資料3
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1.基本的認識
(1)京阪神地域の活力の低下
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(2)京阪神地域の発展の可能性
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(3)京阪神地域の都市再生の意義
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2.京阪神地域の都市再生に向けての4つのポイント
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○京阪神地域の特色ある産業集積も活かしつつ、IT、バイオ、環境産業等の都市型産業を強化し、21世紀にふさわしい産業・経済システムの再構築を行うことが必要。
○そのためには、それらの産業の発展の条件となる基盤整備や、産業の担い手を育成し得るシステムの創設など、産業振興、雇用創出を支援するハードウェア、ソフトウェア両面からの都市政策の展開が必要。
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○京阪神地域は、大都市圏としての都市機能集積の魅力に加え、通勤距離の短さ、都市と自然・歴史文化との近接性、京都・大阪・神戸等の個性ある都市への居住選択性など、多様で魅力的な居住環境の面で、東京圏に対する優位性を保有。
○この優位性を活かし、地域に対する愛着をもって暮らすことのできる「住の魅力」に富んだまちづくりを推進することが必要。
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○都市圏の人口が減少する時代には、都市圏内の市場に依存するだけでは都市活力も先細りであり、都市圏外からの集客力を高め、市場の拡大を図ることが必要。
○そのためには、これまでに培ったアジア地域等との交流の伝統や我が国第一の歴史的資源の活用など、京阪神地域のみが有する特長を活かした取組みとともに、新たな世代、新たな地域に対し集客力を発揮しうるこれまでにない魅力を有する拠点の形成を進めることが必要。
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○京阪神地域が世界の中で独自の輝きを放つ大都市圏として生き残っていくためには、京都・大阪・神戸といった中心都市が個性を磨きつつ、京阪神地域の各地域相互の交流と連携によって諸機能が集積する多核ネットワーク型の都市圏としての総合力を発揮していくことが必要。
○そのためには、交通や情報などの交流基盤の整備を推進していくとともに、地域開発プロジェクト間の連携と機能分担によって相乗効果の発揮を目指していくことが必要。
3.京阪神地域の都市再生のための具体的方策
(1)京阪神地域の地域特性を生かした都市再生の推進
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○我が国の中で京阪神地域が優位に立つ研究開発機能の強化に向けて、関西文化学術研究都市をはじめ、国際文化公園都市、東播磨情報公園都市、播磨科学公園都市等の学研都市群の整備促進を図るべき。
○また、相互の機能的連携と分担により相乗的な整備効果を得るため、交通基盤・情報基盤に支えられた学研都市ネットワークを構築し、「関西知識回廊」と呼ぶべきリサーチコンプレックスの形成を図り、世界への情報発信力の強化と、「知」を通じた集客力のある都市圏の実現を図るべき。
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○学術・文化を先導し、豊かな発想でものづくりの先端を担ってきた京阪神地域が有する人材、企業、医療・研究機関等の集積を生かし、IT・ソフトウェア産業、福祉・バイオビジネスなどの都市型産業の育成に努めるべき。
○歴史・文化の蓄積を活用し、さらにUSJをはじめとする新たな集客拠点の整備促進を図ること等により、集客観光産業の育成に努めるべき。
○また、少子高齢化の進展に対応し、高齢者や女性のパワーの活用やコミュニティの再構築を支援する産業(スモールビジネス、SOHO,コミュニティビジネス等)の育成を図るべき。
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○京阪神地域の特徴である歴史的風土の保全を図るとともに、京町家など歴史的景観・都市環境と都市活動の営みが共存するまちづくりを進めるべき。
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○大都市圏と近接して自然環境がある特徴を活かし、特に高齢者の住まい方の選択肢の一つとして、健康・福祉・医療のセーフティネットが整備され、自然との共生を基調とする新たなライフスタイルの構築を図るべき。
○かつて日本の産業発展をリードしてきた阪神臨海地域について、自然と人の営みの豊かな共生を理念として、水と緑の空間を構築する先導的プロジェクトを推進し、瀬戸内海の自然環境の回復と沿岸地域の健全な発展を目指すべき。
(2)既成市街地の再構築による都市再生の推進
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○少子高齢化、就業形態の多様化等の社会構造の変化に対応するため、コンパクトな都市空間に様々な機能が備わった、歩いて暮らせるまちづくりを進めるなど、高齢者・障害者にも配慮した職住近接型の都市構造の実現を図るべき。
○コミュニティづくりにも配慮しつつ密集市街地の整備改善を進め、また、歩行空間のバリアフリー化や電線類の地中化なども促進するなど、市街地及び住宅の質を向上させ、安全で快適な暮らしが可能となる都市空間の形成に努めるべき。
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○広域的な都市圏の中枢地域として、大阪駅北地区、神戸東部新都心地区、京都丹波口駅地区等の拠点地区の開発により都心の求心力の回復と都市機能の高度化を図り、魅力と活力にあふれる都市空間を創造すべき。
○大阪市域については、従来の南北軸方向の整備に加え、ベイエリアから京阪奈に至る東西軸方向の整備を強化し、都市の活性化のための新たな都市構造の構築と集客力の強化を図るべき。
