I 環境政策の展開 1 「環境」の内部目的化と21世紀に向けた環境への取組み (1)建設行政における「環境」の内部目的化  建設省では、平成5年に制定された環境基本法の基本理念を踏まえ、平成6年に『環境政策大綱』を策定し、その中で建設行政における「環境」の内部目的化を目標として掲げ、住宅・社会資本整備に当たって、健全で恵み豊かな環境を保全しながら、人と自然の触れ合いが保たれた、ゆとりとうるおいのある美しい環境を創造するとともに、地球環境問題の解決に貢献することが建設行政の本来的使命であるとの基本的な考え方に基づき、21世紀初頭を視野におき、環境施策を推進してきたところである。  その結果として、例えば、 ・平成9年の河川法の改正において、その目的に治水、利水に加え、「河川環境の整備と保全」が位置付けられたこと、 ・平成9年に建設リサイクルの推進に向けて、基本的考え方、目標、具体的施策を内容とする「建設リサイクル推進計画’97」が策定されたこと、 ・平成11年の環境影響評価法の全面施行に併せて、環境への影響を的確に予測・評価していく上で、所管事業に係る主務省令等の諸規定や環境影響評価の実施体制の整備が図られたこと、 等各種施策の展開が図られているところである。  また、自然との調和・共生を目指した道路整備や自然を活かした川づくり(多自然型川づくり)等の事業は、大綱策定時には、住宅・社会資本整備の環境に対する効果を目に見える形で示し、国民の理解を促進するための環境リーディング事業として位置付けられていたが、既に標準的な整備手法として定着していることなど、大綱の基本的な考え方が着実に住宅・社会資本整備の中で実現化されてきている。