第I部 人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開 

コラム・事例 運転免許証を自主返納した高齢者に対する公共交通機関の優遇定期券の発行

 静岡県内のバス事業者7社では、高齢者の交通事故防止等に寄与する観点から、従来より、65歳又は70歳以上の高齢者を対象として、運賃の割引等を行う高齢者優遇定期券を発行してきましたが、平成14年6月より、新たに、自動車運転免許証を自主返納した60歳以上の方についても、高齢者優遇定期券を購入することができるよう、本制度の拡充が行われました。
 これは、同年6月に改正道路交通法が施行され、加齢に伴う身体機能の低下等の理由により、自動車運転免許証を返納した者に、運転経歴証明書が交付されることとなったため、同県警察本部からの協力要請もあって、高齢者の事故防止の促進と免許証返納者の外出時の移動手段の確保及び公共交通機関の利用促進を図る観点から実施することとしたものです。また、一部の事業者では、これに併せて、高齢者優遇定期券の対象範囲を見直し、従来の70歳以上から65歳以上を対象とする拡充も行なわれています。
 このような取組みは、我が国ではじめて静岡県で行われたほか、秋田県でも実施されており、今後、高齢者が増加していく中で、高齢者の安全や足の確保の観点からも、このような交通事業者と関係行政機関との連携した取組みが普及していくことが期待されています。
 



 

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