を行います。
 (2)といたしまして産業振興・観光開発でございますが、@農業生産基盤整備といたしまして農地造成、これは母島について 1.5haの農地造成を行います。また、かんがい施設整備ということで、母島の評議平につきまして 20tの水槽を1基建設いたします。
 A農業振興でございますが、農業研究施設といたしまして、資材倉庫の改築、鉄骨パイプハウスの建設等を行います。畜産指導所につきましては肉用牛の導入、サイロの建設を行います。また、農業協同組合施設ということで、鉄骨パイプハウスを整備いたします。営農者に対する農業経営の研修技術指導の充実ということで、営農研修所につきまして貯水槽の改築を行います。
 B漁業基盤整備でございますが、二見漁港につきまして防波堤の延長と泊地の浚渫を行います。母島漁港の防波堤につきましては、ケーソンの制作、据えつけを行います。
 C水産業振興でございますが、父島、母島の共同利用施設ということで、父島につきましては漁業用資材販売施設、母島につきましては漁業用車両保管施設兼出漁待機所を整備いたします。また水産センターの施設ということで、水産センターにつきまして改築のため本館の実施設計を行います。
 D観光開発でございますが、園地、遊歩道及び景勝地の買収ということで、また聟島について植生回復を行います。
 その次のページをおめくりいただきまして(3)生活基盤施設整備費補助でございます。
 @生活環境でございますが、住宅を父島に 19戸建設いたします。簡易水道、ごみ処理施設ということで、父島には埋め立て処分施設。母島で出たごみの場合は、母島で焼却をするのではなくて、中間処理施設で圧縮いたしまして、それを父島の焼却場で処理するということで、母島につきましては中間処理施設の整備を行います。それから地域し尿処理施設の整備ということでございます。
 A市街地整備でございますが、大神山公園について改修。大神山公園はビジターセンターという建物があるのですが、それについての改修の設計を行います。
 (4)防災・国土保全でございますが、八ツ瀬川の河川整備、吹上川の砂防施設の整備、庚申塚の地すべり対策を行います。
 その次の2「小笠原諸島振興開発費補助金」というのが公共事業以外の費用ということでございます。
 @病害虫防除対策ということで、ミカンコミバエの再侵入警戒調査、アフリカマイマイの防除と病害虫防除の試験研究と病害虫等の防除を実施いたします。
 A診療所運営費でございますが、医療機器の整備拡充等を行います。
 B各種調査でございますが、都の調査として二つございます。国立公園基礎調査、これは公園計画再検討のための基礎資料の収集でございます。もう一つは振興開発事業関連調査ということで、先ほど計画のところでも出ておりましたその他島しょの保全と利用についての調査、また振興事業の実績把握等を行います。
 村の調査は二つございます。一つは観光基本計画調査ということで、空港開設に向けての事業計画の策定等を行います。もう一つは医療事業計画策定調査ということで、介護保険の導入を踏まえて医療のあり方、体制整備等についての検討を行います。
 3として「小笠原諸島調査」でございますが、これは先ほど御紹介いたしました調査でございまして、今年度につきましては資源循環型社会のあり方に関する調査ということで、導入可能な資源循環システムの調査分析を行います。
 その次のページは総括表が出ております。
 国費でございますが、平成10年度、11年度ともにほぼ横ばいということで 27億円ということでございます。事業費は補助率の関係で減っております。
 その次の4ページは産業振興・観光開発が載っております。
 5ページは漁業基盤整備、水産業振興でございます。
 6ページは生活基盤施設整備でございます。
 7ページは防災・国土保全でございます。
 8ページが公共事業以外の補助金ということで、小笠原諸島振興開発費補助金。これも国費ベースで前年並みでございます。
 その次の9ページからは事業ベースの実施計画が載ってございます。先ほど御説明申し上げた内容についてより詳しく載っております。
 10ページは産業振興・観光開発費補助でございます。
 11ページも同様、漁業基盤整備、水産業振興でございます。
 12ページは観光開発でございます。
 13ページは生活基盤施設整備費補助ということで、住宅でございますと、先ほど申し上げたように住宅建設 19戸が載っております。
 14ページは防災・国土保全が載ってございます。
 15ページからは小笠原諸島振興開発補助金ということで、非公共的な事業のものが載っております。
 16ページは各種調査ということで、都と村と国ということでございます。
17ページは、これらの事業箇所を地図に落としたものとなっております。
 以上でございます。

