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平成13年4月

下水道工事コスト縮減対策に関する新行動計画

 
第1.基本的考え方
第2.具体的措置
下水道工事コスト縮減対策に関する新行動計画 (21KB)
下水道工事コスト縮減に関する新行動計画の体系 (12KB)

 
 
第1.基本的考え方
1.下水道工事コスト縮減対策に関する新行動計画の位置づけ

  「公共工事コスト縮減対策に関する新行動計画(平成13年3月、国土交通省版)」(以下「新行動計画」という。)は、平成12年9月に策定された、政府の「公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針」(以下「新行動指針」という。)を受けて、運輸省、建設省及び北海道開発庁において策定した行動計画を統合し、国土交通省の行動計画として新たに策定したものである。
  「下水道工事コスト縮減対策に関する新行動計画」(以下「下水道新行動計画」)は、国土交通省の新行動計画を踏まえ、下水道工事に関するより具体化的な行動計画として、平成13年4月に作成したものである。


2.これまでの取り組み

 これまで建設省では、平成6年12月に「公共工事の建設費の縮減に関する行動計画」を策定し、コスト縮減に取り組んできた。
  しかし、「厳しい財政事情の下、限られた財源を有効に活用し、効率的な公共事業の執行を通じて、社会資本整備を着実に進め、本格的な高齢化社会到来に備えるには、早急に有効な諸施策を実施し、公共工事コストの一層の縮減を推進する必要がある」との認識の下、政府においては、平成9年1月に、全閣僚を構成員とする「公共工事コスト縮減対策関係閣僚会議」を設置し、同年4月に「公共工事コスト縮減対策に関する行動指針」(以下「旧指針」という。)を策定した。建設省においては、旧指針策定を踏まえ、平成6年12月策定の「公共工事の建設費の縮減に関する行動計画」を改定して内容をさらに充実させた「公共工事コスト縮減対策に関する行動計画」(以下「旧計画」という。)を策定し、これらに基づき、各省庁と一致協力して施策を推進してきたところである。
 また、建設省下水道部では、平成9年1月に「下水道コスト縮減実行委員会」を組織し、計画手法の見直し、技術基準等の見直し、設計手法の見直し、技術開発の推進など全ての分野でのコスト縮減の施策の検討を重ねてきた。 これらの結果、各事業主体においては、下水道工事のそれぞれの実施段階でコスト縮減の取り組みが継続して実施されてきた。


3.下水道新行動計画の考え方


 これまでの公共工事コスト縮減施策により一定の成果が得られたものの、依然として厳しい財政事情の下で引き続き社会資本整備を着実に進めていくことが要請されていること、また、これまで実施してきたコスト縮減施策の定着を図ることや新たなコスト縮減施策を進めていくことが重要な課題となっている。
  また、今後に向けては、工事コストの低減だけでなく、工事の時間的コストの低減、工事における品質の向上によるライフサイクルコストの低減等についても取り組むべき重要な課題となっていることから、これらも含めた総合的なコスト縮減を機能・品質を確保させつつ図っていく必要がある。
  なお、下水道新行動計画の目標期間は、新行動計画と同じく、平成12年度から、取り組み方針の最終年度である平成20年度末とする。


4.行動計画の対象


 下水道新行動計画は、工事に関するコスト縮減を中心に、ライフサイクルコストや工事における社会的コストの縮減施策についても含めるものとする。


5.日本下水道事業団の行動計画

 日本下水道事業団は、新行動計画を踏まえ、独自の行動計画を策定しており、それに示す施策の積極的導入に取り組むこととしている。


6.地方公共団体等への協力要請等

 下水道事業は地方公共団体が事業主体であるため、下水道工事のコスト縮減を図り、整備を効率的に推進するには、地方公共団体の積極的取り組みが不可欠と考えられる。このため、各地方公共団体に対し、引き続き積極的に下水道事業に関するコスト縮減施策に取り組むよう要請する。 また、地方公共団体における下水道工事コスト縮減を推進するため、地方公共団体との情報交換を継続するとともに、地方公共団体に対する必要な支援を行うこととする。

7.フォローアップ

 下水道事業コスト縮減行動計画の実施状況については、具体的施策の着実な推進を図る観点から、下水道工事コスト縮減推進委員会を設置し、施策の見直しや新規施策への積極的な取り組み、また設計基準などへの提言など、フォローアップを行う。
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第2.具体的措置
1.具体的施策の実施に当たっての基本的な視点

