これによると、オーナーについては1社当たり平均で、資本金40億1千万円、雇用船員数62.0人であり、純オペレーター(資本金4億9千万円、雇用船員数22.8人)と比べ、海運企業としての規模は大きくなっている。外航海運企業のうち、全く船員を雇用していない企業は約6割存在するが、そのうち純オペレーターが約7割を占めている。一般的に純オペレーターの雇用船員が少ない理由としては、
定期用船
が多いこと及び
裸用船
において
船舶管理会社
の活用があることが挙げられる。
一方、総従業員数については、オーナーの1社当たりの平均が134.2人であるのに対して、純オペレーターは333.3人と、総従業員数については純オペレーターがオーナーの平均値を上回っている。また、総従業員数に占める船員数は、オーナーが平均46.2%であるのに対し、純オペレーターは平均6.8%と極めて低率になっている。これは、オーナーが海運業をほぼ専業としているのに対し、純オペレーターの中には海運業以外の業種を本業とし海運業をいくつかある業務部門のうちの一つとしている企業が相当数あることや、前述のとおり海運業を専業としながらも船員を雇用していない企業が多数存在するためと考えられる。
次に、船舶の所有状況についてみると、大手5社については、会社数ではオ−ナ−全体に占める割合は6.8%と少ないが、その所有隻数及び総トン数は94隻、6,869千総トンで、オーナー全体に占める割合はそれぞれ55.3%、57.5%と、会社数の占める割合に比べるときわめて大きな比率を占めている。また、1社当りの所有隻数、総トン数及び1隻当りの総トン数についてみると、大手5社は、1社平均18.8隻、1,373.8千総トン、1隻当り平均73千総トンとなっている。
一方、その他のオーナーは、会社数は69社(93.2%)と圧倒的に多いが、所有隻数は76隻(44.7%)となり、総トン数については5,083千総トン(42.5%)に止まっている。1社当りの所有隻数及び総トン数についてみると、1社平均1.1隻、74千総トンで、企業規模は相対的に小さい(図表2-1-28)。