会長
 ありがとうございました。
 ただいまの事務局の説明につきまして、御質問、御意見がありましたら御発言をお願いいたしたいと思います。
 ○○委員、どうぞ。

○○委員
 3点伺います。
 1点は住宅ですが、19戸父島はよくわかりましたが、父島については約30年、母島についても26〜27年経過して、特に母島はプレハブ住宅のはずですので、その傷みが激しいと思いますが、建てかえの計画は今のところどんなお考えをお持ちか教えていただければと思います。それが1点でございます。
 2点目はほ場造成でございますが、母島に1.数haということですが、私の記憶が間違っていれば別でありますが、父島について行ったほ場事業、母島について行ったほ場事業を合わせて約60haほどあるかと思いますが、父島については、その大半が使用されていない。母島についても、よく見ても3割ないし4割は近年昔に戻っているのが現状だろうと思います。なぜそうなったのかということと、新たに母島にほ場造成をされる。そのことについてはありがたいことですが、今後、どうすればそういう状態を抜け出ることができるのか。これが2点目でございます。
 3番目は、先ほどの開発計画のときに申し上げるべきことだと思いますが、最後の補助事業関連がどうも事業としては30年間薄かったのかなという気がしてなりません。ハードの整備の公共事業を進めていただくことは非常にありがたいことですが、同時にソフト面にも力を入れていただかないと、定住そのものがなかなかうまくいかない。あるいは農業の後継者が育たない等々の弊害が現実に出ておりますので、もう少しソフト面。
 具体的に申し上げますと、農業では農繁期に今東京農大から援農の学生が来てくれますが、これを計画的にもっとふやしていただけないか。あるいは村民生活から言えば、病気のときに内地の病院に来ると、船便の関係で10日は内地にいなければいけない。その間の負担は非常に大きいものがある。これがお産になりますと、もっともっと大きな村民の負担になる。そういうことについて、どういうことをこれからお考えいただけるのか。
 あるいは今でも診療所の医師による診察のほか、専門医の派遣をしてくださっておりますけれども、これをもう少し充実していただけないか等々のソフト事業について、新しい振興計画の中で具体的な日程に乗せていただくわけにはいかないでしょうか。この3点についてお伺いをいたします。

金内東京都地域振興担当部長
 まず住宅の御質問がございました。御指摘のとおり老朽化が進んでおりますし、従来のものにつきましては質の面でも、例えば面積が40uというようなものも多数ございます。そういうことで、今後、計画的に建てかえを行いたいというふうに考えておりますし、質的な内容についても、特に高齢化時代といいますか、小笠原はまだそれほどではないのですけれども、若干ずつ高齢化が進んでおりますので、その辺の対応も含めて質的な向上を図っていきたいというふうに考えております。
 それからほ場の関係ですが、御質問にどこまで答えられるかわかりませんが、おっしゃるとおり、現在までにほ場造成面積 64haございまして、そのうち遊休の農地が 24.6haに及んでおります。逆に言いますと利用率は6割強というような状況でございまして、これにつきましては、先ほどの特賃権の問題もございますけれども、東京都それから小笠原村、農協等と連携のもとに、先ほどございましたように経営基盤強化促進として、目指して遊休農地の有効活用を図っていきたいというふうに考えております。
 それからもう一つは、先ほどソフト面でもお話がございましたけれども、9年に台風がかなり上陸いたしまして、農業につきましてはかなりダメージを受けました。したがいまして、先ほどの11年度の計画でも国土庁の方から御説明ありましたように、鉄骨パイプハウスといいますか、台風でやられたものよりも強度の強いパイプハウスを用意して農業の維持を図っていきたいというふうに考えおります。それから現在も特に母島の方でございますけれども、中ノ平、評議平の方のほ場についても用水等も含めまして整備を行っております。
 原因というふうにおっしゃられましたけれども、いろいろな原因が絡んでいようかと思いますので、先ほど援農の話もありましたが、伊豆諸島の方ではそういう援農の関係から島に定着している人もございますので、それらも含めまして有効な手だてを考えていきたいというふうに思います。
 それから言い忘れましたけれども、援農者の関係では、援農関係の宿泊施設が現在もございますけれども、それをさらに充実していきたいというふうに考えております。
 ○○委員御指摘のとおり、今までどちらかといいますとハード面といいますか、そちらの方に重点が置かれていたと思います。ただ、今後は財政的な状況もございますし、ソフト面を強化していきまして、島の自立的傾向を強めていきたいというふうに考えております。
 例えば医療面でいきますと、今年度もそうでございますけれども体制の整備、あるいは福祉との連携等も考えております。御指摘のような趣旨の方向で今後とも充実を図ってまいりたいたいというふうに思います。