(1)総合的なコスト縮減の必要性

 下水道新行動計画においては、工事コストの低減のほか、工事の時間的コストの低減、工事における品質の向上によるライフサイクルコストの低減、工事における社会的コストの低減及び工事の効率性向上による長期的コストの低減を基本的な視点として、下水道工事に関する様々な要素について各種の施策を実施するものとし、これらの施策効果により下水道工事に関する総合的なコスト縮減を目指す。
@工事コストの低減 平成9年度から11年度の3年間の取り組みと同様に工事の計画・設計等の見直し、工事発注の効率化、工事構成要素のコスト低減等の施策を講じることにより、工事コストの着実な低減を図る。

A工事の時間的コストの低減 事業箇所の集中化、新技術を活用した工事期間の短縮等により、工事の時間的コストの低減を図る。

Bライフサイクルコストの低減(施設の品質の向上) 施設の長寿命化、省資源・省エネルギー化や環境調和型への転換を進めるなど、施設の品質の向上を図ることにより、ライフサイクルを通じてのコスト低減や環境に関するコスト低減を図る。

C工事における社会的コストの低減 工事における建設副産物対策の推進や環境改善策による環境負荷の低減、工事に伴う交通渋滞緩和、工事における事故の減少等を通じて社会的なコストの低減を図る。

D工事の効率性向上による長期的コストの低減 工事に関する規制改革、工事情報の電子化の推進や新技術の採用の促進等により、工事の効率性を高めるとともに、建設業の生産性向上を促し、長期的なコストの低減を図る。
(2)国及び地方公共団体が一体となった取り組みの必要性

 下水道事業は、地方公共団体が事業主体であるとともに、多くの要素に関係する社会的活動であることから、下水道工事の実効的なコスト縮減を図るためには、国と地方公共団体が一体となった広範な取り組みが必要である。


2.具体的施策の実施に当たっての留意点


(1)機能・品質の確保

 下水道工事の価格低減を目指すことが、社会資本が本来備えるべき機能・品質を損なうこととなるのであれば、下水道新行動計画の趣旨に反することとなる。 下水道工事のコスト縮減については、社会資本が本来備えるべき供用性、利便性、公平性、安全性、耐久性、環境保全、省資源、美観、文化性等の所要の基本機能・品質を満足させた上で、総合的なコスト縮減を目指すものである。

(2)不当なしわ寄せの防止

 具体的な施策によるコスト縮減の裏付けなしに工事価格のみを下げることによって、下請け企業、資機材供給者、労働者等一部の関係者が、不当なしわ寄せを被るような状態を生起させてはならない。 すなわち、下水道工事の価格低減を性急に図るために、いわゆる「歩切り」のような手段をとることは、下請け企業等へのしわ寄せにつながる危険性が高く、適切な手段とは言えない。また、「歩切り」のような手段は、コスト縮減の施策に含まれない。

(3)不正行為の防止

 下水道工事の実施に当たっては、入札談合等の不正行為を防止し、公正な競争を確保することが不可欠であることは言うまでもない。 今後とも、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」等を踏まえ、公共工事の入札・契約制度の改革の一層の推進を図るとともに、入札談合等の不正行為の根絶に努め、適切な下水道工事のコスト形成に資することとする。
3.具体的施策

 下水道新行動計画においては、行動指針に定める施策も含め、以下の5分野について29項目の施策を、平成20年度末までに実施する。これらの施策には、旧計画のフォローアップにおいて継続が必要とされた個々の施策を盛り込むとともに、公共工事コスト縮減の基本的な考え方を踏まえて計画から施工に至る各分野を対象に網羅的に総点検を行い、具体的に取り組むべきこととされた施策も盛り込んでいる。

  施策事例◎印は「新行動計画に記載した下水道事業に関する新規検討項目(新規)」、
 ○印は「新行動計画に記載した下水道事業に関する検討項目(継続)」、
 ●印は「新行動計画に記載した、下水道事業に関する項目(平成12年度以降の取り組みはないが、コスト縮減計上対象)」、
 □印は「新行動計画に記載した以外の下水道事業の検討項目」、
 △印は「その他参考となる施策」である。
 なお、下水道新行動計画策定後も、社会経済情勢の変動に的確に対処しつつ引き続き新たにコスト縮減に資する事項の調査等を進め、必要に応じて実施すべき施策として位置付けていくものとする。 また、コスト縮減効果については、原則として従来からの手法により計測するものとするが、これによることが適当でない施策については、当該施策の特性に応じ、できるだけわかりやすい指標により計測するよう努めることとする。


