第II部 国土交通行政の動向 

(2)クリーンエネルギーを活用した地域づくり

 北海道では、豊富に存在する雪氷やバイオマス等のクリーンエネルギーを活用した地域づくりを進めている。平成18年度は、北海道の自然冷熱を利用して製造・保管した氷を首都圏臨海部に輸送し、ビルの冷房に使用する実証実験を行い、深刻化するヒートアイランド現象の抑制等に資する新たな物流システムの構築に向けた検討を行った。
 
図表II-8-5-1 雪氷輸送物流システムの実証実験

雪氷輸送物流システムとは、北海道で冬期間の冷気を活用し製氷、簡易な方法で保存し、その氷を、ふく荷を確保できないトレーラー等が乗船前に積み込み、苫小牧港から乗船、首都圏臨海部の需要地へ輸送し、地域のオフィスビルに冷熱を供給するものである。これらの取組みにより、北海道では、自然冷熱により製造・保管される氷を、北海道発の新たな貨物として位置づけ、大都市圏に供給することで、トレーラー等の片荷の解消ができる効果がある一方、大都市圏では、北海道の氷を、臨海部オフィスビルのクリーン冷房熱源として、利用できる効果がある。

 

テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む