○○委員
 私だけで申しわけないのですが、これはお願いです。
 今、台風でやられないような鉄パイプのビニールハウスというような意味のことをおっしゃいましたが、○○委員は農業の副組合長でありますから、おっしゃりたいのにおっしゃらないのだろうと思いますが、今の補助率では農家が補助金をちょうだいしてハウスをつくっても、経営できないだろうと思います。だから、やり方そのものを変えていただかないとお考えになっている施策が生きてこないのではないかと危惧をいたしますので、その辺の努力をお願いしたいと思います。これは要望でございます。

委員
 ○○委員、どうぞ。

○○委員
 案があるわけではないのですけれども、今の○○委員のパイプハウスを母島と父島に補助事業でやると言っているけれども、それは点ですよね。面としてベタ事業でやるわけではない。だからそれだけやっても見本にはなるかもしれないけれども、だからといってそれをやれば耕作放棄地がなくなるわけではないので、やはり経営基盤強化何とか資金も必要なのでしょうけれども、先ほど申し上げましたけれども、ああいう地域で農業でやっていけるような作目なり営業形態、そういうことを考えるのが先決ではないのかなという気がいたします。答えになっていませんけれども。

金内東京都地域振興担当部長
 鉄骨のパイプハウスにつきましては、前回でしたか前々回でしたか私も忘れましたけれども、台風のときに定住促進事業の関係でつくりました硫黄島の蝙蝠谷のハウスが台風に強くてそこだけがやられなかったということで、それを今後参考にしてやっていきたいという趣旨を申し上げたかと思いますが、それが実現したものでございまして、今後、32棟を計画しておりますので、農業者の規模からいいますと点というようりもう少し面に近いのかなというふうに思います。さらに、委員先ほどから御指摘のとおり、亜熱帯の特性を生かしました農産物、特に観光と連携をして消費をふやしていく必要があるだろうというふうに思っていまして、そちらの方向にも力を入れていきたいというふうに考えております。

