地球温暖化に起因する地球規模の気候変動は、世界の多くの地域において、降水量の地域的な変化だけでなく、降水量の変動幅を大きくすると予測され、洪水とともに渇水の被害の増大が懸念されています。人口や産業が集積する大都市等の水需要は、世界的には依然として増大する傾向にあり、渇水時も想定して再生水利用などの都市内における水の合理的な利用方法を確立することは、持続的な都市活動を担保するために不可欠といえます。
このため、下水処理水の再利用は多くの国々で関心の的となっており、日本が有するこの分野の先端技術が世界に大きく貢献していくことが期待されています。
本シンポジウムでは、「地球温暖化と再生水利用」と題して、わが国における下水処理水の再利用の現状を踏まえ、地球温暖化による世界的な水不足に対応するために鍵となる水の再利用の分野で世界に貢献する方策について考え、下水処理水の再利用についての展望を広く皆様に情報発信いたします。

講師 カリフォルニア大学名誉教授　　浅野　孝氏 （独）土木研究所フェロー コーディネーター 読売新聞編集委員　近藤 和行氏 パネリスト 東洋大学学長　松尾 友矩氏 東京大学大学院工学系研究科　大垣 眞一郎氏 都市工学専攻教授 ジャーナリスト・環境カウンセラー　崎田 裕子氏		浅野　孝氏 1937年生まれ。専門分野は環境工学・水資源工学、特に水再利用工学。1981年米国カリフォルニア大学デーヴィス校教授。2002年米国カリフォルニア大学デーヴィス校名誉教授。2001年水のノーベル賞とも呼ばれている「ストックホルム水賞」受賞。
	近藤 和行氏 1984年読売新聞社（現・読売新聞東京本社）入社。 大蔵省、通産省、運輸省、経済企画庁、日銀、財界などを担当。 2007年から現職。
	松尾 友矩 氏 1982年東京大学工学部教授。2000年東京大学工学部名誉教授。2001年東洋大学国際地域学部教授。2003年から現職。 大垣 眞一郎氏 1989年東京大学工学部教授。2002〜04年東京大学工学部長。2006年国際水学会（IWA）副会長。 崎田 裕子氏 （株）集英社で雑誌編集を務めた後、フリージャーナリストに。現在、NPO法人持続可能な社会をつくる元気ネット理事長。