第3節 動き方の変化

(3)自転車利用の動向

(自転車利用の増加)
 通勤・通学に普段自転車を利用する者の割合を見ると、1999年には20代で15.5%、30代で10.7%だったが、2009年には20代で15.9%、30代で12.9%と、それぞれの年齢層で自転車利用者の割合が上昇している(図表174)。全年齢の平均では1999年から2009年にかけて自転車利用者の割合が減少していることから、若者の自転車利用が特に進んでいると言える。
 
図表174 通勤・通学に自転車を利用する者の割合
図表174 通勤・通学に自転車を利用する者の割合
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 このような動きを背景として、都心部においては、通勤などの自転車利用者に向けたサービスとして、自転車保管用ラック、ロッカー、シャワールームなどを完備したサイクルステーションの設置が進んでいる。
 また、地域においても、地域内の新しい交通手段として、「コミュニティサイクル」を設置する動きも見られる。コミュニティサイクルは、鉄道駅に隣接されたサイクルポートを拠点とし目的地までの往復移動を基本とするレンタサイクルと異なり、地域内に複数のポートを設置することにより面的な移動を可能とすることから、生活交通の利便性を向上するなど、まちづくりの課題を解決するものとして期待されている。
 また、観光産業においても、新たな自転車利用の需要を掘り起こし、産業の活性化につなげようとする動きが見られる。具体的には、自転車を取り入れた新たな形のツアーとして、「サイクリングバスツアー」等と称し、参加者が自分の自転車を持ち込み、バスや電車に積み込んで目的地まで行き、目的地でサイクリングを楽しむツアーが催されている。


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