小笠原諸島振興開発審議会(第71回)会議録


日 時  平成15年2月4日(火)午後2時00分

会 場  千代田区平河町 都道府県会館 402会議室

議 題  (1)平成15年度小笠原諸島振興開発事業関係予算政府原案について

     (2)小笠原諸島振興開発に関する最近の動向等について

     (3)新小笠原諸島振興開発計画の実施進捗状況等について


出席者  会       長  岡 本 伸 之
     会  長  代  理  秋 本 敏 文
     委       員  
小豆畑   孝
              伊 中 義 明
              岩 崎  美紀子
              台   たまえ
              沼 田 早 苗
              麦 屋  弥 生
              山 下  生比古
              宮 澤  昭 一
              稲 垣      勇

     幹       事    澤 井  英 一 国土交通省都市・地域整備局長
              児 山 貴 一 小笠原総合事務所長

     国 土 交 通 省    中 馬 弘 毅 国土交通副大臣
              平 田 憲一郎 国土交通大臣官房審議官(都市・地域整備局担当)
              石 原   孝  都市・地域整備局総務課長
              山 口 悦 弘  都市・地域整備局特別地域振興課長
              田 中 護 史 海事局造船課次世代船舶事業化推進調整官

     東   京   都  福 永 正 通 副知事
              細 井   優 総務局行政部振興企画課長


(参  考)

〜当日配付資料〜
資 料 1  小笠原諸島振興開発審議会委員及び幹事名簿(PDF形式;9KB)
資 料 2  平成15年度小笠原諸島振興開発事業関係予算政府原案について(PDF形式;16KB)
資 料 3  小笠原TSLの造船契約及び傭船契約の締結について(PDF形式;647KB)
資 料 4  小笠原諸島
におけるエコツーリズム事業について(PDF形式;540KB)
資 料 5  小笠原諸島及び離島を訪れる観光客に対する意識調査結果の概要(PDF形式;149KB)
資 料 6  新小笠原諸島振興開発計画の実施進捗状況等(PDF形式;29KB)
資 料 7  小笠原諸島の主要指標(PDF形式;21KB)

参考資料1  新小笠原諸島振興開発計画(PDF形式;227KB)

参考資料   小笠原諸島の概要(PDF形式;768KB)

 

< 議 事 詳 細 >

 

○岡本会長 本日は、委員13名のうち11名のご出席をいただき、委員の過半数の出席をいただきました。ただいまから、小笠原諸島振興開発審議会を開催いたします。

〔副大臣挨拶〕

 

○岡本会長 議事に先立ちまして、国土交通省の中馬副大臣からご挨拶をお願いしたいと存じます。

○中馬副大臣 国土交通副大臣の中馬弘毅でございます。

 2時から本会議が始まりましたので、ご挨拶だけですぐ失礼させていただきますが、委員の皆様方には遠路からいらっしゃった方もございます。こうしてご参集いただきましたこと、心からお礼を申し上げる次第でございます。

 

 小笠原諸島は今年の6月に、昭和43年の本土復帰から35年を迎えることになります。本土復帰以来、特別措置法のもとで、住民の定着、産業の振興、交通手段の改善などを図るため、振興開発計画に基づきまして、道路、港湾や生活基盤施設の整備などを着実に推進しまして、本土から1,000キロメートル以上離れている地理的・自然的にも厳しい地域でありますが、島民の生活の安定と地域の自立的発展に相応の成果を上げてまいったと認識をいたしております。

 こうした成果を踏まえまして、これからの地域振興におきましては、地域自らの創意と工夫による主体的な取り組みが何よりも重要であります。

 小笠原諸島は、国内でも類を見ない豊かな海洋生物環境を有しまして、亜熱帯性の温暖な気候と美しい海が、最近では若者を中心として注目を浴びております。さらに、大陸と一度も陸続きになったことがないために、島内の動植物は独自の進化を遂げまして、学術的に貴重な固有種が数多く生息する地域であり、「東洋のガラパゴス」と呼ばれているそうでございます。

 今後は、こうした優れた地域資源を生かしまして、エコツーリズム等の体験型の観光に取り組むとともに、平成17年春から、ご承知のことと思いますが、高速の船、テクノスーパーライナー(TSL)が就航する予定でありまして、これら小笠原諸島の発展の可能性を最大限に活用することによって交流人口の拡大を図りまして、島内経済の自立的発展、住民生活の安定と活力に満ちた地域社会を実現していく必要があると認識いたしております。

 ご承知のとおり、小笠原諸島振興開発特別措置法は平成15年度が最終年度でありまして、今後の振興開発施策の展開について検討していかなければならない時期でございます。

 国土交通省といたしましては、これまでの事業の成果の検証、地域の実情や地方公共団体等の意向を十分尊重するとともに、本日の審議の内容を踏まえまして、東京都や地元小笠原村等と連携をしつつ、適切に対処してまいりたいと考えておりますので、委員の皆様方におかれましては、引き続きご支援を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。

 以上、簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

○岡本会長 ありがとうございました。

 なお、中馬副大臣は、国会開会中でございますので、ここで退席されます。どうもご苦労様でございました。

 

〔事務局紹介〕

 

○岡本会長 次に、議事に入ります前に、行政側の出席者について事務局より紹介をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○山口課長 本審議会の事務局を担当しております国土交通省都市・地域整備局特別地域振興課長の山口でございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、私から、国土交通省及び東京都の出席者を紹介させていただきます。

 まず、澤井都市・地域整備局長でございます。

 平田大臣官房審議官(都市・地域整備局担当)でございます。

 石原都市・地域整備局総務課長でございます。

 児山小笠原総合事務所長でございます。

 田中海事局造船課次世代船舶事業化推進調整官でございます。

 次に、福永東京都副知事でございます。

 細井東京都総務局行政部振興企画課長でございます。

 また、本日は本審議会の幹事になっている省庁からも出席をいただいております。関係省庁につきましては、資料1に審議会委員名簿とあわせて記載させていただいておりますのでご参照ください。

 以上でございます。

 

議   事

 

(1)平成15年度小笠原諸島振興開発事業関係予算政府原案について

(2)小笠原諸島振興開発に関する最近の動向等について

○岡本会長 それでは、会議次第により議事を進めたいと思います。

 本日は、次第にありますように、平成15年度の小笠原諸島振興開発事業関係の予算について、それから、テクノスーパーライナーなど小笠原に関係する最近の動向等について、振興開発計画の実施の進捗状況についての三点に関しましてご議論いただきたいと思います。

 特に(3)につきましては、ご案内のとおり、現在の振興開発計画は平成15年度が最終年度でありますので、本審議会といたしましても、これまでの計画に対する事業の評価等を行い、15年度には、16年度以降の小笠原諸島の振興開発施策について一定の判断を示さなければならないと考えております。本日は、特にこの点につきまして、委員の皆さんの忌憚のないご意見をいただきたいと思います。

 それでは、まず初めに平成15年度小笠原諸島振興開発事業関係予算政府原案についての説明を事務局からお願いしたいと思います。

○山口課長 それでは、お手元の資料2をご覧ください。「平成15年度小笠原諸島振興開発事業関係予算政府原案について」という資料ですが、概要を2枚と一覧表を1枚、計3枚でございます。

 小笠原諸島の振興開発につきましては、ただいま会長のご発言にもございましたとおり、平成15年度が新小笠原諸島振興開発計画の最終年度であるということを踏まえまして、計画の目標の達成に向け、生活基盤の整備また地域の特性を生かした産業の振興を図るという観点のもとに、地元の要望に基づき必要な額の確保を図ってきたところでございます。

 それでは、3枚目の表を見ていただければと思いますが、最初に小笠原諸島振興開発事業費補助でございます。まず、交通施設整備費補助ということで、二見港の岸壁の改修あるいは生活・観光拠点への利便性の確保のために、都道、村道等の整備の補助としまして、平成15年度予算額、bの欄になりますけれども、5億6,595万1,000円を計上しているところでございます。

 また、産業振興・観光開発費補助といたしまして、農業生産の安定化推進のために農道等の基盤の整備、また漁業拠点港の機能拡充のための改修等、共同利用施設の整備、さらに観光支援のための園地整備又は遊歩道の整備のため、計6億2,044万4,000円を計上しております。

 また、生活基盤施設等整備費補助でございますが、生活環境の向上を図るということを目的としまして、住宅、簡易水道、し尿処理施設等の整備のために4億7,763万円を計上しております。合計で16億6,402万5,000円、対前年度比0.97となっております。

 なお、特に平成17年度春にTSLが就航する予定でございます。後ほど説明がございますが、観光客の増加も見込まれるということで関係施設の充実を図ることといたしております。

 次の欄でございますが、小笠原諸島振興開発費補助金ということで、これは小笠原の特殊性を生かして、住民生活の安定・福祉の向上を図るために様々なソフト施策を実施しております。例えば、特殊病害虫の防除事業あるいは医療機器の整備・拡充等々で9,935万3,000円を計上いたしております。

 また、小笠原諸島の調査費ということで、小笠原の今後の自立振興を図るための調査費といたしまして1,753万1,000円を計上しております。

 総計で17億8,090万9,000円、対前年度比0.97ということでございます。非常に厳しい財政状況の中でありますが、地元の要望を踏まえまして、事業実施を確保するための必要額を十分確保してきたと考えております。

 以上でございます。

○岡本会長 ただいまの説明の中で、テクノスーパーライナーや観光関連施策の充実といった話がありましたので、ここは続けて、次の議案にございます小笠原諸島振興開発に関する最近の動向等についての説明をお願いして、その後、まとめてご質問、ご意見の時間をとりたいと思います。

