関西文化学術研究都市の建設に関する基本方針

第5章 文化学術研究施設の整備に関する基本的事項

文化学術研究施設としての次の施設の整備を図る。

[1] 文化、芸術に関する高度な研究、教育及び一般啓発等を行う施設

我が国の文化、芸術に関する高度な研究、教育、国際交流及び一般啓発等を行うため、平城宮跡の保存復元等の施設整備を図るとともに、近畿圏が有する歴史的、文化的環境を活用し、それらを研究対象とする施設の整備を図る。

[2] 大学等の教育・研究施設

基礎科学の充実強化、創造的な学術の振興を図るとともに、優れた人材の育成、学術の研究成果の活用等の社会的要請にこたえるため、国際的、学際的な研究領域や先端的な科学技術分野等において高度かつ創造的な教育・研究を行うとともに、社会・産業界と連携した諸活動を行う新しいタイプの奈良先端科学技術大学院大学その他の大学や研究所等を含め、大学等の整備・充実を図る。

[3] 創造的な基礎研究、応用研究及び先端的な技術開発を行う施設

従来、我が国は欧米諸国の基礎研究成果の導入に努めてきたが、今後は科学技術創造立国を目指して、世界の科学技術の発展に貢献する創造的な基礎研究を充実強化する必要があり、光量子科学センター(仮称)等そのための施設の整備を推進する。また、新たな産業創出の原動力として、基礎研究とともに、応用研究及び先端的な技術開発を行うため、共同利用を考慮した研究施設を含め、各分野における先進的な研究施設の整備を推進する。

[4] 文化・学術・研究における交流、研修等の活動を推進するための機能を備えた施設

今後、文化・学術・研究の一層の振興のためには、国際的、学際的、業際的な交流がますます重要となるとともに、先端的な研究開発成果の普及と優れた人材の育成が必要である。このため、これら交流、研修等の活動を推進するための機能や、広く地域の文化・学術・研究の発展に寄与する機能を備えた施設の整備を図る。

[5] 文化・学術・研究を支援する情報提供施設

文化・学術・研究活動の支援機能をナショナル・レベルで強化・拡充するため、電子図書館機能を駆使した新しい情報提供サービスを行う機関として、国立国会図書館関西館(仮称)の整備を推進する。

また、職業に関する様々な情報や体験機会の提供等を行う職業総合情報拠点として、勤労体験プラザ(仮称)の整備を推進するとともに、今日の高度情報化及び文化・学術・研究活動に際し必要とされる情報の多様化に対応し、文化・学術・研究に関する情報を迅速に提供する情報提供施設の整備を図る。