5.世界における国際観光の状況
(1)概況
 世界観光機関(WTO)によると、1998年(平成10年)に各国が受け入れた観光客の総数は6億3,668万人(対前年比2.7%増)、各国旅行収入の総計が4,413億ドル(同0.3%増)となっている。なお、1999年(平成11年)の推計値では、観光客数が6億5,693万人(同3.2%増)、国際旅行収入が4,550億ドル(同3.1%増)であった(表1-3-13)。

表1-3-13 世界の国際観光客数と国際旅行収入

 次に、1998年における主要国・地域の外国人旅行者受入数及び国際旅行収支を見ると、外国人旅行者数、国際旅行収入がともに多いのは、フランス、アメリカ、スペイン、イタリアである。また、旅行者数の伸び率が特に高いのは、オランダ、ポルトガル、スペイン等となっている。一方、旅行収支については、スペイン、アメリカ、イタリア、フランス等が大幅な黒字となっているのに対し、ドイツ、日本、イギリス、オランダ等は赤字となっている(表1-3-14)。

表1-3-14 主要国・地域の外国人旅行者受入数及び国際旅行収支(1998年)

(2)地域別の状況
 1996年から98年までの各年にヨーロッパ、アメリカ、東アジア・太平洋、アフリカ、中東、南アジアの各地域で受け入れた観光客数及び各地域における国際旅行収入の合計は、表1-3-15に示すとおりである。

表1-3-15 地域別外国人観光客受入数及び国際旅行収入の推移

 なお、東アジア・太平洋地域の国・地域別の外国人旅行者受入数については、表1-3-16に示すとおりであるが、当該地域における観光客の最大の送り出し国は日本であり、98年においては、グアムの85.6%、韓国の46.0%、台湾の35.6%が日本人で占められている。

表1-3-16 東アジア・太平洋地域の外国人旅行者受入数