 それでは、引き続き事務局から説明をお願いします。

 

○田中調整官 それでは、お手元の資料3に基づきまして、最近の小笠原TSLのプロジェクトの進捗状況についてご説明申し上げます。

 かねてより小笠原TSLにつきましては、小笠原TSLを運航する海運会社、それから、小笠原TSLを保有・管理する、いわゆるオーナー会社、この二つに分けましてそれぞれ検討を進めてまいりました。それで、小笠原TSLを保有する管理会社、テクノ・シーウェイズと申しますが、これは、先の会合でもご紹介いたしましたとおり、昨年の6月からその業務を開始したところでございます。

 実際に、この小笠原TSLを運航いたします小笠原海運との間で、鋭意、傭船に関します協議を進めてまいりました。

 一方、この小笠原TSLを建造いたします三井造船、これは国土交通省が国家プロジェクトとして、テクノスーパーライナーの開発に着手した当時から参加している造船会社でございますが、その三井造船との間で建造に関します詳細について協議を進めてきた次第でございます。

 その結果、本年1月、テクノ・シーウェイズと三井造船、それから、テクノ・シーウェィズと小笠原海運、それぞれとの間で造船契約と傭船契約がまとまりました。したがいまして、既に実際に船の建造に着手しておりまして、建造する事業所としては三井造船の玉野事業所でございます。

 お手元の資料3に、これまでの経緯と、実際の、今のところ建造契約上の仕様となっております小笠原TSLの概要について簡単にご紹介しております。これは、従来ご紹介している点からの大きな変更点はございませんが、詳細な仕様につきましては、その後、テクノ・シーウェイズと三井造船との間で、船の基本性能等々について色々協議がございました。その結果、一部の機器が追加搭載になったり、若干の仕様変更はございますが、そこの概要にご紹介している点については従来からのものと変更はございません。

 次のページに、小笠原TSLの概要についてポンチ絵をはさみながらご紹介しております。全長140メートル、総トン数1万4,500トンの双胴の空気圧支持型の高速船でございます。旅客数は742名、速力が約38ノット、時速70キロでございます。年間航海数は、現在、おがさわら丸の59便から92便に増便される予定でございます。片道、現在25.5時間掛かっております航路を16時間で結ぶということで、夕方出の翌朝到着というナイトクルーズが可能な船の仕様になっております。

 その下に、トータルサポートシステムというシステムをご紹介しておりますが、この船の就航に合わせまして、並行してテクノ・シーウェイズの方で、このシステムの開発を進めております。このシステムは、運航する船をリアルタイムでモニターいたしまして、通信衛星を介して種々のデータをやりとりするシステムでございます。それで、船の状態、機関の状態、周辺の天候、海象状況、それらを常々把握しまして、陸上センターの方で最適運航についての指示を出す。あるいは機関、船体の状況について常にウォッチしながら、何か、異常な兆候が出れば即座に対応を可能にしているというシステムでございます。

 このシステムにつきましても、小笠原TSLの就航が平成17年春、平成16年度末を今、目標としておりますので、それに合わせまして、このシステムも完成させる予定でございます。

 次のページには、小笠原TSLのみならず、今後の海上輸送体系の構築につきましてご紹介しております。これは、国内あるいは近海につきまして、高速の海上輸送網を構築していこうという計画でございますが、今回の小笠原TSLが離島航路として、実際に、この超高速船が就航する最初のケースでございます。したがいまして、右下にございますような種々の実用化支援体制を組みまして、小笠原TSLの就航に万全を期しているというところでございます。

 非常にスケジュールがタイトでございまして、造船所の方も全力を挙げて、この建造に取り組んでおります。したがいまして、船は一応スタートさせたということでございますので、この船の就航によりまして、かなりの観光客等々の増加が見込まれるところでございますので、現地サイドにおきましても十分な受入態勢等についてご検討いただけたらというふうに考えております。

 簡単ですが、進捗状況についてご紹介申し上げました。以上でございます。

 

○岡本会長 ありがとうございました。

 続いて、東京都から説明をお願いします。

 

○細井課長 それでは、東京都の方から、資料4の小笠原諸島におけるエコツーリズム事業について、続きまして、資料5の小笠原諸島及び離島を訪れる観光客に対する意識調査の結果の概要と続けて説明させていただきます。

 まず、資料4の方でございます。前回、第70回の審議会の席上でご説明させていただきました小笠原諸島におけるエコツーリズム事業につきまして、前回の審議会以降の状況をご報告いたします。

 本年度におきましては、先行事業としてガイド付きツアーの実施に向けて、東京都と小笠原村及び関係団体と協議を重ねてまいりましたが、今年の4月から、小笠原の2カ所におきましてガイド付きツアーを実施する運びとなりました。その経緯を資料4によりご説明をいたします。

 なお2枚目に、この資料4に関する資料を添付しておりますので、まず、添付資料の1ページである別紙1をお開き願いたいと思います。これは、昨年の7月1日に制定しました東京都の島しょ地域における自然の保護と適正な利用に関する要綱でございます。なお、対象地域は小笠原諸島だけでなく、伊豆諸島も対象としております。

 主な内容でございますが、第2条で自然環境保全促進地域を指定してございます。第3条で、その地域の適正な利用に関する協定を東京都と地元自治体との間で締結し、そして7条にかけまして、その地域に立ち入る際のルールを定め、東京都自然ガイドの同行を義務付けるといったものでございます。

 次に、4ページの別紙2をご覧いただきたいと思います。これは、先ほどの要綱の第3条に基づきまして、昨年の7月9日に東京都の石原知事が父島を訪れまして、宮澤村長との間で締結した協定書でございます。主な内容は、一つは自然環境保全促進地域として、南島及び母島石門一帯の2カ所を指定する。もう一点は、その地域における適正な利用のルールは10月1日までに定め、15年4月1日から施行するというものでございます。

 次に、5ページの別紙3をご覧いただきたいと思います。これは、別紙2の協定書の第3条、第5条に基づきまして9月30日に締結いたしました「適正な利用のルール等に関する協定書」でございます。主な内容は、一点目として、自然環境保全促進地域に指定した南島及び母島石門一帯両地域に共通するルールと、それぞれの地域の個別ルールを定めまして、東京都の役割、条文でいうと第2条です。それから、小笠原村の役割、第3条を定めるというものでございます。

 本協定の第2条で規定する都の役割は、一つは都民及び観光客等に対する自然環境保全促進地域指定の意義の周知、二点目として東京都自然ガイドの養成及び認定、三点目としてモニタリング調査の実施、四点目として適正な利用のルールの実施に対する支援でございます。

 また、3条で規定します村の役割でございますけれども、一点目は村民、観光客等に対する適正な利用のルールの周知、二点目として適正な利用のルールの運営体制の整備、三点目が地元関係団体等の取りまとめ及び適正な利用のルールの推進、四点目が東京都自然ガイドからの報告の聴取等適正な利用のルールの実施状況の調査、五点目は自然環境保全促進地域の村民の利用を含めた利用実績の東京都への提出の五点となってございます。

 それでは、資料4と書かれた最初のページにお戻りいただきます。今までは添付資料に基づきまして、ここで言う2番のこれまでの経緯と今後の予定をご説明してまいりましたが、引き続き、このレジュメに沿ってご説明をいたします。

 さて、これらの協定に基づきまして、10月1日から15日まで、父島及び母島で東京都自然ガイド認定講習を実施いたしました。その結果、父島で120名、母島で21名が認定講習を修了いたしました。本年1月には追加講習が実施されまして、今月中、遅くとも3月までに東京都自然ガイドの認定を行う予定でございます。ガイドは最終的に、父島、母島合わせて150名程度、誕生する予定でございます。

 これによりまして本年4月から、協定に基づきます東京都自然ガイドによるエコツアーが実施されることとなります。

 また、15年度に実施予定の主なエコツーリズム関連事業といたしましては、一点目として、観光資源調査として新たな観光ルート及びスポット、雨天対策観光や島内サイン全体計画について調査を実施いたします。二点目として、東京都自然ガイドによるツアーの利用者に対しましてモニタリングを行い、その結果を本ツアーの内容の充実や見直し、またガイド養成などに生かしていく予定でございます。その他には、三番目の、本年度と同様に東京都の自然ガイドの認定講習を開催します。また四点目として、自然環境保全促進地域をモニタリングし、適正な利用のルール等の検証を行う予定でございます。ハードに関連したものとして、五番目ですけれども、ビジターセンターの増改築に向けた基本設計を行います。また、村が主体となって、六点目の観光宣伝手法調査を実施しまして、効果的な観光PRについて検討する予定でございます。

 これらの事業を通じまして、世界的にも貴重な小笠原の自然を将来にわたって維持するとともに、観光資源として積極的に利活用し、地域経済の発展に貢献するよう、小笠原村や関係団体とともにエコツーリズムに取り組んでいく所存でございます。

 資料4につきましては、以上でございます。

 続きまして、資料5でございます。小笠原諸島及び離島を訪れる観光客に対する意識調査の結果の概要ということでございます。

 新小笠原諸島振興開発計画が平成15年度末で終了いたしますことから、今後の振興開発事業のあり方を整理するための調査を現在実施しておりまして、その中で、特に観光立島による自立に向けて、小笠原諸島への集客に繋がる誘因を分析する必要があることから、小笠原諸島及び他の離島を訪れた観光客を対象として、昨年の9月から10月にかけましてアンケート調査を実施したところでございます。本日は、その概要につきましてご報告させていただきます。

