はじめに 

はじめに

 我が国は、戦後初めて人口の減少を記録するなど、歴史的な転換点に立っている。今後、中長期的にも、人口は減少し、急速な高齢化も見込まれている。このような状況の下で、国民の間で、地域の将来に対する不安が広がりつつある。

 地域の活力なくして国の活力なし。地域の活力を将来にわたって維持・向上させていかなければ、我が国の持続的な成長はおぼつかない。地域づくりは各地域が主体的に取り組んでいくものであるが、そうした前提の下、地域の将来はどのようになっていくのか、いたずらに不安をあおることなく、地域の置かれた状況を客観的に分析し、課題を見極め、それに対する対応の方向性を示すことは、国土政策、社会資本整備、交通政策等の地域に密着する行政分野を担う国土交通省の責務である。

 そこで、本書の第I部では、「地域の活力向上に資する国土交通行政の展開」をテーマとして取り上げ、地域の置かれている状況について基本的な分析を行うとともに、社会・経済構造の大きな変化の中で地域の活力を維持・向上させていくための課題について整理し、地域活性化に向けた国土交通施策の展開について提示している。

 また、第II部では、国土交通行政の各分野における動向を、政策課題ごとに報告する。


 

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