○○委員
 今回初めて委員になった○○ですけれども、母島で農業をやっております。今、いろいろ出ております鉄骨ハウスの件ですけれども、これは9年度に台風で農業関係ほとんどやられて、東京都の方でそれを調査した結果、今のパイプハウスよりも強い鉄骨ハウスを導入して特産化を図った方がいいのではないかということで、この法延長の中で計画的に実施する、そういう計画を持っていただきました。 
 これは現地の我々農業関係から出されたことを都と国の方で採用していただいたわけですけれども、ただ1点問題があるのは、100%の補助でできるのですけれども、耐用年数が15年から20年と長いわけです。その間には、現在の気象の変化の中で、鉄骨ハウスにしてもかなりのダメージを受ける台風があろうかと思います。100%の補助を受けたにしても、そのときの維持管理は事業を受けた農業協同組合が責任を負うという形になろうかと思いますので、そこら辺の補助も後々していただけば幸いに思います。
 それともう1点、援農関係のことなのですけれども、昨年度、海外協力隊の方が2名、約6カ月、援農対策として来ていただいたのですけれども、ああいう制度が毎年実施されますと、援農対策に役立つと思います。
 それと受け入れ体制として、先ほどから出ておりますように援農宿泊所が母島にはありません。父島につくっていただいたわけですけれども、御指摘のように、遊休農地がふえたり農家が実際にやっていなかったりするために使われる率が少ないということで、母島の援農者住宅はもう少し考えなければならないということで延ばされているわけですけれども、父島と母島は50km離れております。本来、内地でいいますと自治体が違うような距離だと思いますので、同じ小笠原村に一つつくったからそれでいいという考え方でなくて、農業は母島が実際にはやっているわけですので、援農宿泊施設に関してもできるだけ早い時期にやっていただきたい、このように思います。

会長
 ありがとうございました。どうぞ。

金内東京都地域振興担当部長
 先ほどはラフな説明だったものですから、ちょっと補足をさせていただきます。
 おっしゃるとおり援農関係の宿泊施設は母島にございませんので、今後、5カ年計画の中でなるべく早い時期に母島につくっていきたいという趣旨で充実というふうに申し上げました。それから補助の関係は先ほど○○委員からもありましたように、国 50%、都 50%で地元の方は負担がございません。以上でございます。

会長
 ありがとうございました。
 私からお伺いするのは妙かもしれませんが、介護はどうされるのでしょう。今は大変難しい問題になっておりますけれども、介護保険。

金内東京都地域振興担当部長
 先ほどお話のありました地域福祉センターはもう供用開始しておりますけれども、19日にオープニングセレモニーがございます。そのセンターを中心にして状況だけお話をしておきますと、福祉センターの中で高齢者の在宅サービスセンターを設置しております。それから、そのほかのいわゆるサービスといたしましてはホームヘルプサービス、身体介護なり家事援助です。それからデイサービス、訪問看護、ショートステイ、日用生活用品の支給、ケアマネージメントサービス、これらを行うことになっております。そのほかに療養型病床群の整備を今後予定しております。介護保険対応では、今のところそんな状況でございます。

会長
 ありがとうございました。
 そのセンターは父島にあるのですか。

○○委員
 当然、ただいまのところは父島なのですが、いわゆる介護保険全体ということになりますと御多分に漏れずオール離島という立場で非常に苦労をしております。しかし、それ以前に先ほど議長の方から御説明があったように、基本的な部分については一生懸命やっているところなのですが、内地の一般的な市町村さんにとっては広域的に対応するというような方向性が主流になっているみたいですが、何せ 1,000km離れている離島ということでそういう方策もとれない状況の中で、いかに対応していくかといういことについては、全庁を挙げて取り組んでいるところではございますが、一言で言うと非常に苦慮しているというのが実態だろう、そのように判断はしております。

会長
 ありがとうございました。
 いろいろな市町村の方から対応が大変難しいという話を伺っておりますし、広域的にやろうというのが一つの動きかもしれませんけれども、今、○○委員からお話がありましたように、小笠原の場合はそう簡単にできるわけがありません。いろいろ御苦労がおありだと思いますけれども、今後もいろいろ知恵を絞っていただきたいと思います。
 ○○委員、どうぞ。

○○委員
 これも質問というか教えていただきたいのですけれども、今現在、条件の不利な中山間地域に対して、国土の維持保全という機能を認めて直接所得保障というEUがやっている制度をスタートさせようと農林水産省が法案を出しているわけで、恐らくこの法案は通ると思いますけれども、これと、条件不利地域を補正するということでは、小笠原の特別措置法自体もそうなのだろうとは思うのですけれども、そういう直接所得保障というような発想と、それから今度できる中山間地域との関係というのは、小笠原の場合どういうふうになっているのでしょうか。同じようにそれも適用されるのか。それとも特別措置法があるから、そのところが私はわからないので教えてください。