 表紙をめくって、次の1ページ目をお開き願いたいと思います。アンケート調査の実施概要でございます。

 今回のアンケート調査の大きな特徴は、小笠原諸島以外の離島においてもアンケート調査を実施したことでございます。小笠原諸島のほか沖縄本島、西表島、佐渡島、礼文島及び屋久島を訪れた観光客を対象に行いました。

 アンケート調査票の回収方法は、調査票を宿泊施設に配布した上で、小笠原諸島においては船客待合所で、その他の離島におきましては宿泊施設のフロントで調査票を回収いたしました。回収状況につきましては、有効回収率が35.6%になってございます。詳細は、それぞれ表がございますので、それをご覧いただきたいと思います。

 次に、アンケートの質問内容でございますけれども、詳しくは19ページ以降に本アンケート調査の調査票をつけておりますので、後ほどご覧いただければと思いますけれども、主な内容でございますが、小笠原諸島来訪者に対しましては、回答者の年齢など基本事項関連が4問、訪問目的事項が5問、小笠原の魅力関係の質問が8問、交通関係が7問、合計24問となっております。それから、他の離島訪問者に対しましては、年齢など基本事項関連が4問、訪問目的関連が6問、小笠原関連7問、交通関連が6問と、23問にわたってございます。

 それでは、2ページをお開き願いたいと思います。このアンケート調査の概要に沿ってご説明をいたします。この表の左側が小笠原諸島に関するもの、右側が他の離島訪問者の意見の集約ということでございます。

 まず、小笠原諸島来訪者の属性でございますけれども、他の離島訪問者は年代にばらつきがあるのに対しまして、小笠原諸島来訪者は圧倒的に20代、30代の若い世代の来訪者が多い結果となっております。また、小笠原を訪れる観光客は東京都からが4割を超えているのを初め、関東地方から訪れる観光客が大半を占めてございます。

 次に旅行形態でございます。小笠原来訪者のおよそ7割が、1人また2人で訪れている結果が出ております。また、4人以上で訪れた人の6割以上がダイビングを目的に訪れております。

 次にリピーターの状況です。小笠原諸島来訪者の3分の1がリピーターという結果が出ており、沖縄本島以外の他の離島より高い割合となっております。そのリピーターの多くはダイビングを目的にしている人が多い傾向となってございます。

 続いて、3ページをご覧いただきたいと思います。旅行先の選定についてでございます。小笠原や他の離島を旅行先に決定した時の状況について質問したものでございます。

 まず、旅行先に決定した理由でございますけれども、目的に合った旅行先、まだ訪れたことがなかったと回答した人が、小笠原及び他離島とも3割以上という結果が出ておりますが、決定するに当たって、他の旅行先も考えたかどうか伺ったところ、考えなかったと回答した人が小笠原来訪者の方に多い結果が出てございます。

 続きまして、小笠原に対するイメージについてでございます。小笠原来訪者に小笠原のイメージを伺ったところ、青く澄んだ海、イルカ・クジラ、島の雰囲気、都会の雑踏が忘れられるなどの、海や自然と答えた人が上位を占めてございます。他方、他の離島来訪者に小笠原のイメージを伺ったところ、遠い島、海、自然を挙げる人が多い結果となってございます。また、小笠原の認知度を伺ったところ、小笠原を知っていたと答えた人が3割、全く知らなかった人が6.9%となってございます。

 4ページをお開き願います。小笠原諸島来訪者の小笠原に対する評価・満足度についてでございます。小笠原の評価・満足度につきましては、「訪れる前に心配したこと」、「訪れて困ったこと」、「父島、母島の印象として良かったと思うこと」、「悪かったと思うこと」、「宿泊施設の満足度」、「小笠原に必要なもの」、「改善を要すること」の6項目について伺いました。

 まず、「小笠原諸島を訪れる前に心配したこと」では、気候と回答した人が29.4%と最も多く、船の便数、航路運賃と答えた人が続いております。

 次に、「訪れて困ったこと」では、具体的に島内の移動手段と回答した人が19.4%と最も多い一方で、特にないという人が34.5%に上っております。

 「父島、母島の印象で良かったと思うこと」は、自然環境が約8割に上っております。

 また、「悪かったと思うこと」では、困ったことと同様に島内交通が最も多くなってございます。

 「宿泊施設の満足度」では、接客、食事の満足度が高い反面、シャワーなどの設備に関し不満を感じている人が多くなっており、父島、母島の宿泊施設の満足度を比較しますと、母島の宿泊施設の方が満足度が高い傾向を示しております。

 続いて、「小笠原に必要と思うもの」については、父島・母島間の所要時間の短縮の44.2%を初めとしまして、小笠原への来島手段に関する項目が上位を占めてございます。

 「改善を要すると思うもの」につきましては、このまま変わらずに、を初め、今のままの小笠原を維持してほしいという意見が最も多くなってございます。

 以上が、小笠原諸島来訪者の小笠原の評価・満足度についてでございます。

 次に、他の離島訪問者に小笠原への来訪経験の有無を聞いたところ、5.9%の人が来訪したことがあると答え、この来訪経験者に小笠原と他離島との比較を尋ねたところ、ゆっくりできる、自然、街並みについて小笠原の方が評価が高いという結果になってございます。

 5ページをご覧いただきたいと思います。次に、小笠原諸島への再訪・定住意向についてでございます。9割を超える高い割合で再訪を望んでおりまして、また将来、小笠原に住んでみたいと答えた人が6割に上っております。

 一方で、もう来ない、わからないと答えた人にその理由を尋ねたところ、来島に時間が掛かるからと答えた人が最も多くなってございます。

 他の離島訪問者に小笠原への来島意向を聞いたところ、小笠原来島経験者では8割を超える人が、未経験者では7割を超える人が小笠原へ行ってみたいと答えていますが、行ってみたいと思わない人にその理由を尋ねたところ、情報の不足、交通アクセスと回答した人が突出してございます。

 最後に、エコツーリズムへの意向についてでございます。昨年、小笠原村と東京都で締結したエコツーリズムの実施に関する協定について、小笠原来訪者のうち28.6%の人が知っていると答えております。同じ質問を他の離島来島者に聞いたところ、知っていると答えた人は7.3%で、小笠原来島経験者の方が協定の認知度が高いというような傾向になってございます。

 また、エコツーリズムへの関心度を見ますと、小笠原諸島来訪者のうち、およそ4分の3の方が関心があると答え、他の離島訪問者においても約6割の方が関心があると答えております。

 さらに、ガイド付きツアーへの参加経験の有無を聞いてみたところ、小笠原諸島及び他の離島訪問者ともに5割以上の人が参加経験があると答えております。

 以上が、アンケート調査結果の概要でございます。

 6ページ以降に調査結果の詳細な主なものを載せておりますけれども、後ほど、ご覧いただきたいと思います。

 大変、雑駁ではございますけれども、以上で説明を終わらせていただきます。

○岡本会長 ありがとうございました。

 以上で、議事にございます(2)まで事務局からご説明をいただいたところでございますが、これらの点につきまして、ご質問、ご意見等ございましたらご発言をお願いします。

 ガイドの講習を受けられるのは地元の方でございますか。全員、地元でございますか。

 

○細井課長 そうです。地元の方でございます。

 

○岡本会長 モニタリングというのは、どういう内容ですか。

○細井課長 モニタリングは、一つはガイドが適正に案内をしているかどうかというガイドのモニタリングと、もう一つは自然の破壊なり何なりが進んでいないか。エコツアーを実施して自然の破壊が進んでいないかというようなことでございます。

 

○岡本会長 大事なところですね。わかりました。

 他に、ございませんでしょうか。

 

(3)新小笠原諸島振興開発計画の実施進捗状況等について

○岡本会長 それでは、議事を進めたいと思います。

 (3)でございますが、先ほども申し上げましたとおり、小笠原諸島振興開発特別措置法は平成15年度いっぱいで法律の期限が切れますので、新小笠原諸島振興開発計画は来年度が最終年度ということになります。計画全文を参考資料として配付していただいておりますが、この計画には、道路、港湾といった基盤整備に関することや、産業振興、観光施策など様々な内容が盛り込まれております。法律の期限もさることながら、21世紀の小笠原諸島の振興開発策を考える上では、これまでの成果をこの機会に一度振り返って、しっかり検証することが大切だと考えております。

 それでは、事務局の方で資料を作成していただいておりますので、まずご説明をお願いします。

○山口課長 それでは、資料6、資料7の説明をさせていただきたいと思います。

 まず資料6でございますが、これは新小笠原諸島振興開発計画に基づく各種事業の進捗状況をまとめてみました。進捗状況の概要でございます。それぞれの分野においての成果と課題をここから把握できればと考えております。

 この資料でございますが、参考資料1に振興開発計画の写しをお渡ししておりますが、この計画の順序に従って項目の順番にまとめております。左側に計画の内容、真ん中に、この期間内に実施してきた主な事業、そして、それの進捗状況、課題を含めて右側の欄に示しております。

 まず港湾整備でございますが、父島二見港、母島の沖港につきまして計画に基づいて岸壁改修等々施設の整備を行ってまいりました。この事業を実施したことによりまして、二見港、沖港の整備、機能の充実が図られてきましたけれども、記載されております中で、マリーナの整備については事業化には至っておりません。

 また、計画の中には入っておりませんが、先ほど説明がありましたように、17年春にTSL就航が予定されるということでございますので、これは、計画策定当時にはなかったということで新たな課題を一つ示しております。

 空港整備でございますが、これは事業化を目指すということで計画に記載されておりますが、時雨山周辺の計画に代わって新たな航空路の案の調査検討が現在行われているという状況でございます。

