第II部 国土交通行政の動向 

(2)安全かつ円滑な航空交通のための航空保安システムの構築

 我が国経済の発展、地方の活性化、諸外国との交流拡大等に伴い、我が国の航空交通量は今後とも増大していくものと見込まれ、安全で円滑な航空交通を確保するという航空保安システムが担う役割・重要性はますます大きくなっていくものと予想される。このため、国際民間航空機関(ICAO)等の国際ルールにのっとり、最新のICT技術や航空機に搭載された新システム等を活用して、飛行ルートの短縮や複線・複々線化を図ったり、福岡にある航空交通管理センター(平成17年10月発足)の機能を充実・強化するなど、よりきめ細かな交通整理を行うことで全国の航空路の混雑緩和や空中待機の減少を進めている。
 また、人工衛星等を活用した新技術により、平成18年7月から、太平洋上を航行する航空機の管制間隔を従来の15分(約220km)から50海里(約90km)に短縮した。さらに、21年度に向けて、全国の航空路管制に必要な管制卓システムに多様な管制支援機能を導入して管制処理能力の向上を図る、次期管制システムの開発を行っている。
 
図表II-6-3-6 次期管制システム導入による管制処理能力の向上

平成21年度に向けて、全国の航空路管制に必要な管制卓システムに多様な管制支援機能を導入し、管制処理能力の向上を図る、次期管制システムの開発を行っている。現行の管制システムでは、運航票の配置、並び替え、指示事項の記録、到着順位の設定等は管制官の経験と技術により手作業で実施しているが、次期管制システムでは、運航票の配布・記入作業の自動化、到着順位アドバイスの提供等、多様な管制支援機能の提供により、航空管制官のワークロードを軽減し、管制処理能力の向上を図ることとしている。

 

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