第II部 国土交通行政の動向 

(4)災害発生時の迅速な初動体制の確立

1)省内における災害対応体制
 国土交通省では、自然災害への対処として、災害に結びつくおそれのある自然現象の予測(気象庁)、災害時の施設点検・応急復旧等の対応(施設管理関係部局)、海上における救助活動(海上保安庁)等を行うとともに、職員の非常参集、災害対策本部の設置等の初動対応体制を構築している。また、地方整備局間等の広域応援に係るマニュアルを定めるなど大規模災害への広域的応援体制を構築するとともに、地方公共団体等への応援・支援メニューに基づき、関係機関等への応援も積極的に実施している。

2)国土交通省業務継続計画(BCP)の作成
 首都直下地震等発災時において、防災業務及びその他重要業務を継続的に実施するため、業務継続のための方策(要員の確保、業務の実施方法、データの保管等)について検討するなど、国土交通省業務継続計画(BCP)の作成に向けた取組みを進めている。

3)災害情報の一元管理
 大規模災害発生時には、国土交通省防災センターを拠点とし、各種の災害情報を一元的に集約して迅速な災害対策を行うとともに、防災関係機関との連絡・調整、広報等総合的な防災体制の強化を図っている。

4)災害に備えた情報通信システム・機械等の配備
 災害時の情報連絡体制を確保するため、本省、各地方支分部局、関係機関等の間で、光ファイバや災害時に通信が途絶されにくい多重無線通信回線を活用している。また、迅速な災害情報収集、応急復旧等のため、災害対策用ヘリコプター、衛星通信車、排水ポンプ車、照明車等の災害対策用機械を配備している。平成18年度は、中国・四国地方に災害対策用ヘリコプターを配備し、全国的におおむね1時間で到達可能な初動体制を構築した。

5)実践的な危機管理訓練の実施
 災害対応を擬似体験するロールプレイング方式の実践的な危機管理訓練を積極的に実施し、災害対策要員の能力の向上に取り組んでいる。また、平成17年の「水防法」改正を踏まえ、地域住民、企業、NPO等の参加促進、避難場所・避難経路の確認を行うなど、より実践・参加型の水防演習を実施するとともに、18年6月には土砂災害に対する全国統一防災訓練を実施した。

6)海上での初動対策の準備
 海上保安庁では、災害発生に迅速に対応できるよう巡視船艇・航空機を配備し、24時間体制をとっている。また、災害発生時には対策本部等を設置し、巡視船艇・航空機による被害状況調査や救助活動等を迅速かつ的確に実施するなど、災害発生時の初動体制を確立している。

 

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