 道路整備、これは都道の240号、父島の240号、母島の241号、そして村道等の整備を行うこととしておりますが、道路の新設、扇浦地域線、また長谷橋梁、長谷トンネル等の事業が進められ、整備が着実に進んでおり、村民の利便性、産業振興に寄与しておりますが、歩道の整備、また村道の整備等々、質的な面においては、まだ課題は残されております。

 船舶整備でございますが、これは先ほど説明しましたとおり、計画の中には入っておりませんが、TSLの建造に着手をいたしまして、17年春に就航予定ということでございます。

 情報通信体系につきましては、情報通信基盤施設の導入改善を図ることを目標に、この期間、情報化への基本計画を策定し、地元で情報センターを造るという計画が進められておりまして、これは14年度から事業着手されまして、まだ目に見える形にはなっておりませんが、事業の途中でございます。

 なお、本土との間は衛星通信で電話等の回線は繋がっていますが、耐用年数の問題が近々来る状況にあります。また、いわゆる昨今のブロードバンド化には、まだまだ対応できていないというような問題も残っております。

 次ページを、めくっていただきまして、産業の振興と観光の振興になりますが、農業の振興でございます。これも農道改修、農地の造成、関連施設の整備等々、実施をしてきておりまして、生産基盤の整備が着実に進んできているのではないかと考えております。しかしながら、基盤整備は進んだものの、生産額が低迷をいたしております。後ほど、資料7において数字で説明をいたしたいと思います。

 また、この計画は計画の初めに土地利用計画が示されている計画でございまして、居住地域を集約し、一カ所にまとまって住んでいただく形になっていることもございまして、農地と居住地が、そういう意味では分離をされているという問題も現在抱えております。

 水産業でございますが、これも水産センターの改築、漁港の整備等々、努力をしてまいりました。このため、特に生産額が、昭和60年に比べると7割以上増加しているということで増加した時期がございました。ただし、平成2年以降は横ばいであるという状況でございます。

 なお、母島漁港につきましては避難港として整備をするということで、16年度以降の事業も継続されることになっております。

 商工業でございますが、小笠原は、特に工業従事者は極めて少ない島でございまして、商業関連につきましては、基本的に島内消費分は島内で、地産地消と言いましょうか、そういう形が本来あるべき姿かもしれませんが、残念ながら、島内消費分は本土から移入をするという形になっておりまして、まだまだ課題が残されているということでございます。

 次に3ページでございますが、観光の開発でございます。これは亜熱帯特有の、独自の自然を生かした海洋性リゾート地域として整備を進めるという計画になっておりまして、これまで、自然公園の中で休憩舎の改築、遊歩道の整備等々を進めてまいりました。右側の欄に書いておりますが、遊歩道、ビジターセンターの整備、また観光メニューとしてのホエールウオッチング等、様々な努力をしてきております。観光客数につきましては3万人前後で、最近は横ばい状況ということでございます。この状況をどう評価するか、議論のあるところかと思います。また、先ほど東京都から説明がありましたとおり、エコツーリズムを機軸とした観光振興の努力を現在続けております。

 次に生活基盤でございますが、まず住宅の整備でございますが、島の特性に応じた住宅の整備、そして、老朽化してきた住宅の建て替えの促進を図るということで努力をしてきております。都営住宅74棟中60棟が簡易耐火構造の建築物であるということもございまして、努力はしてきておりますが、持ち家率が2割程度にとどまっており、非常に低い持ち家率のままであります。建築資材のコストが非常に高いということで住宅の取得を困難にしているのではないかとも考えられます。

 生活環境施設の整備でございますが、これはダム等の水資源の開発施設の整備、簡易水道の整備、また、し尿処理施設、ごみ処理施設といった生活に極めて重要な施設、基本的な施設の整備を進めてまいりました。現在、施設の老朽化、塩害等による腐食等が課題となっております。

 市街地集落の整備でございますが、これは土地利用計画に基づいて集落の整備を実施しておりますが、集落全体の整備を今後とも行う中で都市公園の整備を進め、また父島の扇浦地区の第二集落をこれから整備を進めていくという状況でございます。

 次に4ページでございます。医療の充実ということでございますが、計画に基づきまして、特に急患の搬送用施設として、夜間のヘリの離発着ができる施設を整備し、また、CTスキャンの設備も整備をするなど努力をしてきております。これ以外にも、施設整備、管理運営体制の充実を図ってきておりますが、父島の診療所の老朽化が進んでいること、また、島内では専門的な診療を受けることは、現状では極めて難しい。結局、そういう場合には本土で治療を受けることになってしまうということで、経済的、精神的負担が大きい状況は依然変わっておりません。医療スタッフの安定的確保も、現在、課題となっております。

 社会福祉施設ですが、これにつきましては、高齢者の入所施設が島内にはない。また、母島には高齢者施設そのものもないということで、いわゆる老人ホームがないということでございます。こういう課題を抱えております。

 教育・文化の振興でございますが、学校施設につきましては生徒数の増加に合わせた形で増改築は進めてきておりますけれども、まだ特別教室の整備がなされていない等の問題を抱えております。それから、文化財等の保護、様々な貴重な資源の保護を図る努力をしております。

 また自然保護に関しましては、小笠原の優れた景観、固有かつ稀少な野生動植物を保護するための努力を進めてきておりまして、野ヤギの駆除、野生植生の回復の事業等、固有種の回復に努力をしております。また、南島のエコツーリズムの説明もございましたけれども、入島に関する自主ルールを制定して、エコツアー、エコツーリズムの実施に努力をしておる状況でございます。

 5ページでございますが、防災・国土保全ということで、これは河川改修、砂防施設等の整備を着実に進めてきております。

 硫黄島対策でございますが、これは硫黄島の旧島民の方の定住促進ということで、これまで努力をしてきております。父島の一時宿泊施設、母島の農業団地の整備を行いまして、現在、農業団地におきましては5世帯・5人の方に営農していただいているということでございまして、適宜、募集を進めてきております。

 その他でございますが、金融対策、電力の確保等の努力をしてきておりまして、金融対策の中では、これまで島の金融機関としては郵便局と農協ということでございましたけれども、15年秋には七島信用組合の支店が開設されるということを伺っております。

 以上が資料6でございまして、次に、資料7を併せて説明をさせていただきます。先ほど説明をいたしました資料6の計画に基づいて様々な事業を実施してきたということでございますけれども、資料7は、この事業の実施によりまして、小笠原の振興開発の特別措置法あるいは振興開発計画の目標が、どの程度達成をされてきているのかということを見ていただく一つの資料ということでございます。

 枠囲いの中に書いておりますが、今一度、法律、計画の目標を振り返って考えてみようということでまとめてみました。法律に書いてありますように、目標は、小笠原の特殊事情に鑑み、その基礎条件の改善と振興開発を図るということになっております。また計画の目標として書かれておりますのは、島民の定住、生活の安定、そして、地域の自立発展を促進するということになっております。具体的な目標としては人口の目標数値が掲げられておりまして、15年度末、短期滞在者を含め約3,000人ということが想定をされております。

 本来、この特別法に基づいて地域の振興を図るということは、小笠原諸島の特殊事情があるから、そういう特別な措置をしていくということであろうと考えられますので、その小笠原諸島の特殊事情の状況というものをまずまとめてみました。それが1番の説明でございまして、この特殊事情による不利性というのはこういうものがあるのではないか。現在、まだこういう状況は残っているのではないかということを記述いたしました。

 まず、地理的な特殊事情による不利性としまして、本土から1,000キロ離れた場所にある外海離島であるということで、先ほども説明がありましたが、移動時間は約26時間を要します。さらに、頻度も6日に1便ということでありますので、さらに相当長い時間待たなければいけないという状況であります。

 自然的特殊事情による不利性としまして、亜熱帯特有の特殊病害虫、ミカンコミバエは根絶されましたが、これの再発生又は再侵入の危険性ということは現在も残っており、また、アフリカマイマイ、アリモドキゾウムシ等の作物に影響を与える病害虫の課題をまだ抱えております。さらに、台風の常襲地帯でもあるという状況でございます。

 歴史的特殊事情による不利性につきましては、これは、小笠原は過去、強制疎開が行われたということもありまして、疎開した後の居住地が山林原野と化して、ジャングル化したという状況にありますので、その島の振興開発を図るためには基盤整備を進め、その不利性を解消する必要があるということでございます。

 そして、社会的特殊事情による不利性ですが、これは固有の生態系保護をするために島内の4分の3が国立公園の区域に指定をされているということで、社会経済的な活動が制限をされているのではないかと考えられます。

 以上が特殊事情でございますが、この計画の目標がどの程度達成されたか、具体的な目標といいますか、客観的目標が示されておりませんので、あくまで目標を想定してまとめてみました。しかし、これが指標の全てでもありません。代表的だと思われるものをまとめてみたものでございます。

 まず、経済の状況ということでございます。所得と物価と書いておりますが、まず小笠原諸島の13年度の所得額、これは下に表がございますけれども、9割以上が給与所得であるということでございます。漁業所得1.1%、農業所得0.4%で、自営業者の方の数が非常に少ないということもございますし、所得も比較的低いということでございまして、92.8%が給与所得でございます。

 また物価でございますけれども、これは東京23区を100とした場合に、厳密に比較できるデータはありませんが、一定の仮定のもとで調べたものによりますと、単純平均で159.2ということでございます。これは、参考資料2の24ページ、25ページに詳しい資料を載せております。これは159.2ということですけれども、日本の中で一番物価の高い東京23区を100とした場合で6割増し、物によっては、ガソリンなどは1.8倍から1.9倍。もっと高いものもありますし、安いものもありますが、平均して6割増しぐらいになっているという状況に現在あるということでございます。

