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平成12年7月10日
建設省都市局下水道部下水道企画課
建設省土木研究所下水道部
北海道建設部公園下水道課
歌登町水道課

歌登町下水道ディスポーザ社会実験について
 建設省、北海道および歌登町は、下水道でのディスポーザの利用についての社会実験を共同で開始する。
 これまで、ディスポーザの利用については、下水道管きょ内での堆積物増加、 下水処理場での負荷増大、下水汚泥の発生量増大および性状変化の影響、 合流式下水道における雨天時越流水の水質悪化等のデメリットが想定される反面、 ゴミ収集量・回数の減少、汚泥の有効利用によるエネルギー回収のメリットも考えられてきた。
 このたび、社会実験として町全体としての汚水・廃棄物処理システムのあり方について検討し、 ライフサイクルアセスメントも行うことにより、ディスポーザ導入によるメリット・デメリットを 整理することとした。
 調査は、平成12年度から4年間で実施され、2年で中間報告を公表、 成果は歌登町の下水道事業等で活用されるとともに、 下水道施設の計画・設計の考え方に反映する予定。
■背景
 ディスポーザとは、生ゴミ(厨芥)を粉砕し、排水と一緒に排水管に投入する装置である。
 近年、このディスポーザについて、社会的な関心が高まっている。 高齢化社会におけるゴミ出し労働の軽減など利便性・快適性の向上やゴミ減量化への期待が高まる一方、下水道への影響、環境負荷の増大を懸念する声も根強く、賛否両論がある。
 また、生ゴミのような有機性廃棄物を含め、様々な廃棄物について リサイクルの推進が社会的に要請され、法制度も整備されつつある。

■社会実験の目的
 社会実験は、歌登町を調査対象都市(モデル都市)として行い、 ディスポーザと下水道の組み合わせにより、廃棄物(生ゴミ)と汚水を一体的に下水道管きょで収集し、 下水道処理場で処理し、さらに有効利用するといった方法により、 コスト削減・エネルギー消費抑制を図る効率的な都市代謝システムの構築について、 下水道施設や公共用水域への影響に加えて、 ライフサイクルアセスメント等環境の観点もふまえて検討することを目的として行われる。

■歌登町について
 北海道枝幸郡歌登町は、旭川より150kmのオホーツク海寄りの北緯45°に位置する町である。 10年3月末での行政人口約2,600人、下水道の処理開始区域内人口は約2千人、 下水道処理人口普及率は約74%である。
 冬季にはゴミステーションが雪に埋もれ、 住民のゴミ出し・行政のゴミ回収が極めて困難な作業となっている。 この対策として、家庭ゴミのかなりの部分を占める生ゴミを ディスポーザ導入により下水道で受け入れることによるゴミの減量化を図り、 住民のゴミ出し作業軽減、行政のゴミ収集の効率化を進めることが有効な選択肢の一つと考えられる。
 また、分流式下水道を採用しており、 社会実験により雨天時に公共用水域への汚濁物が流出して水質汚濁を引き起こすおそれがない。

■社会実験の進め方

 町では、町営住宅300戸(全世帯の約4割に相当)に段階的なディスポーザ導入を予定している。
 現在、下水汚泥は埋め立て処分されているが、将来的にはコンポスト肥料として利用することを検討する。 また、可燃ゴミは周辺町村との共同施設で焼却・埋め立て、不燃ゴミは町内で埋め立て処分されており、 ディスポーザ導入による処分量の減量についても検討を行う。

参考

■ディスポーザと下水道
 下水道へのディスポーザの接続については、下水道管理者である地方公共団体が、 個々の下水道施設の構造、処理能力等の特性を踏まえて判断してきたところであるが、 下水道施設への影響の懸念等から、慎重な取り扱いをしている場合が多い。
 下水道施設への影響、公共用水域への影響への配慮に加えて、近年の地球環境保全、 ライフサイクルアセスメント等の新たな環境の観点を踏まえ、 効率的な都市の汚水・廃棄物収集システムをどのように構築するかについて 検討することが求められている。

■ディスポーザ導入のメリット・デメリット
 ディスポーザ導入で期待されるメリットとしては、
  • ゴミの軽量化、減量化によるゴミ出し労働の軽減(特に高齢化社会、高層住宅等)
  • 屋内に生ゴミを貯めないことによる悪臭の防止、衛生面の向上
  • 積雪地帯での冬季ゴミ出し・収集作業の軽減
  • ゴミステーションでの鳥獣被害・悪臭発生等の軽減等の生活の利便性・快適性の向上が考えられる
  • ゴミの収集量・回数の減少による行政コスト削減
  • 生ゴミと汚水の一体的な効率的処理
  • 下水汚泥としてメタン回収等有効利用することによる生ゴミのリサイクル推進等によるエネルギー・資源・コスト面での効率性の向上
が考えられる。
想定されるデメリットとしては、 現在の下水道施設が生ゴミの投入を想定して設計されていないことから、
  • 下水道管きょ内での堆積物による流下阻害、発生する硫化水素による腐食
  • 下水処理場での負荷増大による処理水質悪化
  • 下水汚泥の発生量の増大及び汚泥性状の変化による汚泥処理コスト増大
  • 合流式下水道における雨天時越流水の水質悪化
  • 生ゴミ以外の投入によるトラブル、環境汚染の増加
等の下水道施設、下水処理及び公共水域等環境への影響等が考えられる。

注)建設クラブ、建設省専門誌記者会つくば研究学園都市記者会で同時配布しています。
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問い合せ先:
建設省都市局下水道部下水道企画課
TEL:03-3580-4311(代)
建設省土木研究所下水道部汚泥研究室
TEL:0298-64-2211(代)
北海道建設部公園下水道課
TEL:011-231-4111(代)

歌登町水道課
TEL:01636-8-2111


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