中村幹事
 これは現在農林水産省さんの方で検討をされておられるということで、この間、中間報告が出たわけでございますけれども、対象地域として地域振興五法ということで、この中からは今のところ沖縄、奄美、小笠原は抜けております。ただ、これらのところについてこれから勉強するのだという話は聞いております。いずれにしても、農林水産省さんの方でやっておられる話でございますので、詳しくはまだわからないのです。

会長
 ○○委員、どうぞ。

○○委員
 1点質問があるのですけれども、小笠原の農家台帳の整備の方は進んでいるのでしょうか。今、○○委員の方からお話がありました新農業基本法などの適用がもしされて、農家への直接的な所得保障みたいものがされるとなると、いわゆる農家というものきちんと押さえていなければならないです。平成9年の3月だったと思いますけれども、私が個人的に伺ったときに、いわゆる農家台帳なるものがどこにも整備されていなかったわけです。今、特賃権問題で土地の利用及び処理の問題を戦前まで恐らくさかのぼって土地の利用調査、一筆ごとの調査をされているかと思うのですけれども、それを農家の要は労働力、農業従事者の関係等ですり合わせていかないと展望が一つ描けないし、何より現況というものがつかめないのではないかと思うのです。
 2年前に伺ったときには、農家台帳を見せていただきたく村、都を訪ね歩いたのですが整備されていないというような状態でした。それで、営農センターの所長さんが手書きで所有面積、利用面積等を把握されているものを見せていただいたような段階なのです。これは恐らくあってしかるべき基本的なデータだと思いますので、もし整備されていないようであれば、それににかわるものがあるのかどうかわかりませんが、されるべきものではないかなというふうに思います。

金内東京都地域振興担当部長
 農地についてはある程度把握しているのですが、委員御指摘のものが恐らく今のところないと思います。再度調べまして次回にお答えをしたいというふうに思います。

会長
 それでは格別ほかにございませんようでしたら、「平成11年度小笠原諸島振興開発事業実施計画(案)」の今後の取り扱いにつきまして、委員の皆様にお諮りをさせていただきたいと思います。
 この実施計画案につきましては、先ほど、答申いたしました「新小笠原諸島振興開発計画」につきまして、政府で決定いたしました後に、当審議会への諮問あるいはそれに対する答申、こういう手続になるわけでございますが、再度、審議会を開催することなく、私に御一任を願えれば大変ありがたいと思いますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