 次に、社会の状況でございます。次のページの人口ですが、12年の国勢調査人口で、短期滞在者を含めまして2,445人ということでございます。これは、先ほど目標3,000人と申し上げましたが、そういう意味では、まだ目標には達していないということでございます。

 それから、人口増加率でございますが、これは全国よりも高い人口増加を示しているということで、下の表に色々書いております。直近の国勢調査と比較すると、全国より低い増加率ではありますけれども、人口は増加しているということでございます。厳密に言いますと、平成10年以降は、若干、減少基調ではございます。これも参考資料2の10ページに人口のデータを載せておりますので、後ほどご覧ください。

 転出入の状況でございますが、これは全国と比較して約3倍の転出入があるということで、この島の特徴として、多くの人が入ってきて、多くの人が出ていっているという状況にあります。これをどう評価するか、議論すべき課題がございます。

 それから、65歳以上人口の構成比で高齢化率を見ると、これは全国の約半分ということでございます。これは、浦安市に次いで全国2番目に低い高齢化率ということのようでございますが、高齢化率が低いということは、先ほど福祉の説明で申しましたように、高齢者が住みづらいという問題も抱えておりますので、これをどう評価するかということがございます。

 次に、産業の状況を見てみたいと思いますが、3番でございます。まず、小笠原諸島の4分の3が国立公園に指定されておるということで、極めて利用できる場所は限られています。また、宅地、道路、農用地として活用されている面積は、現在5%未満ということで非常に低い土地利用の状況になっております。

 また、産業分類別の就業者比率で見てみますと、建設業が全国と比較をして約2倍の比率でございます。また公務員が全国離島の3倍、全国の約5倍という状況でございます。

 逆に、商工業に関しては全国の3分の1ぐらいということで、非常に低い比率にとどまっております。

 それから、中高生の就職者でございますが、これは、すべて島外で就職をしているということです。全国離島では3割ぐらいが島内で就職しておりますが、すべて島外。

 農業生産額につきましては減少しているということですけれども、14%程度の減少ということでございます。これは参考資料2の方にも詳しく出ております。

 また漁業を見ますと、60年と比較して7割以上増加しております。全国離島や全国で生産額が低迷している中で、極めて特徴的なものかと思いますが、最近は横ばい基調ということでございます。

 観光客でございますが、59年と比較しまして4割弱増加しております。非常に増加しておりますけれども、全国離島の伸びから見ると半分程度の伸びに過ぎないということでございます。これも参考資料2の16ページ以降に資料をつけております。

 次に、交通・生活関係の状況でございますが、小笠原では、復帰以来、公共投資を重点的に実施してまいりまして、島内の交通基盤の整備は進んできたと考えられますが、本土との交通アクセスという面では、26時間、6日に1便という課題は依然残されているということでございます。

 下にアクセスの状況の改善具合を見ておりますが、昭和47年から見ると着実に改善はされてきておりますが、時代の流れの中で、いまだ不利性としてこういう状況を抱えています。また情報通信基盤についても、現在、本土との間は通信衛星で電話等が繋がっているわけですけれども、次にどう対応していくかという課題は至急検討しなければいけないことかと思われます。

 持ち家率が全国の4分の1程度、また医者の数も、平均的な数字で見ると、それほど変わらないという形になりますけれども、人口規模が非常に小さいため、医師の数が4人、歯科医師が2人ということで、極めて厳しい状況にあるのではないかと考えられます。

 小中学校の整備率についても伸び悩んでいるということでございます。

 また、指標にはできませんが、母島漁港を避難港として整備を進めていく必要性があるとも考えられますので、これにどう対応していくか、課題として残されております。

 以上が主要指標の説明でございますけれども、資料6、資料7を十分ご活用いただいて、振興開発の成果、また今後の課題についての議論を進めていただければと考えております。

 以上でございます。

○岡本会長 達成できたもの、また今後の課題、色々あるようでございます。

 それでは、これらの資料をベースに議論を進めていきたいと思いますが、まず、小笠原村長から地元としてのご意見を伺いたいと思います。

○宮澤委員 発言の機会をいただきありがとうございます。

 委員の皆様を初め国土交通省並びに東京都の皆様におかれましては、日頃より小笠原諸島の振興開発につきましてご尽力をいただき、この場をお借りし、厚くお礼を申し上げます。

 さて、先ほど振興開発計画の進捗状況や主要指標の説明がありましたが、今までの振興開発事業の成果については、総論として、返還以来三十数年にわたり特別措置法に基づく諸整備が進められ、道路、上下水道、ごみ処理施設、医療施設など、住民生活に必要となる基本的な社会基盤は概ね整備をされ、特別措置による、その成果のもとに今日の住民生活の基盤が成り立っていることは事実として村民共通に認識をしており、非常に感謝をするところでございます。

 しかしながら、特別措置法の目的と現状を照らし合わせますと、残された課題もまだ数多くあるという認識も一方では持っております。現実的な課題を幾つか申し上げますと、生活基盤につきましては、医療施設の老朽化と機能拡充のための施設整備が残っており、同様に、高齢者福祉に対応する入所施設の整備が残っております。高齢者の転出も一部見受けられる現状においては、介護保険制度への対応も含め、最低限のサービスの提供と、そのための施設整備は欠かせない課題でございます。

 また、既に着手しておりますが、IT基盤整備についても、情報の過疎化の防止、情報の発信手段の観点で、時代の変化に対応する生活基盤として必要な整備でございます。

 産業基盤につきましては、農業基盤整備はかなり進みましたが、遊休地も存在する現状にあり、農業生産物の島内外での物流条件や仕組みを改善しながら生産額を増やしていくなど、総合的な振興対策が欠かせない課題として残っております。

 また、基本的かつ重要な課題として残されておるのが、一つは交通アクセスの改善でございます。平成17年春にテクノスーパーライナーが就航し、航路は改善されますが、それでも島民の毎日の足にはならず、17時間を要することとなります。この機会をとらえた産業振興を図ることは当然でありますが、やはり我々島民の悲願は航空路の開設であります。国内において、沖縄本島を含む本土間の交通アクセスが毎日確保されていないのは小笠原だけではないでしょうか。

 もう一つは旧島民対策でございます。特別措置法の目的の一つに、帰島を希望する旧島民の帰島促進がありますが、その成果は、必ずしも十分であったとは言えません。小笠原諸島の旧島民が沖縄とも奄美とも大きく違うのは、強制疎開から25年間、帰りたくても帰れなかったという状況に置かれたことがあります。さらに言えば、硫黄島には今でも帰れないという状況にあることです。旧島民も高齢化が進むなど、取り巻く状況が変化しており、現在では旧島民の帰島がほとんどない状況の中、改めて旧島民の帰島促進について考える必要があると思います。

 村としては、高齢になっても、いずれは故郷に戻るという希望を持つ旧島民がまだまだいらっしゃる以上、特別措置法で支援する必要があると思いますし、旧島民対策は欠かすことはできない課題だと認識をしております。

 以上、返還以来の成果と課題を振り返って意見を述べさせていただきましたが、日々、社会情勢が刻々と変化する中で、小笠原を取り巻く新たな課題が生じている状況もございますので、この部分について、少し触れさせていただきます。

 それは自然環境の保全と利活用の調和の問題でございます。ご承知のとおり、世の中全体が環境の時代となり、資源循環型社会や環境との共生という言葉が叫ばれている状況の中、環境の保全と利活用のバランスが色々な場面で問われるようになってきております。この問題は、全国離島においても共通する今日的課題でありますが、他の離島とは性質を異にする小笠原独自の自然環境があり、また、そのことを観光資源の目玉として標榜する小笠原だからこそ、その対応の仕方が問われる状況もございます。

 その意味においては、事業主体を問わず自然環境との調和に配慮する視点に、今まで以上に重点を置きながら、その環境を生かした産業振興や、それに相応しい基盤整備を進めていく必要が生じております。

 以上、これまでの振興開発事業の成果と村を取り巻く今日的な課題について意見を述べさせていただきましたが、基盤整備が進み、相応の成果は上がりましたが、法の目的である住民生活の安定及び質の向上が真に達成されるためには、残された課題の解決と整備された基盤を最大限に生かしていくことが重要になります。そのためには、まず我々島民が最大限の努力をすることが肝要であることは言うまでもありません。

 委員並びに関係機関の皆様には活発な議論をお願いしまして私の発言とさせていただきます。

 ありがとうございました。

 

○岡本会長 ありがとうございました。

 それでは、東京都の福永副知事からも、地元としてのご意見を伺いたいと思います。

  

○福永副知事 それでは、発言をお許しいただきましたので、知事に代わりまして、一言申し上げたいと存じます。

 小笠原諸島の振興開発につきましては、かねてより、委員の皆様を初めといたしまして、関係省庁の方々には大変なご高配をいただいて、この場をお借りしてお礼を申し上げたいと存じます。

 既に触れられておりますように、小笠原諸島におきましては、昭和43年の本土返還以来、その歴史的、地理的な状況に鑑みまして、国の特別措置に基づく様々な施策が講じられてまいりまして、道路、港湾など交通基盤を初めといたしまして、生活環境などにつきましては着実に整備をされてきたところであります。

 しかしながら、先ほどの村長の報告にもございましたとおり、やはり高齢化や高度情報化などの新しい社会状況に対応するために、医療、福祉の充実、さらには情報通信ネットワークの整備など、やはり取り組んでいかなければならない新しい課題も残されております。

