第3節 安全な国土づくり・まちづくりに向けた取組み

(脆弱国土における社会資本整備)

 第1節で述べたように我が国の国土構造は極めて厳しいものであり、これに加え、限られた国土での高密度な活動、公共用地取得を困難とする社会意識等の社会条件が加わり、住宅・社会資本を整備する上で、大きな支障となっている。このため、同じ機能を発揮する住宅・社会資本を整備する場合でも、耐震対策、軟弱地盤対策が必要となるだけでなく、トンネル・橋梁等の構造物が多くなること等により、どうしても欧米諸国と比較して事業費が高くなるという特性を有している。こうした中で、安全な国土づくり・まちづくりに向けて、国及び地方公共団体は、治水事業などの国土保全事業や道路の防災対策、構造物の耐震化等のハード面での対応を積極的に講じ、災害の予防に大きな成果をあげてきたが、例えば治水施設の整備率は欧米諸国の河川と比較しても不十分であるほか、道路においては防災対策が必要な箇所が未だ数多く存在する等、引き続き、ハード面での対応が重要である。