会長
 ありがとうございました。
 それでは、そのようにさせていただきます。

(3)その他

会長
 次に、本日、東京都さんから空港建設計画につきましての説明の申し入れがございますので、御説明をいただきたいと思います。

金内東京都地域振興担当部長
 それでは、「小笠原空港の建設について」という資料が後から配付されたかと思いますが、それをごらんいただきたいと思います。
 この審議会におきまして、空港建設地の決定に至るまでの経緯等につきましては、既に御説明をいたしましたが、そこの1にございますように、平成10年5月に小笠原空港の建設地を父島時雨山周辺域ということで東京都で決定をいたしました。
 その後でございますが、2の「方針」にございますように、一つは第7次空港整備7カ年計画、平成14年度まででございますが、この期間内に事業採択を目指して諸手続を進める。それから2番目といたしまして、小笠原の貴重な自然の保全策を積極的に推進する。あわせて空港建設に当たっても自然環境や景観に配慮した工事手法等を採用するという二つの方針のもとに現在作業等を進めております。
 3の「取組状況」をごらんいただきたいと思います。小笠原空港建設の推進の関係でございますが、現在、東京都の環境影響評価条例に基づきますアセスメントの調査を行っております。調査項目につきましては、そこにございますように大気以下、騒音、振動、それから動植物の関係等が入っております。
 次ページをごらんいただきたいと存じます。
 空港の計画あるいは基本設計の関係でございますが、平成10年度に基本的な検討を行いまして、11年度は空港整備にかかわります土木施設の基本設計を行う予定としております。内容につきましてはそこにございますように用地造成、滑走路等の各種施設の基本設計、あるいは施工の計画。それから先ほど御指摘がございましたように、時雨ダムあるいは巽湾の方に濁水が流れないようにということで、濁水防止等の環境保全対策についても調査検討を行う予定でございます。
 それからウでございますが、空港の設置許可申請に必要な気象観測関係のデータを得るということで、そこに書かれてございますような風向、風速以下の調査をやっております。
 さらに、基本設計に必要な測量・地質調査についても現在行っております。
 それから(2)は「自然環境保全策の推進」ということで、平成10年に都庁内に関係部局からなりますプロジェクトチームを設置いたしまして、そこの検討項目にございますような、これは代表例でございますが、例えば野生動植物の保全策、代表例としてはムニンツツジの原木が1本ございますが、その保護増殖。それから自然の適正な活用策ということで、オオコウモリのサンクチュアリスポットをどう設置したらいいか。それから新たな仕組みづくりといたしまして、レンジャー制度を創設してはどうか、その中身についてどうしたらいいのかというような検討を現在進めております。
 さらに、ことしの1月でございますが、自然環境を中心といたしました学識経験者で構成をいたします小笠原自然環境保全対策検討委員会。これは空港の予定地を決めますときに環境現況調査を日本有数の自然環境学者にお願いいたしましたけれども、そのメンバーの大半が入ってございます。その検討委員会を設置いたしまして自然保護策、先ほど言いましたPTの自然保護策、さらには空港の環境影響評価の調査につきまして指導・助言を受けて現在行っております。
 現在の空港の建設にかかわります取組状況は以上でございますが、もう1枚スケジュールがついているかと思います。11年度、環境アセスメントのところは環境現況調査をやり、さらに今後評価書案を作成し、12年度にアセスの手続に入っていくということになります。その次の項目の施設整備に関しましては、先ほど言いましたように基本設計なり各種の調査を行い、下の設置手続の欄にございますように、平成13年度に設置申請を行って設置許可をいただいた後に、実施設計なり工事に入っていきたいというふうに思っております。
 それからもう一方の柱でございます自然環境の保全策につきましては、現在も進めておりますけれども、今後、空港の設置手続と並行いたしまして保全策の検討なり実施をずっと行っていきたいというふうに考えております。以上でございます。

会長
 ありがとうございました。
 ただいまの御説明、または小笠原関係全般につきましてでも結構でございますので、御発言をお願いいたします。
 ○○委員、どうぞ。

○○委員
 先ほどの続きなのですけれども、ここで出てくる水質のことだろうと思うのですが、地元との話し合いというのは今どんな状態になっているのですか。納得して話がついているということなのでしょうか。

金内東京都地域振興担当部長
 いわゆる専門的な立場からの水質なり濁水の関係は、先ほど言いました小笠原自然環境保全対策検討委員会の方でかなり詳細な調査検討を行っております。それから地元の関係につきましては、村の方で水源調査等をやっておりますので、村長の方からお願いいたします。

○○委員
 ○○委員お尋ねのような具体的な反対論というようなことは、私の耳には届いておりません。しかしながら、意見として一部にはそういう意見があるということは承知をしておりますが、しかし、意見そのものが我々島民サイドでは結論が出せ得る問題ではないだろうということで、東京都さんの詳細な結論を待って議論が起こり得る可能性はあると思っていますが、現在のところはそういう説明で御納得をいただいているというように私は理解をしております。

会長
 ほかにございませんでしょうか。

(「なし」の声あり)

会長
 それでは、ほかにないようでございますので本日の議事を以上で終わりたいと思います。
 本日は、委員の皆様から多くの貴重な御意見をちょうだいいたしまして、当該意見につきましては、関係行政当局におかれまして真摯に検討をしていただいて、今後の小笠原の振興開発に格段の御努力をしていただきたいと思います。

地元委員挨拶

会長
 最後になりましたが、東京都の福永副知事さん及び小笠原村の宮澤村長さんから御挨拶をしたいという旨の申し出がございますのでお願いをいたします。まず福永副知事さん、お願いいたします。