 また、先般の離島振興法の改正にも見られますように、地方分権の流れの中で画一的な格差是正というものから、やはり地域の特性を生かした地域自らの創意と工夫というようなものが主体的に取り組まれていかなければならないということで、これは一つ、小笠原諸島においても例外ではないというふうに私どもは認識しております。小笠原諸島が地域の個性を生かして自立していくためには、やはり世界的にも評価されております貴重な自然をきちっと保全する。その上で、これを貴重な観光資源といたしまして、継続的に利活用していくことが何よりも重要であるという認識を持っております。そのためには、先ほど説明をさせていただきましたけれども、東京都といたしましても、地元と連携をした東京都版のエコツーリズムに取り組んでいるところであります。

 また、先ほどのご説明にもございましたとおり、平成17年春には、国土交通省が中心になって開発実用化が進められております超高速船のTSLの就航が予定されているわけでありまして、小笠原諸島の自立発展を図るというためには、これは絶好の機会ではないかと考えております。やはり観光を主体として自立していくためには、少なくても観光客を現在の2倍程度にする必要がありまして、それによって、このTSLの安定的な運航も確保することが可能になるのではないかという思いであります。

 しかしながら、そのためには、単にTSLが就航するということだけではなく、地元において多用なニーズに的確に対応する観光メニューというようなものの開発を初めといたしまして、観光拠点の整備やサービスのレベルアップ、これらのものを積極的に図っていかなければ観光の振興には繋がらないというふうに認識をいたしておりまして、今後は、これらに重点的に事業をシフトしていきたいと考えております。

 どうぞ、これからの小笠原諸島の振興開発につきましても、本日、色々とご論議をいただきまして、我々としても大きく、そのお教えをいただいたものを事業として推進をしていきたいと考えております。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。

○岡本会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの小笠原村、東京都の声を踏まえまして、委員の皆さんからご意見をいただきたいと思います。どうぞ、ご自由にご発言ください。

 

○伊中委員 朝日新聞の伊中です。ちょっと途中で退席する可能性があるので口火を切らせていただきます。

 政府原案についてですけれども、振興開発計画の実施の進捗状況との関係でお伺いするのは、要するに、全体の補助金が今の状況の中で減るのはやむを得ないと思います。したがって、当然、メリハリがつけられる、これもよくわかります。

 その際に、産業振興・観光開発費補助については、対前年度比が0.76とかなり目立って落ちております。

 一方では、先ほどの話のように、やはり今後の観光開発についての重要性も強調されておりますが、ここには大きなテーマしか書いていないので、それ以上のことがわからないものですから、それでお伺いするわけです。この辺のはっきりした、非常にメリハリがついていることと、振興開発計画のポイントとの関係についてご説明を聞かせていただきたいというのが第一点でございます。

 ついでにもう一つ、さっきのアンケートが、非常に私にとっては興味深くて、若い人が多い、しかもリピーターが多いということはおもしろいデータだな、非常に良いデータだなと。しかも、TSLが就航することによって、初めて島を訪れる人がこれから増えるであろう。それが、さらに若い人が多くリピートしてくれるということは、一つの大きなきっかけになるのかなと思います。そういう意味で、TSLの就航について、このアンケートとの関係で、今まで思っている以上に、何か、大きな期待を持ち得るのかどうなのか、その辺について、調査された皆さんのご感想をぜひ聞きたいと思います。

 以上です。

 

○山口課長 予算の関連でございますが、確かに、平成15年度の対前年度比だけを見ると、産業振興・観光開発費補助の分が0.76ということで数字上は落ちておるわけですけれども、非常に限られた場所での事業ということもありまして、その年々の事業の増減がございます。一定の事業をやって完成をした場合には、その事業は次の年からなくなるということもありますので、たまたま完成した事業もあるということで落ち込んでいるということでございまして、全体的な趨勢から見れば、産業振興・観光開発、生活基盤、このあたりを重点的に今後とも増えていくのではないかと考えております。

 以上でございます。

 

○岡本会長 ありがとうございました。

 

○細井課長 先ほどのアンケートの結果を踏まえてということでございますけれども、小笠原につきましては、20代、30代の若い世代、それから、ダイビングを目的とする人が多いというような結果が出ておりますので、この辺から、ダイビングをする人以外のリピーターをどうやって今後誘導していくか、それから中高年層ですね。こういったものを対象にした集客の施策を充実していかなければならないと考えておりまして、東京都では、来年度、調査を一つ予定しております。宿泊施設の充実とか、それから、雨天の時にも観光客が楽しめるような施設、島内の新たな観光ルート、こういったものを調査して、今後、観光の振興に役立てていきたいと考えているところでございます。

○岡本会長 ありがとうございました。

 先ほどのアンケートの中で、ちょっとおもしろいなと思いましたのは、9ページに小笠原に必要なものというのがございますが、高速化による所要時間の短縮というのがあります。これは当然ですけれども、その次に露天風呂というのがありまして、日本人は風呂好きだなと、温泉はございませんけれども。日本は温泉ということですけれども、ヨーロッパなどでは海水を使いまして、タラソテラピーと言いますが、それを沸かしたり何かして入って、水療法と言うのでしょうか、水浴をして楽しむということ、そういうような魅力も今後考えていったら――幾つか提案が出ておりますけれども、ぜひ実現されたらよろしいのではないかなというような感じを持ちますね。

 どうぞ、他に。

 

○台委員 今のアンケートへの質問ですけれども、来訪者へのアンケートということですが、この来訪者というのはエコツーリズムに参加する方たちなのでしょうか。それともマスツーリズム――マスツーリズムでいらした方とエコツーリズムでいらした方と、恐らく、大分意見が異なってくるんじゃないかなと思うんですね。

 私、西表で同様の聞き取りをした時に、地元の人たちにしてみれば、エコツーリズムの推進だけが、必ずしも自然を保全していくものではないだろうという意見を聞いたことがございます。つまり、マスツーリズムですと所定の場所を所定の時間でしか通過しない。ですから、必要以上に踏み荒らさない。それに対して、エコツーリズムの参加者というのは少人数で、思わぬ所に入り込んでしまうというような声も聞いたことがございますので、その辺、ちょっとお伺いしたいということが一点です。

 平成17年度からこの高速船ができますと、やはり来島者が増えていくことが予想されるということが意識調査の中に出ているかと思うんですけれども、そうなった時のマスツーリズムへの対応というものも、やはり同時に考えられているのかどうなのかということです。

 あと、ごめんさない、質問だけ先に伺います。エコツーリズムでガイドを付けて同行した時のみに所定の所に入れるということですけれども、基本的な質問で恐縮ですが、これは料金が発生するのかどうなのかということと、あとガイドが同行した時のみそこに入れるということで、逆に、エコツーリズムのあり方のイニシアティブないしは一部のガイドの資格を持った方のみに占有されてしまう懸念はないのか。つまり、ダイビングの関係、従事者の方たち、あるいは漁業関係者の方たちとの協調性と言いますか、合意というのが図られているかどうかというのをお聞きしたいと思います。

 というのは、エコツーリズムというのは、グリーンツーリズムやブルーツーリズムとあるように、やがては農業関係者であるとか漁業関係者の方たちも巻き込んで、あるいは生活者も巻き込まなければならないという側面も持っているかと思いますので、ちょっとその辺をお伺いさせていただきたいなと思います。

 

○細井課長 何点か質問がございましたけれども、まず、このアンケートに対する調査対象でございますが、これは、特にエコツアーということではなくて一般の観光客を対象にしておりまして、宿泊先は、小笠原と同程度というようなことで民宿とか、それほど大きくない旅館といったところの宿泊者を対象にしてございます。

 それから、ガイドの料金ということですが、今年の4月から施行されるのは小笠原の二つの地区のみということになりまして、この地区に立ち入る場合は決められたルールで、東京都の認定した自然ガイドを同行して入るということになります。なお、料金につきましては、行政側は関与しておりません。

 あとは、何かありましたか。

 

○岡本会長 私が口をはさんで大変恐縮でございますが、先ほど、マスというお話がございましたけれども、小笠原は入り口で量が決まりますので、どんどんというふうにはいきませんね。今2万5,000で、これがテクノスーパーライナーで5万ぐらいを目標ということになっておりますけれども、それ以上には、キャパシティの面からいってなりようがないということです。それを受け入れることができるかどうかということを検証するために、先ほどモニタリング調査というお話がございましたけれども、そういうことをぜひやっていただく必要があろうかと思います。

 ただ、エコツーリズムも、先ほど先生がおっしゃるように、西表につきましてもカヌーツアーというのが盛んですけれども、カヌーが数珠繋ぎになってずっと繋がっているとか、そういうようなこともございますので、よほどよく計画をしてやらないと自然が破壊されることになりますね。

 ただ、誰でもということですけれども、先ほど副大臣からガラパゴスのご紹介がございましたが、ガラパゴスは、もちろんガイドがいなければ入れませんし、入島税がございまして、そういうような形でないと自然が守れないということですね。これがエコツーリズムの基本的な考え方だろうと思います。

 もちろん小笠原も、全部が全部そういう地区ではございませんが、先ほどお話がございましたように、石門地区などは、普通の人ではなかなか入れない所だろうと思いますし、南島は、すぐ傷が付くということでございますので、そこらは十分状況を踏まえて対応する必要があろうかと思います。

 その他、いかがでございましょうか。

 

○麦屋委員 交通公社の麦屋です。新小笠原開発計画の評価ということで、先ほど村長からもお話がありましたけれども、ほぼ生活関連の社会基盤というのは本当にできてきたのだなというふうに感じました。

 それで気になったのは、観光を含めた産業振興など島民の生業づくりと言うのでしょうか、その部分で、やはりこれからもバックアップが必要なのだろうなと思ったことが一つです。