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○大阪、神戸、堺、尼崎等の臨海部において、アミューズメント産業、情報通信・映像関連産業創出のための拠点を形成し、これらの拠点を核として研究開発型産業、ベンチャー企業等の誘致・育成等を進め、ベイエリアの産業構造の転換等を促進すべき。
○また、ベイエリアは、関西国際空港や中枢国際港湾等の我が国を代表する国際ゲートウェイ機能を有しており、これらの施設を積極的に活用した国際交流・交易を推進し、魅力ある大阪湾環状都市を形成すべき。
(3)交流と連携を促進する都市基盤の整備
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○国内外に開かれた地域とするため、第二名神高速道路、紀淡連絡道路等の国土軸を形成する交通基盤の整備などを進めるとともに、空港機能、港湾機能等の広域交通・物流拠点の整備を推進すべき。
○京阪神の都市間の交流と連携の強化や学研都市群のネットワーク化のため、京奈和自動車道、第二京阪道路、大阪湾岸道路8・9期、学研都市連絡道路等の幹線道路ネットワークの整備を推進すべき。
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○都市内道路の整備、渋滞ポイント、ボトルネック踏切の解消等都市活動の効率化のために不可欠な都市基盤の整備を推進し、市街地の開発ポテンシャルを高めるべき。
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○市場経済の情報化を急激に進展させるIT革命に伴い激変することが予測される産業、企業、社会、個人の諸活動を支えるため、これに的確に対応する都市基盤の整備を推進すべき。
○高度情報通信ネットワークの先行的な整備や、次世代産業を支える研究施設、金融センター等の整備を進めるべき。
(4)都市再生の効率的な推進のための事業手法の充実
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○限られた財源のもとで都市再生を効率的、効果的に進めるとともに、地域の実情に応じて地域が主体的、総合的に都市再生に取り組むため、統合補助金等により投資の重点化を促進するとともに、都市再生のための包括的な交付金についても検討を行うべき。
○都市機能導入の促進を総合的・一体的に図るため、産業系、福祉系等の他省庁の施策を総合的に投入する仕組みについて検討を行うべき。
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○良好なコミュニティを持ち、安心して暮らせるまちづくりを進めるため、医療系、福祉系施策も包含した統合的な都市居住施策の実施を図るべき。
○京町家など歴史的市街地において、その環境を保全しつつ居住機能を向上させるため、地区単位での街並み保全と活性化のためのモデル事業の創設等を図るべき。その際、かつて地域コミュニティーの中心であった小学校跡地の活用に配慮すべき。
(5)社会経済情勢の変化に対応する制度的措置
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○戦略的に都市機能立地を図るべき地区について、機能立地上の制約となる各種規制を緩和するとともに、機能立地促進へのインセンティブを総合的に導入する制度(エンタープライズゾーン制度)について検討を行うべき。
○需要に柔軟に対応しつつ段階的に開発を行うための計画的手法、事業的手法のあり方を検討するとともに、暫定的又は実験的な土地利用のための制度的対応について検討を行うべき。
○産業再生の制約となっている工場等制限法について、大学・専修学校等の教育施設、無公害型工場に対する適用について検討を行うべき。
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○まちづくり推進に不可欠な都市基盤の整備円滑化のため、土地収用制度を見直すべき。
○都市基盤と沿道街区の一体的整備を促進するための手法の充実を図るべき。
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○インナーエリア、歴史的街並み等の一定の要件を満たす地区における相続税の減免などを実現し、土地の細分化や文化遺産の散逸を防ぐなど、良好な都市ストックの形成・保全を図るべき。
○円滑な住み替え、住宅の改良等都市居住水準の向上に資する税制上の措置や、住宅金融公庫融資の充実等、多様な都市居住を支援する税制上、金融上の措置を充実すべき。
(6)新たなパートナーシップの構築
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○地域主体の都市再生、まちづくりを進めるため、国と地方の役割分担のあり方について議論を行うべき。また、都市整備のための財源確保の方策についても議論を行うべき。
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○日本版PFIの確立など、公民の連携と適切なリスク分担、ノウハウの活用のもとでまちづくりを進める投資システムを充実すべき。
○都心の再構築を公民連携のもとで推進するための都心型タウンマネージメントを推進すべき。
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○住民主体のまちづくり活動を支援するため、公的な補助制度の充実やまちづくり専門家の公的な資格制度の必要性などについて検討を行うべき。
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○重点投資を図るべき都市圏を代表するレベルの戦略的な拠点整備等への参画や、公民連携を推進するコーディネート業務へのノウハウの活用等、都市基盤整備公団の活用を図るべき。
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○京阪神地域の都市再生推進のためには、都市圏を構成する行政間の連携、公民の連携が不可欠であり、関西広域連携協議会の機能強化、国土交通省地方整備局の活用など組織体制の充実・強化によって、広域的な連携の強化を図っていくべき。