(1)道路
高規格幹線道路と地域高規格道路
21世紀初頭までに高規格幹線道路ネットワークの形成を目標として重点的な整備を進めるとともに、高規格幹線道路等のサービスエリア・パーキングエリアとその周辺地区を一体的・計画的に整備し、新たな地域拠点の形成を図る「サービスエリア・パーキングエリアを活用した地域拠点整備事業」を推進する。
また、全国的な高規格幹線道路と一体となって、規格の高い幹線道路網を形成する地域高規格道路について、13年度は、7区間(57km)について新たに着工準備を行うとともに、12区間(51km)について新たに事業に着手するなど整備を推進し、17区間(59km)について供用を図る。加えて車載機にリアルタイムで渋滞情報等を提供する道路交通情報通信システム(VICS)については、13年度は、施設の整備を推進するとともに、情報内容の充実などサービスの向上を図る。
一般国道と地方道
ア | 一般国道及び地方道において、道路防災総点検に基づき、防災・震災対策を推進し、道路ネットワークの整備を進めるとともに、特に人命の安全や安心な生活を確保する生命線となる道路の整備を推進する。また、歩道等交通安全施設の設置等の事業等を推進する。 |
イ | 交通混雑の著しい区間におけるバイパス及び環状道路の整備や狭あいなバス路線の整備等を推進する。 |
ウ | 地形的な制約により相互の交流が遅れている地域間の交流を促進し、地域の活 性化を図る「交流ふれあいトンネル・橋梁整備事業」を推進する。 |
エ | 開発が不十分な地域等においては、奥地等産業開発道路整備計画にもとづき、奥地等産業開発道路の整備を推進するほか、半島循環道路、山村振興道路、過疎地域自立促進道路等の整備に特に配慮する。 |
オ | 地域連携総合支援事業を拡充し、観光振興施設整備とこれらの施設の共同利用に資する道路整備を一体的・総合的に推進する。 |
カ | 住民・道路利用者からの情報収集、インターネット等ITを活用した情報提供等道路管理の情報化を図り、地域と連携した防災管理体制の構築を進める。 新積雪寒冷特別地域道路交通確保五箇年計画に基づき、除雪、防雪等を推進する。特に中心市街地等において、積雪、凍結等の冬期特有のバリアを軽減する冬期バリアフリー対策を推進する。 |
キ | 主要な幹線道路等において、安全で快適な道路交通環境を形成するため地域振興施設と休憩施設を一体的に整備する「道の駅」の整備を推進する。 |
有料道路制度の活用による道路整備
高規格線道路を始めとする全国幹線道路網や都市高速道路網の整備を計画的に推進するほか、混雑解消のため緊急に改築を要する区間についてその整備を採算性を確保しつつ促進する。
都市交通対策
都市内道路の体系的な整備を図り、連続立体交差事業や交通結節点等の整備など公共交通機関の利便性向上、安全な歩行空間整備を推進するほか、TDM施策を推進し、交通の円滑化を進める。
さらに、駐車需要が集中する地区において、駐車場の位置、利用状況等の案内を行う駐車場案内システム、駐車場の位置等に関する情報と交通渋滞の状況等に関する情報とを運転者に一体的に提供し、空き駐車場へ誘導する駐車誘導システムの整備を推進する。
一般自動車道
民間事業者を中心とする一般自動車道は、観光レクリエーションに対するニーズが高度化・多様化している中で事業の活性化を図るため、必要な措置を講ずる。
(2)バスターミナル
バスターミナルは、バス輸送の効率化及び道路交通の円滑化に寄与するとともに観光の拠点にもなることから、整備の促進を図るため所要の措置を講ずる。
また、地域のまちづくりと整合の図られた、地域の顔ともなるバス交通広場について整備を行い、駅周辺におけるまちの活性化を図る「バスの駅」整備事業について推進する。
(3)バス・タクシー
観光レクリエーションに対するニーズが高度化、多様化している中で定期観光バスの導入やタクシーの観光ルート別運賃の設定、貸切バスの割引運賃の導入等利用者ニーズに対応した輸送サービスの充実を図る。
また、貸切バスについては、12年2月に需給調整規則の廃止等を内容とする道路運送法の改正が施行されたが、競争の促進による事業の活性化・効率化と利用者サービスの向上を図る。
(4)レンタカー
観光地における随意性の高い運輸サービスに対するニーズの高まりに応じ、鉄道駅、空港等を拠点としたレンタカーの重要性は今後ますます高まるため、予約システムの拡充、乗り捨てシステムの整備、事故・故障等トラブルに対するサポートシステムの整備等レンタカー利用の利便性の向上を図るために必要な施策を推進する。
新東京国際空港については、第1旅客ターミナルビル等の既存施設の能力増強に取り組むとともに、平成14年初夏の供用を目指して暫定平行滑走路の工事を着実に進める。
東京国際空港については、東旅客ターミナルの15年度末の供用開始をめざし整備を推進する。
関西国際空港については、19年(2007年)の平行滑走路供用開始を目指して引き続き2期事業を推進する。
中部国際空港については、17年(2005年)3月の開港を目指して引き続き事業を推進する。
大阪国際空港については、誘導路改良等を行う。
首都圏第3空港については、羽田空港の再拡張を含む複数候補地の抽出とその比較検討・総合評価を目指し、調査を強力に推進する。
一般空港については、滑走路の新設・延長事業として15空港の整備を行う。そのうち新規事業は美保飛行場及び与那国空港である。地方空港整備特別事業として、岡山空港、花巻空港及び青森空港の滑走路延長事業を行う。この他60空港においてターミナル地域、基本施設、航空保安施設の改修・改良等を行う。
(1)国内旅客船
(2)港湾と航路
クルージング需要の増大、旅客交通の高速化への要請等に対応するため、旅客ターミナルの整備を推進するとともに、プレジャーボートの増大への対応とし、海洋性レクリエーションの振興を図るため、マリーナ等の整備を推進する。また、船舶がふくそうする海域において船舶航行の安全を確保するため、航路の開発及び保全の事業を行う。
利用者が求めるドア・ツー・ドアのサービスを、環境に優しく適切なコストで提供するため、空港、港湾等の拠点及び高規格幹線道路並びにこれらを接続する道路等の重点的な整備と機能向上により、スピードアップと乗り継ぎの円滑化を図る。
また、下水道については、引き続き流域別下水道整備総合計画の策定を進めるとともに、第8次下水道整備七箇年計画に基づき、公共下水道、流域下水道、特定環境保全公共下水道等の整備を図り、観光の面からは特に、国立・国定公園等における湖沼・ダム貯水池周辺地域等の水質保全を図るとともに、併せて観光地における生活環境、周辺環境の向上に資する。
集落排水施設については、第4次土地改良事業長期計画、第9次漁港整備長期計画に基づき、農業集落排水施設、漁業集落排水施設等の整備の促進を図る。
さらに、廃棄物処理施設については、第8次廃棄物処理施設整備計画(8〜14年度)に基づき、廃棄物処理施設整備費補助事業として、し尿処理施設、ごみ処理施設、合併処理浄化槽等の施設整備の促進を図る。