第II部 国土交通行政の動向 

コラム・事例 バスの定時性確保のために〜バスカメラシステムの導入〜

 バスは、通勤・通学等の地域住民の日常生活を支える公共交通機関として重要な役割を果たしています。しかし、マイカーの普及等に伴ってバス離れが進んでおり、特に都市部においては、慢性的な交通渋滞による遅れが、バス離れに拍車をかけています。バスの良好な走行環境を確保するため、バス専用レーンやバス優先レーンが設置されていますが、バス以外の車両がこうしたレーンを走行したり、レーン上に違法駐車をしたりすることが多く、バスの円滑な走行が妨げられています。
 このような状況の中、バスの走行環境の改善を図る方策として、効果をあげているのがバスカメラシステムです。バスカメラシステムは、バスの前面にカメラを取り付け、バス専用レーンやバス優先レーンにおいて違法走行や違法駐車を行う車両のナンバーを撮影し、この映像を解析して、これらの違法行為を繰り返し行う車の所有者に対して警告文書を発するというものです。平成17年度に、東京都と福岡県のバス事業者がこのシステムを導入した結果、その抑止効果により、導入前のバスの平均速度13.5km/hが導入後には17.2km/hに改善した路線もあるなど効果をあげています。
 国土交通省では、バスカメラシステムを導入するバス事業者に対して、カメラの購入、設置等に要する費用の一部を補助することにより、その導入を促進しています。今後も関係機関と連携し、導入の拡大を図ることによってバスの定時性を確保し、より利用しやすいバス交通の実現を目指すこととしています。
 


バスカメラシステムの概要 バスカメラシステムは、バスの前面にカメラを取り付け、バス専用レーンやバス優先レーンにおいて、違法走行や違法駐車を行う車両のナンバーを撮影し、この映像を解析して、違法行為を繰り返し行う車の所有者に対して、関係機関・団体等による協議会から警告文書を発するものである。
 


バスカメラの車両への設置状況

 

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