第3節 動き方の変化

(4)都道府県を越える移動の動向

 都道府県を越える移動については、所要時間や料金等が異なる様々な交通手段がある中で、若者はどのような交通手段を選択しているのだろうか。都道府県を越える休日の移動(乗用車による移動及び仕事目的の移動を除く)について、年齢別の代表利用公共交通機関を見ると、20代は他の世代に比べて航空を利用する割合が低い一方、幹線バスを利用する割合が高くなっている。2005年時点の20代と2010年時点の20代を比較すると、航空を利用する者の割合が他の年齢層よりも大きなポイントで減少しており、その分、幹線バスを利用する者の割合が高まっている(図表175、176)。
 
図表175 代表交通機関分担率(2005年・休日)(乗用車等及び仕事目的を除く)
図表175 代表交通機関分担率(2005年・休日)(乗用車等及び仕事目的を除く)
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図表176 代表交通機関分担率(2010年・休日)(乗用車等及び仕事目的を除く)
図表176 代表交通機関分担率(2010年・休日)(乗用車等及び仕事目的を除く)
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 具体的に、鉄道とバスの競合するエリアを取り上げ、年齢別の交通分担率を見てみると、若者では費用の安さ等により、幹線バスを選択する者が多い。例えば、宮城〜秋田間の移動については、19歳以下では82%が、20代、30代でもそれぞれ68%、57%が幹線バスを利用するなど、若い年齢階級の者ほど幹線バスを利用する者の割合が高くなっている(図表177)。
 
図表177 宮城〜秋田間の移動における交通分担率、交通機関別サービス水準
図表177 宮城〜秋田間の移動における交通分担率、交通機関別サービス水準
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 また、我が国では、2011年度にピーチアビエーション(株)が、2012年7月にジェットスター・ジャパン(株)が、同年8月にはエアアジア・ジャパン(株)がそれぞれ就航を開始するなど、LCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)の参入が相次いでおり、今後、新たな航空需要の創出も期待されることから、若者の交通分担率にも変化が現れると予想される。


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