 このバックアップが必要だと言った場合に、これまでの公共事業型と言うんでしょうか、ハード整備ではなかなか生業になりづらいんじゃないか。これは観光についてもそうですけれども、そんなふうに感じています。

 ですけれども、一方で建設業の雇用が非常に高いというお話もあって、ハード整備の工事自体がないと、なかなか島民の生活も安定しないという部分もあって、そう簡単に公共事業と言うか、ハード整備型から脱却するわけにはいかない事情も島にはある。それで、何か新しい視点を持った公共事業と言うのでしょうか、例えば環境共生型基盤整備とか、そういう新しい視点のようなものが公共事業の中にも出てこないかなと思ったことが一つです。

 それと、新規の開発整備については、一部、確かに足りないところもあるのかもしれませんが、大体、整備されてきている。先ほど、課題の中でも随分お話がありましたけれども、これからは維持管理の部分がとても重要になってくるのではないかというふうに感じました。特に、気候的にも亜熱帯であるとか台風が多いということもあって、この維持管理の部分で、先ほど申し上げたような新たな視点の公共事業型事業と言うんでしょうか、何か、そんなものが出てきたら――観光的にも使えるような、小笠原らしい景観というものが出てこないかなというふうに期待しております。

 以上です。

 

○岡本会長 これも何か、私ばかり話して恐縮でございますけれども、ちょっと今、思いつきを申しますと、これは日本ではございませんけれども、イギリスという国は観光事業で大いに経済のかまどを燃やしている国でございますね。

 ところが、イギリスは昔、今でもかなりそうなんですけれども、ホテルがないんですね。良いホテルがないのです。皆さんもご承知かもしれませんけれども、良いホテルがない。そこで観光地にならないということです。新しい物がない。

 なぜ、こんな話をするかというと、先ほどのアンケート調査でも、評判が悪いのは宿泊施設なんですね。余り満足していないと。それから、行きましても、景観的にももう一つのところがございますね。小笠原らしいという感じがございません。そこでイギリスは、グラントと申しまして、宿泊施設をやる人に対してはお金を出すよということをやったんです。そのかわり景観的にもと――色々な小笠原のイメージにふさわしいものをというような誘導も一部ございますけれども、そんなことも一つ検討課題、例えば新しいアイデアとして検討してみたらどうかなというふうに、ちょっと今思いつきました。

 アンケート調査で宿泊施設が評判が悪いということ、それから、2万5,000を5万にするためには、今、喫緊の課題というのが宿泊施設の整備でございますね。しかも、これは外資がやったのでは意味がないので、地元の人が宿泊施設をやらないと意味がないということですから、観光振興の果実を地元が享受するためにも、そういうようなことをぜひお考えいただければと思います。

 他に、いかがでございましょうか。

 

○山下委員 二点、教えていただきたいと思うんですが、一つは資料6でございます。こちらに振興開発計画の進捗状況等ということで一覧表がついてございますが、一番上の港湾整備のところで、進捗状況のところの二番目に、マリーナについては関係者との調整などから事業化に至っていないというような説明がございます。

 ご承知のように、マリーナは国内あちこちでも地域の振興の一つの核になったりしているような状況もございますので、現行の開発計画にマリーナの整備を行うというふうに入っているのもそういう趣旨じゃないかと思うんですが、まだ事業化に至っていないというのは、そういう意味では残念な気がするんですけれども、何か、隘路みたいなものがあるのか、どんな状況にあるのかというのを教えていただければというのが一つです。

 それからもう一つは、さっきのアンケートの9ページの上の方に悪かったと思うことというのがありまして、父島でも母島でも島内交通というのがトップにあるんですが、現在、観光客が来訪いたしました時に、どういう形で島内交通をなさっているのか。つまり、何で評判が悪いのかなというのがよくわからないという趣旨ですが、教えていただければと思います。

 

○岡本会長 いかがでございましょうか。バスもございますけれども。マリーナの件と。

 

○宮澤委員 島内交通につきましては、今まで民間のバス会社がございまして、そこで3台ぐらいのバスを持って運行していたわけですが、その経営が立ち行かなくなったということで、村が思案の末、村営バスという形で東京都のご支援をいただきながら中型バスを3台導入しまして、1時間に1回ぐらいのペースで、例えば役場から港というような路線を運行しております。1時間に1本ですから、確かに、そういう意味で不便性を感じるのかもしれませんけれども、1日10便ぐらい運行していますので、昔に比べれば、はるかに充実してきたのかなと思っているのですが。

 それと、民間のタクシーが1台と乗合バス的なバスが1台という交通体系しかございませんので、そういう意味合いでは、観光客の皆さんは、ある一面、不便を感じるのはやむを得ない現状かなというふうに感じております。

 

○細井課長 もう一点のマリーナの件でございますけれども、現在、地元の関係団体と調整をして、今の段階ではまだ合意が得られていないというような状態でございます。

○岡本会長 どうもありがとうございました。

 前者の島内交通では、バスのほかにレンタバイクなんかが機能していますね、多少。そういう知恵を出して、観光客の島内交通ですね。

 それから、マリーナにつきましては漁業組合も――小笠原は、漁業組合が観光振興に対して非常に理解のあるところでございますので、ぜひお進めいただきたいと思います。

 他に、いかがでございましょうか。

 

○秋本会長代理 小笠原の振興開発事業をどういうふうに見るかといったことで、 別途の調査会という場で議論をしておって、私もそれに参加させていただいておりますので、そのときの話の中で私なりに印象に残ったことをちょっと申し上げたいと思います。

 色々な方がおっしゃった中で、これは今までも言われたことですけれども、小笠原振興開発事業というものを小笠原の島民の方のためにという、それはもちろんあるわけですが、単に小笠原の島民の方のためだけではなくて、島民でない一般国民にとっても、この小笠原というのは大事な存在である。だからこそ国も措置をしているというような議論がありました。それは、平常時においては観光とか何かで、島に住んでいない人も島の自然を楽しみながら元気回復などができるといったことがあるんですが、もう一つ、非常事態というか、例えば、この間も太平洋上で漁船の事故、遭難がありましたけれども、ああいったようなときに、小笠原がどういう機能を果たし得るのか。そのことが、島民の方だけじゃない一般の方にとっても大いにプラスになる、ためになるはずだと。

 例えば、今も申しましたけれども、太平洋上で漁船がこの間事故があった、ああいったような場合に、小笠原というのが、一体どういう役割を果たすことができたのか、あるいはこれからどういう役割を果たすことが、やり方次第でできるのかといったことというのは一つの大きな問題ではないだろうか。だからこそ日本の――これは、これまでも色々、この席でも議論がありましたけれども、我が国にとって小笠原という観点があるのではないか。

 それで、平常時というのは観光として島を楽しむということになると思うのですが、こういったことを考えますと、結局、島外の人のためという視点を置くにしましても、やはり小笠原で定住できるという条件があって、定住している人が、それ相当の数がいらっしゃる。だからこそ島外の人も楽しめる。よって――と言うと機械的論理になりますけれども、よって島民の方々の生活安定ということが島外の人にとっても大事なことである、こういうことになるのではないか。

 それで島民の方の生活ということで考えると、色々なことがありますけれども、やはり観光というものを重視していかなければいけないのだろうと、多くの方の意見がそうでありました。

 それで、今日私は伺っていて、副知事の方から「観光客について、少なくとも2倍程度には」という数字を挙げてお話がありましたけれども、一体、島には何人の人に住んでいただくのが良いのかとか、あるいは観光客というのをこれからどういうふうに見ていけば良いのかというのは、今までも色々な議論があったように思うのですけれども、はっきり、少なくとも2倍を考えようではないかということの話がありました。そうなると、本当に2倍ということの実現可能性というのは、例えば新しい船の話がありますけれども、船の料金が幾らになるのか。それらによって、本当に行く人はどうなるのかというような現実的な条件によってかなり変わってくるのではないか。

 それから、2倍の方がおいでになるとすれば、受入態勢というのはどんなふうに考えていかなければならないのかとか、それはもてなすためのもの、これは、今日もお話がありましたけれども、委員の他の方、この間の調査会の中で色々議論がありましたのは、島の資源をもっと生かすことができるのではないかという意見が色々ありまして、そういうものをどう生かしていくか。それによって2倍の方に楽しんでいただけるような、あるいは基盤整備の類いにしましても本当に――一遍に2倍ということはないでしょうけれども、それにしても、そういうものの受け入れというのはどのような条件が必要になってくるのかといったことを、ある程度、段階的に考えていかなければならないかもしれない。

 それから、そういうようなことを考える場合にどうしても出てくるのが、ここの場でも前から議論がありますけれども、情報通信関係の機能というのはこれで良いのかと。今日も何か、今のご説明の中にも、通信衛星がお役御免となった後の体制については検討をしなければならない。あるいは、交通については船の話が専らありますけれども、航空路というのは、本当にこれからどうするのかというのは、これはすぐの話ではないにしても、引き続き考えていかなければならない。

 とにかく小笠原に行くのが、今までですと往復6日掛かるわけですね。往復6日掛かる所は、世界中にまずないと言っても良いような状況であるという、一番遠い所になってしまっている。これは、本当にこのままではダメなのだろうか、どうするかといったようなこと。だから、情報とか交通といったことについては考えることになっているわけですけれども、本当に本気でずっとやっておかないといかんのではないか。何しろ1週間、とにかく離れて向こうで暮らすというのは、普通の人には非常に難しい話だと思うのです。それで、島に行ったら、とにかく今時のコンピュータを使ってとか、インターネットを使ってというのが、本当に同じようにできるかできないかといったことは大事な問題になってくるだろうと思うのですけれども、そういうようなこと。

