下水道部トップページへリンク
TOP > 下水道資料室 > 下水道の歴史


下水道の歴史

世界編
 世界で最も古い下水道は、今から約4000年ほど前に古代インドの都市(モヘンジョ・ダロ)で作られたものだとされています。ここでつくられた下水道はレンガでできており、各戸で使い終わった水を集めて、川に流す役目をしていました。その後、地中海沿岸の都市や古代エジプト,古代ローマなどで下水道が作られました。
 中世にはいると、ヨーロッパでは,し尿を農作物の肥料として用いるようになり、農耕の発展をもたらしました。その一方で、都市人口の増加に伴い、汚物が街路に投棄されるようになり、都市の衛生状態は悪化し、ペスト等の伝染病が流行しましたが、下水道施設の本格的整備には至りませんでした。
 産業革命以後、人々がさらに都市に集中するようになると、し尿の処理に困り、し尿が道路や庭に投げ捨てられるようになったため、都市は深刻な不衛生状態になり、19世紀には各地でコレラなどの伝染病が流行しました。
 そこで、イギリスの首都ロンドンでは、1855年から下水道工事に着手し、それまでテームズ川に直接流していた下水を、下水道を通して、市街地より下流で流すようにしました。また、ヨーロッパ各国やアメリカなどでも、下水道工事に着手するようになりました。
 その後、微生物を利用した下水処理法が開発され、汚れた水を清浄にしてから河川などに流すことができるようになりました。
年号 主な出来事
(古代)
紀元前5000年頃 バビロン等で下水道ができる。(メソポタミア文明)
紀元前2000年頃 モヘンジョ・ダロの下水道ができる。(インダス文明)
紀元前600年頃 ローマで下水道ができる。
(中世)
1350年頃 ヨーロッパでペストが大流行する。
1370年 パリ(フランス)に下水道ができる。
(近世)
1740年頃 パリ(フランス)の環状大下水道が完成する。(ビクトル・ユーゴ「ああ無情」にも登場する。)
1760年頃 イギリス産業革命
1810年 水洗トイレがイギリスの都市で使われ始める。
1848年 ハンブルグ(ドイツ)に下水道ができる。
1848年 ロンドン(イギリス)でコレラが大流行する。
1858年 シカゴ(アメリカ)に下水道ができる。
1863年 ロンドン(イギリス)に下水道ができる。
1914年 活性汚泥法(微生物を用いた下水の近代的処理方法)の最初の処理場がイギリスにできる。
日本編
 日本では、昔からし尿を農作物の肥料として用いており、ヨーロッパのように、し尿を直接川に流したり、道路に捨てるということはあまりありませんでした。
 しかし、明治時代になって、人々が東京などの都市に集まるようになると、大雨によって家が水に浸かったり、低地に流れないで溜まったままの汚水が原因で、伝染病がはやったりするようになりました。そこで、明治17年(1884),日本ではじめての下水道が東京で作られました。その後、いくつかの都市で下水道が作られたものの,全国に普及することにはなりませんでした。
 本格的に下水道が整備されるようになったのは、第二次世界大戦後、産業が急速に発展して、都市への人口の集中が進んでからのことです。また、産業の発展に伴い、昭和30年(1955)頃から、工場等の排水によって河川や湖沼などの公共用水域の水質汚濁が顕著となりました。そのため、昭和45年の下水道法の改正により、下水道は町の中を清潔にするだけでなく、公共用水域の水質保全という重要な役割を担うようになりました。
年号 主な出来事
奈良時代 平城京に下水きょができる。
平安時代 野玄式便所(日本式水洗トイレ)が高野山にできる。
安土桃山時代 大阪城下町に下水道ができる。
明治時代
5〜8年
(1892〜1875)
銀座大火ののち街路の下水設備ができる。
12年(1879) コレラの流行
17〜18年
(1884〜1885)
東京神田に汚水排除も含めた近代下水道ができる。
33年(1900) 下水道法が制定される。
大正時代
11年(1922) 東京の三河島処理場運転開始。わが国最初の処理場であり,散水ろ床法により処理した。
昭和時代
5年(1930) わが国最初の活性汚泥法による処理が名古屋で始まる。
33年(1958) 新下水道法が制定される。
36年(1961) 第1回全国下水道促進デー実施。(以後現在まで、毎年開催)
38年(1963) 第一次下水道整備五箇年計画始まる。(現在は八次計画実施中)
40年(1965) 複数の市町村にまたがって整備される流域下水道工事着手。(大阪府寝屋川流域下水道)
45年(1970) 下水道法の一部改正(公害問題の顕著化に伴い,「公共用水域の水質保全」を下水道法の目的に加える。)
50年(1975) 農村で行われるものや自然公園などの環境を守ることを目的とした特定環境保全公共下水道事業が創設される。
平成時代
5年(1993) 下水道事業実施市町村の割合が5割を突破
6年(1994) 下水道処理人口普及率が50%を突破
ページの先頭へリンク

もどる TOPへもどる