7. まちのルールづくり
◎ 美しい、魅力のある都市空間を形成していくためには、個人の権利の過度の強調と公益の軽視という日本特有の考え方を変えることが必要。そのためには、住民の主体的参画による地区計画、建築協定などを通じたコミュニティ主体のまちづくりを通じて公益に関するコンセンサスを形成していくことが必要。 |
こうした状況を打破するための方法としては、ひとつには法律でしっかりと定めてしまうというものがあるが、他方まちづくりについてはそれぞれのコミュニティが主体的に考えるという方法も考えられる。従来は別としても、現在ではまちづくりNPOが育ってきていることや若い人の外国体験が深化していることも考え合わせれば、土地というものは個人が全く自由に使うべきものではなく、住民の主体的な参画による建築協定や地区計画などを活用することによって、まち全体、ひいては住民全体にとって最もよい姿になるように使うという公益に関するコンセンサスを形成していくことが必要である。
●日本の都市と海外の都市に関するアンケート調査 平成11年(1999年)10月12日に調査票の郵送・送信を開始し、11月30日までに回収が完了したものを集計。 以下の条件を満たす方 ・女性(年齢は海外在住時に大学生以上) ・在住期間は原則1年以上で、帰国から10年以内 ・在住国は米国、カナダ、EU加盟国を中心としたヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド (米国:42.7%、英国:23.7%、ドイツ:7.6%) 全体で131件の有効回答(回収率61.5%) ・生活全体の印象: 「日本より外国」(60.9%) 「外国より日本」(10.2%) ・街の中の緑の多さ: 「外国」(91.6%) 「同程度」:7.6% 「日本」:0.8% ・公園などのオープンスペースや、建物の形・高さ・色などの調和: 有名な建物が3つ並んでいる。右から2番目の屋根に十字架があるものがカサ・バトリョ(ガウディ設計)、3番目の三角形の屋根がカサ・アマトリェール(カダファルグ設計)、5番目の屋上の上に塔が見えるのがカサ・リェオ・モレラ(ドメネク設計)。ガウディとドメネクが設計したこの写真とは別の建物は、世界遺産に指定されている。 「外国」(93.1%) 「同程度」:2.3% 「日本」:2.3% ・高齢者・身体障害者への対応: 「外国」(78.6%) 「同程度」:3.8% 「日本」:0.8% |