建設省
平成12年7月27日 |
宅地開発に伴い設置される調整池等の適切な管理について
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宅地開発に伴い設置される調整池等の適切な管理については、 埋め立てられる等その維持管理が適切に行われていない事例が指摘されており、
こうした指摘も踏まえ、建設省では、調整池等の流出抑制施設の適切な維持管理のあり方について、
マニュアル(「宅地開発に伴い設置される流出抑制施設の設置及び管理に関するマニュアル」)を取りまとめ、
7月27日に公表します。 |
1.経緯
- 宅地等の開発が行われると、当該区域の雨水流出機構が変化し、 開発区域及びその周辺地域に溢水等による被害が生じる恐れがあるため、開発に際しては、
必要に応じて調整池等の流出抑制施設を設置している。
- 近年、民間所有の既存調整池が埋め立てられる等、 適切な管理が行われていない事例が指摘されており、
防災上の観点から、より適切な管理が求められていたところである。
- こうした状況に対処するため、建設省では、平成11年12月16日、 「宅地開発に伴い設置される調整池の保全に関する検討会」を設置し、
開発に伴って設置される調整池等の流出抑制施設の適切な維持管理のあり方等について
検討を行ってきた。 今回、検討結果がまとまり、 マニュアル「宅地開発に伴い設置される流出抑制施設の設置及び管理に関するマニュアル」)
を策定し、技術的助言として、都道府県、指定都市、中核市の開発許可担当課、
宅地防災担当課、河川管理担当課、下水道管理担当課あて通知した。
- 建設省では、このマニュアルが自治体で有効に活用され、 流出抑制施設のより適切な管理がされることを期待している。
2.マニュアルの概要
(1) 本マニュアルは、これまで示された宅地開発に伴い設置される 流出抑制施設の管理に関する指針を踏まえ、より具体的な運用指針を明らかにしたものである。
- 調整池については、恒久調節池と暫定調整池の区別を明瞭にした上で、 恒久調節池は公的管理を原則とし、暫定調整池についても公的に管理が望ましいこととした。
また、恒久調節池については、土地の権限の地方公共団体への移管についても明記することとした。
- 既存の流出抑制施設のうち、その機能の維持が必要と判断されたもので、 管理方法が明確にされていないものは、管理方法の明確化を図ることとした。
- 流出抑制施設の管理に関する協定書(例)を示し、
- 管理する施設の位置、種類、構造
- 管理する流出抑制施設の点検、補修、清掃に関すること
- 協定の有効期限
のほか、
- 流出抑制施設の見易い場所又はその周辺の見易い場所に 流出抑制施設の種類、構造、管理者の氏名又は名称を表示すること
- 流出抑制施設に変更を加えようとする場合の地方公共団体への協議と承認
- 流出抑制施設の所有者が変更した場合、地位の承継と地方公共団体への届出等
を内容として盛り込んだ。
(2) 流出抑制施設の設置の判断について、判断の主体は河川、下水道等の管理者であることを明記した。
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