(1)工事コストの低減(施策番号T)

 平成9年度から11年度までの3年間の取り組みと同様に、工事の計画・設計等の見直し、工事発注の効率化、工事構成要素のコスト低減、工事実施段階での合理化、規制改革等のための具体的施策を継続・充実して実施することにより、工事コストを低減する。 これらの施策の実施によるコスト縮減効果については、工事費に対する縮減率で表すことにし、縮減率は、施策適用前後の比較設計による縮減額の積み上げや建設物価の実質変動率により算定する。

  1)工事の計画・設計等の見直し

   a.計画手法の見直し(施策番号@)
工事の計画に当たって、他事業との共同化など経済的で合理的な計画を進める。

(施策事例)
 ○下水道の広域共同化
 ○下水汚泥とゴミの共同焼却
 □事業の重点化・効率化、計画的な整備
 □計画区域、計画水量設定方法の見直し
 □他の汚水処理施設と連携した処理の推進
 □下水道における集団整備事業の活用
 □雨水貯留浸透施設による雨水対策の実施
 □類似施設との共同管理汚泥処理等の検討

   b.技術基準等の見直し(施策番号A)
技術基準等が急速な科学技術の進歩に対応できているか、基準類の運用が画一的なために不経済な設計となっていないか、占用等の各種許可条件について改善する点はないか等の観点に立って、技術基準等を継続的に点検し、必要に応じてその見直しを行う。 また、技術基準等の見直しに当たっては、国際基準等との整合を勘案しつつ性能規定化を進める。

(施策事例)
 ◎マンホール設置・構造基準等の改定
 ○小規模下水道水処理施設の標準化
 ●道路埋設基準の見直し
 □新技術・新工法に対応した技術基準等の見直し


   c.設計方法の見直し(施策番号B)
コスト縮減の観点から当該工事現場に最適の設計とするため、設計VEの実施や設計段階におけるコスト縮減提案書など設計の初期段階において構造形式や施工方法等を組織全体で多角的に検討する体制の定着を図る。

(施策事例)
 ○シールド工事の設計の見直し
 ○電気・機械設備の仕様の見直し
 ○プレハブオキシデーションディッチ法(POD法)の推進
 □設計VEの導入
 □管きょ更生工法の採用

   d.技術開発の推進(施策番号C)
長期的にコスト縮減につながる技術の開発と、その現場における積極的な採用と評価が一層重要になっている。このため、官民の連携の下、こうした技術の研究開発を進めるほか、民間において開発された新技術について、パイロット工事の実施、情報の提供や情報交換体制の整備など、新技術を活用し、普及させるための制度を充実し、民間の開発技術の活用・普及を促進する。

(施策事例)
 ○低コスト型下水道施設の開発
 ○推進工事の長距離施工
 ○シールド工事の長距離施工
 □産学官が共同で行う技術開発への支援の充実
 □合流式下水道の越流水による汚濁負荷等削減技術の開発
 □既存施設での高度処理の効率化を可能とする技術の開発

   e.積算の合理化(施策番号D)
下水道工事の積算について、積算基準等の統一、明確化、公開、機動性の向上をさらに図る。 また、CALS/EC等の推進に併せて、積算に必要な数量データや図面の電子化の拡大を進める。

(施策事例)
 ○下水道工事の積算体系の統一・公開
 □新土木工事積算体系への移行と新体系に沿った歩掛の編集
  2)工事発注の効率化等

   a.下水道工事の平準化(施策番号E)
工事の計画的かつ迅速な発注、適切な工期の設定、国庫債務負担行為の活用等により、下水道工事の平準化を引き続き積極的に推進する。

