第II部 国土交通行政の動向 

(2)効率的な普及促進

1)「都道府県構想」の策定及び見直し
 汚水処理施設には、下水道、農業集落排水施設、浄化槽等があり、人家のまばらな地区では個別処理である浄化槽が有効であり、密集度が高くなるにつれ、集合処理である下水道、農業集落排水施設等が有効となるなど、それぞれに特色を有している。各都道府県において、今後汚水処理施設整備を進めていくにあたっては、そうした整備手法の特色等を踏まえつつ、その選択に関し経済性や地域の特性を十分に反映していくことが肝要である。このため、全ての都道府県において、汚水処理に係る総合的な整備計画である都道府県構想の策定が行われているが、現在、汚水処理施設のより一層の効率的かつ効果的な整備を図るため、都道府県構想の見直しが適宜実施されている。

2)効率的な汚水処理施設整備のための事業の連携
 下水道事業の効率的・効果的な推進を図るためには、農業集落排水施設、浄化槽等との連携強化を図る必要がある。このため、次のように汚水処理施設整備に係る事業間の連携を推進している。

 
図表II-5-2-2 効率的・効果的な下水道事業の推進に向けた事業制度

汚水処理施設共同整備事業は、下水道や農業集落排水施設等の汚水処理施設に共通する処理工程について複数の汚水処理事業間で共同利用できる施設を整備する制度であり、平成15年度までに55箇所で実施している。また、汚水処理施設連携整備事業は、下水道事業、農業集落排水事業、浄化槽整備事業を実施する市町村に対し、関係者が連携して重点的な支援を実施する制度であり、平成15年度までに40箇所で実施している。
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3)日本下水道事業団の活用
 日本下水道事業団については、平成15年10月に地方共同法人に移行し、地方公共団体が主体となって運営する法人として、引き続き地方公共団体の下水道整備を支援していく。また、下水汚泥広域処理事業は廃止し、既設の処理施設については、地元地方公共団体へ移管することとされており、一部の施設は既に移管が終了し、残る施設についても地元地方公共団体との調整を進めている。

 

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