2.国土交通省の誕生

(1)誕生までの経緯

1)「国土交通省の使命、目標、仕事の進め方」の策定
 国土交通省では省庁再編前から旧4省庁で協力し、統合へ向けて様々な取組みを行ってきた。国土交通省の任務を全うするためには、「何のために国土交通省が存在するか(=使命)」を明らかにし、省全体、全職員が使命を共有し、共通の認識の下に、総合的で整合性の取れた政策展開を図る必要がある。そこで旧4省庁共同で、今後の総合的、統一的な政策展開の基礎とすべき国土交通省の使命と、国民の視点に立ってより良い行政サービスを提供していくための基本的な方針の策定作業を進めた。
 策定に当たっては、12年7月から11月末にかけて「国土交通省のビジョン(案)」を公表し、「国土交通省の使命を果たすための5つの目標」、「5つの目標の達成に向けた政策課題」、「国土交通省の仕事の進め方」等について、各種PR、シンポジウム等を通じて意見、提案を募集した。その結果、年齢については10歳から94歳まで、地域については、北海道から沖縄まで、全国各地の11,114人の方から幅広くご意見をいただいた。なかでも統合のメリットを生かした行政を進めてほしい、統合のメリットを発揮するためには縦割りの排除が必要との意見が多く、統合に対する期待と関心の高さがうかがわれた。

図表I-1-1 「国土交通省のビジョン(案)」に関するPI(パブリック・インボルブメント)の結果
図表I-1-1 「国土交通省のビジョン(案)」に関するPI(パブリック・インボルブメント)の結果



2)国土交通大臣への知恵箱の設置
 "国土交通省にあなたの知恵を"と題し、新しい国土交通省に何を望むか、また、何をしたらいいかについて職員の知恵を募集した。お互いの業務についての疑問に始まり、知恵箱には多くのアイデアが寄せられた。新しい省としてどうすれば旧4省庁の壁を乗り越え融合できるのか、国土交通省になったら国民に対して何ができるのか等、真剣に考えた意見が多く、国土交通省誕生へ向けての意気込みがうかがわれた。

3)国土交通省の誕生
 こうした経緯を経て、13年1月6日、国土交通省が発足した。

国土交通省の看板をかける扇大臣
国土交通省の看板をかける扇大臣

 また、前述のPI(パブリック・インボルブメント)等の意見等を踏まえ、13年1月30日に「国土交通省の使命、目標、仕事の進め方」を公表した。

図表I-1-2 国土交通省の使命、目標、仕事の進め方
図表I-1-2 国土交通省の使命、目標、仕事の進め方

 さらに、国土交通省の発足に当たり、新たにシンボルマークとキャッチフレーズを制定した。
 シンボルマーク及びキャッチフレーズの趣旨を踏まえ、発足前の旧4省庁の垣根を越えるのはもちろんのこと、他省庁との垣根も越えた施策の融合化、ハード・ソフト一体となった施策の推進等に取り組んでいる。

シンボルマーク・キャッチフレーズ

 

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