(施策事例)
 □適正工期を確保するために債務負担行為等の積極的な活用

   b.適切な発注ロットの設定(施策番号F)
中小建設業者の上位ランク工事への参入機会の拡大など、中小企業の受注機会の確保に配慮しつつ適切に発注ロットを設定する。また、事業箇所の重点化等により投資の重点化を図る。

   c.入札・契約制度の検討(施策番号G)
技術による競争を促し、民間の技術力を活用するため、技術提案を受け付ける入札・契約方式(VE方式、総合評価方式等)など新しい方式を適用する工事の拡大を図るとともに、さらに提案を出しやすい仕組みへの改善などを進める。また、設計面ではプロポーザル方式の適用を拡大する。

(施策事例)
 ◎下水道設備工事における設計・施工一括発注方式(デザインビルド(DB)方式)の推進

   d.諸手続きの電子化等(施策番号H)
調査・計画・設計・積算・施工・管理に関する工事関係文書等の標準化・電子化、電子調達システムの導入、公共工事におけるCALS/EC化を進める。 また、下水道の終末処理場建設やポンプ場の建設においては、土木・建築工事、電気・機械設備工事と工種が多いこと、総合試運転などの下水道で特徴的な検査もあることから、それらの簡素化を図る。

(施策事例)
 □工事関係書類の簡素化・統一化
 □電子情報の活用による工事監督業務の簡素化
 □機器の製品検査等の簡素化
 □機器の総合試運転の簡素化

  3)工事構成要素のコスト低減

   a.資材の生産・流通の合理化、効率化(施策番号I)
建設資材における生産・流通慣行の改善や物流の効率化を推進するため、調達・流通実態調査を踏まえた情報化、規制改革等を進める。

   b.資材調達の諸環境の整備(施策番号J)
品質を確保しつつ、多様な資材調達環境を引き続き整備するため、海外資材の活用促進、規格・仕様の標準化、統一化や性能規定化、品質検査等の見直し等を進める。

   c.優良な労働力の確保(施策番号K)
生産技術の進歩、機械化の進展に対応し、「基幹技能者」や「多能工」の育成を継続して行う。また、工事の平準化、高齢化対策、若年労働者確保対策、労働環境の改善等を通じ、優れた建設技能者の安定的確保を図る。

   d.建設機械の有効利用(施策番号L)
建設機械の有効利用を図るため、建設機械部品の効率的使用や情報システムの活用等を進める。また、建設機械の労働安全対策に関する手続等の効率化や環境対策の国際規格等との整合性確保等により、効率的な安全・環境対策の実施を図る。

  4)工事実施段階での合理化・規制改革等

   a.労働安全対策(施策番号M)
労働者の安全確保を図るとともに労働安全対策の効率化を継続的に進めることが必要であり、事業者に効率的な安全管理の普及を図るとともに、情報提供や安全教育、資格取得等に対する支援を行う。また、建設事故に関するデータベースを整備し、下水道セーフティネットなどによる事故情報の共有化を図るとともに、事故情報を分析し安全対策に反映させる。

   b.交通安全対策(施策番号N)
路上工事や海上工事について、各種の許可申請手続の合理化を推進するほか、集中工事の実施の促進等により、路上工事の効率的実施と渋滞時間の低減を図る。

   c.環境対策(施策番号O)
下水道工事を実施するにあたり、建設機械の排出ガス、騒音等の環境対策については、各種施策との整合を図ることにより効率的な環境対策の実施を図る。

   d.建設副産物対策(施策番号P)
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律を中心とした新たな制度の適正な運用、建設副産物の発生抑制技術や再生利用技術の開発、情報交換システムの充実、活用等により、引き続きリサイクル率を向上しながらコストの低減を図る。

   e.埋蔵文化財調査(施策番号Q)
下水道工事の実施に伴う埋蔵文化財調査を円滑に実施するため、工事部局と文化財保護部局との連絡調整体制を継続するほか、調査・測量技術の向上を図る。

   f.消防基準、建築基準等(施策番号R)
建築基準の性能規定化等を内容とする改正建築基準法は、平成12年6月に完全施行されたところである。公共建築工事においては、これを踏まえ、技術基準の見直し及び体系化を推進し、その普及を図る。 また、消防法に関する諸手続についても、必要に応じて合理化方策を検討するとともに、電気事業法及びガス事業法等に関する諸手続の合理化方策を講じる。
(2)工事の時間的コストの低減(施策番号U)