 それを考えていきますと、ひょっとすると振興開発事業として、法律に基づく振興開発事業でやっているものの枠の中には収まり切れない。言いかえると、予算としても振興開発予算という十数億の予算とは全然別のものを考えなければいけないことがあるかもしれない。

 ただ、それは法律に基づく振興開発事業としてやることと、もう一つ別に、政府全体としてやっている仕事を小笠原にどう生かしていくかというのと、ちょっと違った観点の検討が必要かもしれない。だから、振興開発事業として国土交通省に予算を計上しているものだけで小笠原ということでは当然ないわけですけれども、そのことを、やはり意識的に考えなければいけないかもしれないし、それから、今お話がありましたけれども、新しい公共事業も考えなければならないのではないかといったことも当然あるでしょうし、ちょっと枠が収まり切れないのかもしれないというようなことを別途の議論の中で、私の印象に残ったこととして申し上げたいと思います。

 もう一つ、全然違った話になるんですけれども、エコツーリズムというのが、私、素人でよくわからないんですが、今日伺っていると、特定の地域に特定のガイドさん付きで特定の回り方をする、それがエコツーリズムということなのか、もっと普通名詞的に言うと、自然を楽しむような、そして自然と仲良くするようなツーリズムというか、旅行というような観点でのエコツーリズムということがあるのか。

 だから、小笠原に行ったときに、小笠原のエコツーリズムと言ったら、この条例に基づくエコツーリズムだけがエコツーリズムなのか。そうじゃなくて、小笠原というところに行って楽しむ時のエコツーリズムというのは、もうちょっと幅が広い色々なものがあって、それが自然との調和で一定のルールのもとにと言うか、自然と仲良くしながらやるというもの。それをエコツーリズムと言って良いかどうかわかりませんけれども、何か、そういう観点のものがないと、この条例に基づくものだけがエコツーリズムで、小笠原のエコツーリズムはこれだと言われると、そんなものだけなんですかねというような、素人には、ちょっと疑問が湧いてきます。

 以上です。

 

○岡本会長 そうですね。非常に貴重なご指摘を賜りました。

 エコツーリズムについては、最近言い出したことでございますから、何も大昔からあるわけではございませんので、幅広く考えて、自然との共生を第一義に考えて、今後検討していけば良いことだろうと思います。

 あと、ただいまのご発言にも関連して何かございませんでしょうか。

 どうぞ。

 

○小豆畑委員 先ほど、資料6と7で国土交通省から、私から申し上げると、よくぞここまでと、あからさまに数字を挙げてご説明をいただいて非常にありがたいと思っております。通常、こういう会議ではそこまでのことはおっしゃらないのに、思い切っておっしゃっていただいて敬意を表したいと思います。

 加えて村長さんから、現地の希望と言いますか、評価をお話いただいたわけですから、この二つを合わせると、これから小笠原ではどうあってほしいかということは自ずと見えてきている。

 具体的に申し上げますと、法律の目的にも島民の定住と生活の安定ということがあるわけですが、例えば物価が6割高だというのに、この法律に基づく施策が何もない。ちょっとだけ島民の生活物資に対する運賃補助がありますが、年々、補助率が下がってきていて、今や有名無実に近い状況にある。ということになりますと、ハードの面では維持管理が主になり、そうでないところに、これからの小笠原の振興開発に力を注がなければいけないということは誰の目にも見えている。そうしますと、ハードで言えば、ソフトとの関連もありますが、持ち家率をどうするのかとか、あるいは学校をどう造っていくのかということが主なものになってきて、あと医療とか、福祉とか、あるいは教育というソフト面にかなり傾斜した施策展開が必要になってくるような気がしてなりません。

 農業の現状が、ご説明があったとおりでありますので、どうしても観光政策に力を入れてほしい、これがお願いでありますが、今、会長代理からもお話がありましたけれども、そのことを考える時に、飛行場、飛行機ということを考えないで済ませる問題なのかどうか、もう一度、ぜひ、こういう場で議論をお願いできればありがたいと思います。

 それから、非常に実務的になって申し訳ないんですが、先ほどもある方から維持管理の話が出ましたが、通常、この法律に基づく施策展開も、造ってしまえば維持管理は地元の地方公共団体、具体的には東京都ないしは小笠原村ですが、それをかなり幅広く解釈・運用していただかないと、造ってはいただいても持てない状況が現実に来ている。これが一点。

 それから、補助率が、これは国全体でありますが、港湾関係ですと10分の9とか10分の8、3分の2補助。その他の事業で、場合によっては10分の10の補助もありますが、一方、村に対する補助金では2分の1が通常であります。この法律に基づく予算は、総合予算主義でありますから、極めて申しにくいんですが、何とか、補助率の枠を変えていただくわけにはいかないか。それは猛烈に、ここに並んでいらっしゃる各省庁の皆さんの反対意見が即座に出てくることが予測されますけれども、ぜひ、そういうことをしていただかないと、これから小笠原の振興がなかなかうまくいかないという思いがしてなりませんので、一言、お願いとして申し上げておきます。

 以上です。

  

○岡本会長 ありがとうございました。

 他に、どうぞ。

 色々お話を伺っていますと、まだまだ交通基盤、あるいは情報基盤、医療、教育、多くの課題があるようでございますけれども、私は、何度か観光振興ということが話題になるのは、ある意味で良いことだなと思っております。と申しますのは、観光というのは島の方、主人が、客人つまり観光者に対して地域に固有の文化と言いましょうか、豊かな生活というものを誇りを持って誇らかに示す。そして客人は、それを敬意を持って受け入れる。そこで交流があり、お互いが先方の知恵を学んで、お互いが成長するという、これが異文化交流、観光の本質でございますので、ある意味では、観光振興というのは地域づくりの総仕上げのような感じがございます。観光振興を目標にされるということは、まず誇るべき生活と言うか、文化がそこになければいかんわけですから、高齢者が、どうも年とると不安になって東京に引っ越さざるを得ないというようなことでは具合が悪いわけです。そういう意味では、まだまだ課題はあろうかと思いますけれども、そういう方向で、大いに地域づくりに取り組まれることは非常に素晴らしいことだと思いますね。大いに応援をさせていただきたいと思っております。

 ちょっと、しゃべりましたついでに、また一つ二つ、思いつきを申しますと、先ほど中馬副大臣がおっしゃいましたので、ガラパゴスのことをもう一つ申しますと、こういう自然との共生で観光振興をやる場合に必須の装置というのが研究所でございます。その地域の自然とか文化、エコツーリズムの視野の中には、単なる自然だけではなくて地域の文化も入りますけれども、そういう自然とか文化に対する研究というのがベースにないとエコツーリズムにならないんですね。

 ところが、幸いなことに小笠原には既に四つの研究機関がございまして、漁業の試験所、研究所などを見ますと素晴らしい、観光客も行けばえらく満足するような所があったり、色々いたしますので、小笠原自然科学研究所なり、何か、そういうものを束ねるような発想があっても良いのかなという感じを持ちますので、検討課題にさせていただければと思います。

 それから、今日は環境省の方がお見えでございますけれども、よく小笠原は固有種があって世界的に貴重だというお話があるわけでございますが、論理的な帰結として、それだったら、今、世界的に話題になりますのは世界遺産へ登録するということですから、そういうことも一度、いつかご議論いただいて、やはり目標を持つということは色々なことが効率化されますので、そういう目標を設定して小笠原の自然――今、既にかなり侵食されて、アカギなどがどんどん入って違わないじゃないかというような状況もどんどん出てきておりますので、そういう点で、どう小笠原の貴重な自然を本当に守るのかということも真剣に考える必要があろうかなというふうに思っております。

 その他、ございませんでしょうか。よろしゅうございましょうか。

 それでは、ありがとうございました。本日予定されている議事は以上でございますが、他に何か、報告事項などございますでしょうか。

 よろしゅうございましょうか。

 

〔局 長 挨 拶〕

 

○岡本会長 それでは、最後に国土交通省都市・地域整備局澤井局長よりご挨拶のお申し出がございますので、よろしくお願い申し上げます。

 

○澤井局長 本日は、長時間にわたりまして、大変貴重なご意見を賜りまして、本当にありがとうございました。

 今年から来年度にかけて、最初、副大臣あるいは事務方から申し上げたとおりでございまして、現行の特別措置法の最終年度ということで、まずは最終年度の色々な施策をしっかりやっていきたいということが第一点でございます。

 また、今日いただきました様々なご意見を踏まえまして、次への新しい展開を東京都、小笠原村ともしっかり議論をしまして実現に繋げていきたいと考えております。

 特に、今日は環境あるいは観光というあたりのご議論、大変多かったと思いますけれども、恐らく、小笠原にしかないものというのは、他の色々な地域と比べましても特段に多いのだろうと思うのです。種に限らず、色々な意味で小笠原固有のものというのは大変多いと思います。これを、ぜひ前に向いて活用していくという方向で、環境にしましても、単に観光資源――もちろん、それも大事でありますけれども、それ以外にも色々な可能性があると思います。何人かの先生がおっしゃったとおりで、目をできるだけ広く広げまして、あらゆる可能性をこれから模索していきたいというような思いを持った次第でございます。

 いずれにいたしましても、引き続き、そういった大事な時期でありますので、委員各位にはご懇篤なご指導を賜りたいと考えております。どうぞ、よろしくお願いを申し上げます。

 本日は、ありがとうございました。

 

○岡本会長 それでは、以上をもちまして本日の審議会を終わりたいと思います。

 長時間にわたりご協力いただきまして、まことにありがとうございました。

 

閉   会


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