第6章 競争力のある経済社会の構築 第1節 交通ネットワークの整備 ◯1 幹線道路の整備  幹線道路の整備は、昭和29年に策定された第1次道路整備五箇年計画以来、現在に至るまで着実に進められてきた。例えば、高速道路等の幹線道路ネットワークの整備は、高速道路のインターチェンジ周辺での工場の立地を促すなど、地域経済の活性化に大きく寄与するとともに、地方部における広域的な医療サービスの享受、災害等で幹線道路が途絶した場合の広域的な迂回ルートの確保等が可能となるなど、国民生活の質や安全の向上にも大きく貢献してきた。  一方で、都市間移動の速達性を表す都市間連絡速度を見ると、高速道路が未整備の地域では遅い傾向にあり、諸外国と比較すると、我が国の都市間の速達性は全体的に低い水準にある。中国は、我が国より26年遅れの63年(1988年)に初めて高速道路が開通したが、既に84,946kmが開通し、我が国の62倍のペースで整備が進められている。また、欧米において高速道路は平均4車線以上であるのに対し、日本は片側1車線が3割以上を占めている。 図表II-6-1-1 都市間連絡速度 図表II-6-1-2 諸外国の高速道路整備延長の変化  高速道路は一般道路と比べて、死傷事故の起こりやすさは約10分の1、二酸化炭素の排出量は約3分の2、車線当たりの走行台数は約7倍と、「安全でクリーン」であるとともに、災害時には「命の道」として機能する。高速道路ネットワークをしっかりつなぐとともに、賢く使う取組みを推進する。