第1節 大交流時代を控えて重要性の増す国際観光

 国際観光は、非常に幅広い階層で行われる国際交流であり、各国の相互理解を進める上で大きな意義を有するものである。
 世界における国際観光旅行者数は、平成12年は約6億7,000万人であり、2020年までに16億人に達すると予測されている(世界観光機関発表)。日本人海外旅行者数は日本経済の低迷を背景に、9年下半期以降減少傾向にあったが、11年は景気の下げ止まり感等を受け増加傾向に転じ、12年には過去最高を記録した。訪日外国人旅客数は、経済不振に陥った韓国からの訪日外客数の激減等により、10年は減少傾向にあったが、11年は回復傾向に転じ、12年には過去最高を記録したものの、依然として国際的には低水準となっている。
 世界的な大交流時代を控え、我が国では早急に訪日外国人誘致の促進が必要である。このため、今後とも、新ウェルカムプラン21に基づく諸施策を強力に推進するとともに、日本が安全で親切な国であり、観光魅力にあふれていることについての国際観光振興会、在外公館等を通じた海外での広報・宣伝活動等を進め、日本人旅行者の安全確保、さらには観光に係る国際協力等の施策を総合的に推進していくことが重要となっている。