関西文化学術研究都市の建設に関する基本方針

第4章 文化学術研究地区の配置及び整備の方針

1 文化学術研究地区の配置

文化学術研究地区は、京都、大阪、奈良等の既存都市とのつながりや全体の有機的な連携に配慮し、次の位置におおむね別図のとおり配置する。

(1)京都府域

田辺地区、普賢寺地区(以上京田辺市)、南田辺・狛田地区(京田辺市、精華町)、木津地区(木津町)、精華・西木津地区、平城・相楽地区のうち京都府域(以上木津町、精華町)

(2)大阪府域

氷室・津田地区(枚方市)、清滝・室池地区、田原地区(以上四条畷市)

(3)奈良県域

平城宮跡地区、平城・相楽地区のうち奈良県域(以上奈良市)、高山地区、北田原地区(以上生駒市)

2 文化学術研究地区の整備の方針

次のとおり文化学術研究地区の整備を図る。なお、各々の文化学術研究地区は、整備の条件が整った地区から、都市全体としての整合性に留意しつつ、段階的に整備を進める。

(1)田辺地区

同志社大学を中心とする大学等教育研究施設の整備・充実を図る。

(2)南田辺・狛田地区

農業、バイオサイエンス系教育研究施設の集積をいかしつつ、文化学術研究施設、研究開発型産業施設等の整備を図るとともに、住宅施設、都市的サービス施設及び広域レクリエーション施設等の整備を推進する。

(3)木津地区

光量子科学センター(仮称)など主として自然科学系の文化学術研究施設、研究開発型産業施設から成る研究開発、先端産業の拠点としての整備を推進するとともに、大規模な住宅地としての整備及び都市的サービス施設の整備を推進する。

(4)精華・西木津地区

本地区は、都市の中央部に位置することから本都市の中心地区として位置づけ、国立国会図書館関西館(仮称)、勤労体験プラザ(仮称)の整備を推進するとともに、国際高等研究所、国際電気通信基礎技術研究所における諸機能の充実を図りつつ、これら施設の立地等をいかした情報通信、環境等様々な分野における中枢的な文化学術研究施設の集積及び文化学術研究交流施設の充実を図る。また、住宅施設、都市的サービス施設及び自然環境をいかした公園緑地等の整備を推進する。

(5)平城・相楽地区

大規模な住宅地としての整備と併せて、生活関連の文化学術研究施設の集積立地、都市的サービス施設等の整備を推進する。

(6)氷室・津田地区

関西外国語大学の立地等をいかしつつ、先端的な研究・教育施設などの文化学術研究施設、研究開発型産業施設等の整備を推進するとともに、住宅施設の整備を推進する。

(7)清滝・室池地区

自然環境の保全と緑地の回復を図りながら、自然レクリエーションの拠点としてスポーツ、保養等の施設の整備を推進するとともに、大阪電気通信大学の立地等をいかしつつ、研修、教育研究等を行う文化学術研究施設、住宅施設の整備を推進する。

(8)田原地区

その周辺の自然環境をいかし、住宅施設等の整備を推進するとともに、研修等を行う文化学術研究施設、産業施設等の整備を推進する。

(9)平城宮跡地区

特別史跡平城宮跡を中心とする歴史・文化的遺産を保全、整備しつつ、それらを活用した文化財、考古学に関する文化学術研究施設の充実、強化を推進する。

(10)高山地区

奈良先端科学技術大学院大学及び通信・放送機構奈良リサーチセンターを中心に、情報通信、バイオサイエンス等の先端的な科学技術分野を対象とする文化学術研究施設及び住宅施設の整備を推進するとともに、自然環境をいかした公園緑地の整備を図る。また、京阪奈新線の計画との整合性に留意しつつ、複合的都市機能の整備を図る。

(11)その他の文化学術研究地区

普賢寺地区、北田原地区においても、それぞれの地区の立地条件を勘案し、計画性をもって整備を図る。