第II部 国土交通行政の動向 

2 事故災害への対応体制の確立

1)大規模事故への対応体制の確立
 船舶、航空機、鉄道等における多数の死傷者を伴う事故や船舶からの油流出事故といった事故災害等が発生した場合には、災害の状況等を勘案し、国土交通省の災害対策本部(特に交通分野における大規模な事故災害の場合は政府の非常災害対策本部等)を設置し、情報の収集・集約、関係行政機関等との災害応急対策の総合調整等を行い、迅速かつ的確な災害対策を実施している。
 海上における事故災害への対応については、巡視船艇・航空機の出動態勢の確保、防災資機材の強化等を図るとともに、関係機関等との連携強化を行うなど、被害を最小限にとどめるための措置を講じており、特に、船舶所有者等に対する有害液体物質等の防除措置の義務付け等を内容とする改正「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」が平成19年4月から施行され、有害液体物質等に対して迅速かつ効果的に対処し得る体制の確立を図ることとしている。また、大規模油流出事故への対応として、国内に3隻の大型浚渫(しゅんせつ)兼油回収船を配備し、我が国の周辺海域の現場までおおむね48時間以内に到達できる体制を構築している。

2)首都圏大規模停電への対応
 平成18年8月、河川を航行中のクレーン船が送電線に接触することで引き起こされた首都圏大規模停電では、鉄道の広範囲にわたる運休、エレベーターでの閉じ込め等、都市機能が大きな影響を受けた。これを受けて国土交通省では、河川における航行ルールの具体化等の再発防止策、鉄道事業者等の公共交通機関に停電からの復旧手順の見直しを指示する等の予防措置及び緊急対応・復旧対策を盛り込んだ「大規模停電に対する国土交通省の対応策」を同年9月に取りまとめて公表した。

 

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