(2)環境をめぐる諸情勢の変化

 平成5年の環境政策大綱策定以降の環境をめぐる情勢に目を向けると、地球温暖化等の地球環境問題の深刻化や地球温暖化防止京都会議(COP3)の開催等による国内外の取組みの進展、廃棄物問題の深刻化と循環型社会構築の必要性の一層の高まり、ダイオキシン類や内分泌攪乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)による新たな化学物質問題の顕在化、環境影響評価法の制定などに見られるように、環境問題の状況や取組みは大きく変化・進展してきている。
 このような環境問題は、日常的な通常の諸活動に起因するものも多く、また、その発生・影響メカニズムは複雑化しており、抜本的な解決を図るためには、社会を構成する全ての主体が、適切な役割分担の下で、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済活動や生活様式等を見直し、少子・高齢化、高度情報化等の内外の経済社会の構造変化を見据えつつ、社会そのものを環境負荷の少ない循環型の経済社会に変えていくことが求められている。特に、国民一人一人の環境保全への取組みは重要であり、その暮らしの中で、国民自らが環境負荷の少ない生活様式に切り替えていくことが必要である。
 一方では、こうした環境をめぐる状況を背景に、国民の環境問題への意識は一層高まっている。また、住宅・社会資本整備については、その事業の実施過程において必然的に自然環境に対し働きかけを伴うものであることから、国民の関心が向けられており、国民との情報の共有やコミュニケーションの推進等により、説明責任を果たしながら、国民の理解を深め、社会的合意の円滑な形成に努めていくことが必要となっている。