東京都知事代理福永副知事
 知事にかわりまして、私から一言御礼を申し上げたいと存じます。
 本日は、委員の先生方並びに国土庁を初めといたします各省庁の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、「新小笠原諸島振興開発計画」及び「平成11年度小笠原諸島振興開発事業実施計画」につきまして、慎重な御審議を賜りましてまことにありがとうございました。
 また、昨年、2回にわたりまして当審議会で御審議をいただきました小笠原諸島振興開発特別措置法の延長につきましては、国会の議決をいただき、本年4月から施行をされております。ここに重ねてお礼を申し述べさせていただきたいと存じます。
 さて、小笠原諸島は昨年返還30周年を迎えました。また、本年は小笠原村の村政が確立いたしまして20周年を迎える年に当たります。東京都といたしましても小笠原諸島の真の自立発展を目指し、小笠原村とともに関係省庁と十分に調整を行いながら、空港の着工やあるいは産業の振興等に全力で取り組んでまいる所存でございます。今後とも委員の先生方並びに国土庁を初め、各省庁の皆様方の一層の御指導と御協力を賜りますようお願いを申し上げましてお礼にかえさせていただきます。どうもありがとうございました。

会長
 ありがとうございました。
 次に宮澤村長、お願いいたします。

宮澤村長
 小笠原諸島振興開発審議会委員の皆様におかれましては、日ごろより小笠原諸島の振興開発につきまして御尽力をいただき深く感謝をいたしております。本日は、小笠原諸島振興開発特別措置法の延長に伴う「新小笠原諸島振興開発計画」及び「平成11年度小笠原諸島振興開発事業実施計画」などにつきまして貴重な御意見を賜り、村民を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 平成11年度の実施計画のうち、村事業といたしまして父島ではし尿処理施設の処理棟改築、ごみ処理施設における埋め立て処分施設の建設。母島ではごみ処理施設用地の取得及び調査委託などを初め、村民の日常生活と深くかかわる生活基盤施設整備を中心にお願いをしております。また観光振興開発基本調査につきましては、昨年に引き続き実施をさせていただきます。 本年4月、小笠原村村政確立20周年を迎えました。都において空港位置が決定され、建設へ向けた調査が進められている今、空港開設を見据えた村づくりに本格的に取り組まなければなりません。新たな集落整備や観光施設整備を進める時期に、返還直後に整備された生活基盤施設の更新が重なる時期になってまいります。母島ではごみ処理施設、教育施設等の改築。父島では診療所、教育施設、福祉施設などの対応をしていかなければなりません。特別措置法の延長をいただきましたが、今後の事業展開を考えますと、ますます財政的に厳しい状況が続いていかざるを得ないと思っております。村としましては、村民と一丸となって創意工夫を凝らし小笠原村の自立発展に努めて行く所存であります。改めまして、今後より一層の皆様方の御支援、御協力を賜りますようお願いをさせていただきまして、私のあいさつといたします。どうもありがとうございました。

3.閉  会

会長
 ありがとうございました。
 引き続き、ことしの秋にでも審議会の現地視察を考えておる旨の申し出が事務局からありますので、それを説明していただきたいと思います。

中村幹事
 「小笠原諸島振興開発審議会現地視察について」という資料をごらんください。 前回は父島だけしか見ていただけなかったものですから、今回は母島にもぜひ一泊していただきたいということで、日程としては母島までの日程に縛られますので、五つございますこの中でどこかいいところに決めたいと思っております。次のページにお名前、それから参加する・しないにかかわらず○をおつけいただいて、後ほど事務局の方に御送付いただいて、この中で皆さん参加の可能性が一番高いところを選びたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。以上です。

会長
 それでは、この件はまた後ほど事務局に御連絡をいただきたいと思います。
 それでは、以上をもちまして本日の会議を終わりたいと思います。長時間にわたりまして御協力いただきましてまとこにありがとうございました。

午後4時 閉会


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