第I部 東アジアとの新たな関係と国土交通施策の展開 

第4章 東アジアとの新たな関係を踏まえた国土交通施策の展開

 我が国では、今後、本格的な人口減少時代が到来することが避け難い状況となっており、労働力や需要の減少など経済への影響が懸念され、これまでに他国が直面したことのない新たな状況における活力の維持・向上を図るための方策を構築していくことが喫緊の課題となっている。
 一方、社会経済活動における国境の障壁が急速に低くなる中、企業においては国内外での機能分担に基づく事業展開を進めつつあり、また、国内の各地域も国際的な地域間競争に巻き込まれる一方で国際的な地域間連携に向けた動きが出てきている。こうした企業活動や地域づくりにおける地球規模化の進展もまた、我が国が新たに直面する状況である。
 我が国と地理的に近接する東アジアでは目覚ましい経済成長を遂げている国も多く、その活力を我が国の経済活動や国内の地域づくりと連動させていくことが、人口減少下における重要な視点となってくる。このため、国土交通分野においても、東アジアと日本が共に発展していくことができるよう、本白書第II部において報告しているような様々な施策を通じ、東アジアにおける国内と変わらない水準での交通ネットワークの構築やサービスの提供、魅力と競争力のある地域の形成、東アジアとの発展に向けた国際的な連携・協力の推進などに取り組んでいくことが求められる。

 

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