 個々の工事の効率的な実施は、早期の便益発現や事業資金の金利負担の低減などの時間的コスト低減の効果をもたらす。このため、工事においても、事業箇所の集中化、新技術の活用による工事期間短縮などにより時間的効率性の向上を図る。 これらの施策の実施によるコスト縮減効果については、事業箇所数や短縮時間、短縮による便益など施策の特性に応じた指標で計測する。

(3)ライフサイクルコストの低減(施設の品質の向上:施策番号V)

 下水道工事によって整備される各種の施設については、「より良いものをより安く」という観点から整備していく必要があることは言うまでもないが、それだけではなく、より耐用年数の長い施設、省資源・省エネルギー化に資する施設、環境と調和する施設等の整備を推進するなど、施設の品質の向上を図ることにより、ライフサイクルを通じてのコストの低減や環境に対する負荷の低減を図る。 これらの施策の実施によるコスト縮減効果については、転換率など施策の特性に応じた指標で計測する。

   a.施設の耐久性の向上(長寿命化)(施策番号V@)
ライフサイクルを通じてのコスト低減の観点から、施設の長寿命化を図る。

(施策事例)
 ◎下水道施設における腐食対策技術の採用

   b.施設の省資源・省エネルギー化(運用、維持管理費の低減)(施策番号VA)
ライフサイクルを通じてのコスト低減の観点から、施設の省資源・省エネルギー化を図る。

(施策事例)
 ◎光ファイバー網の整備による下水道維持管理の効率化
 □処理場が持つ機器や発生するエネルギーの有効利用

   c.環境と調和した施設への転換(施策番号VB)
環境に係るコスト等の低減の観点から、環境と調和した施設、バリアフリー化した施設に転換する。

(施策事例)
 □ライフサイクルアセスメント(LCA)による最適技術選定手法の検討
 □地球温暖化ガスの放出抑制

(4)工事における社会的コストの低減(施策番号W)

 下水道工事においては、建設副産物対策、環境対策や安全対策を先導的に実施していくことが求められている。これらの施策の中には、直接的な工事コスト低減にはつながらないものもあるが、社会的なコスト低減の観点で重要な施策であり、今後とも引き続き積極的に対応していくことが必要である。このような観点に立って、建設副産物対策の推進や環境対策による環境負荷の低減、工事中の交通渋滞緩和、工事中の事故の減少などを通して社会的コストの低減を図る。 これらの施策の実施によるコスト縮減効果については、リサイクル率等施策の特性に応じた指標で計測する。

   a.工事におけるリサイクルの推進(施策番号W@)
建設副産物等のリサイクル等を進めることにより、資源の有効利用や環境負荷量の低減を図り、社会的コストを低減する。

(施策事例)
 ◎下水道汚泥の資源化の推進及び下水道工事等における再生資源の積極的な活用

   b.工事における環境改善(施策番号WA)
工事における環境改善策により環境負荷の低減を図り、社会的コストを低減する。

   c.工事中の交通渋滞緩和対策(施策番号WB)
現道上での交通渋滞を緩和するよう工事を工夫し、社会的コストを低減する。

   d.工事中の安全対策(施策番号WC)
工事において、安全性の水準を改善することにより、人的な損失を低減する。

(5)工事の効率性向上による長期的コストの低減(施策番号X)

 
民間企業の有する技術力を下水道工事において積極的に活用することにより、工事の効率性が高められるとともに、建設業の生産性向上を促し、長期的コストの低減が期待できる。具体的には、各種の規制改革等を通じた効率性の向上、個々の工事における新技術の活用、工事情報の電子化や電子交換等の実施、建設業における情報通信技術(IT)の利用拡大、入札・契約制度の的確な運用等を通じた不良・不適格業者の排除等を通じて、長期的コストの低減を図る。 これらの施策の実施によるコスト低減効果については、規制改革の実施状況、工事情報の電子化を実施した工事件数など施策の特性に応じた指標で計測する。

   a.工事における規制改革(施策番号X@)
工事に関する各種の規制改革の実施を通じて、長期的コストの低減を図る。

(施策事例)
 □技術基準類の性能規程化の検討

   b.工事情報の電子化(施策番号XA)
工事情報や手続の電子化等により工事の効率化を図るとともに、建設業における情報通信技術(IT)の利用を拡大し、長期的コストの低減を図る。

   c.工事における新技術の活用(施策番号XB)
工事における新技術の活用により、長期的コストの低減を図る。
 
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