第1節 ヒト・モノ・カネ・情報の流れ

コラム 北陸新幹線開業への期待

 北陸新幹線(長野・金沢間)については、1998年3月12日に長野・上越間の工事実施計画認可を皮切りに整備が始まりました。その後、2001年4月25日に上越・富山間の、2005年4月27日に富山・金沢間の工事実施計画の認可を行い、金沢までの開業に向けて工事が進められてきました。
 
図表2-1-82 北陸新幹線の新車両W7/E7
図表2-1-82 北陸新幹線の新車両W7/E7

 その結果、2014年5月24日には富山駅構内でレール締結式が行われ、長野・金沢間のレールが一本につながりました。そして、2015年3月14日、ついに北陸新幹線は金沢まで開業しました。開業当日は、東京駅のほか、長野駅から金沢駅までの全駅で出発式が開催されるとともに、沿線の各県などが主催する開業記念式典が開催されました。国土交通省からは太田国土交通大臣が金沢駅での出発式と富山市内で開催された開業記念式典に出席したほか、北川国土交通副大臣及び鈴木国土交通大臣政務官等国土交通省幹部がそれぞれすべての式典に出席しました。いずれの式典にも多くの関係者等が出席し、北陸新幹線の開業が盛大に祝福されました。
 北陸新幹線(長野・金沢間)の開業により、東京・金沢間の所要時間は従来の3時間47分から最速で2時間28分に短縮されるなど、北陸地域と首都圏が大幅に近づくこととなりました。
 今後は企業活動や企業立地の活発化、沿線地域の生活圏の拡大等地域の振興や経済活性化につながることが期待されるとともに、新たな観光資源の掘り起こしや観光ルートの形成により多くの観光客が北陸を訪れるなど、地域の活性化が期待されます。
 なお、3月14日から16日までの開業後3日間の利用実績は、高崎・軽井沢間で前年比185%、上越妙高・糸魚川間で前年比306%となるなど、北陸新幹線は順調なスタートを切ったところです。また、これと合わせて、開業後の2日間に金沢市の金沢城公園の入場者数は例年3月の4倍となるなど、実際に多くの観光客が北陸を訪れています。
 また、金沢市においては空き店舗数が5年で半減し、2015年公示地価では商業地として全国1位の上昇率を記録する地点も現れるなど、新幹線整備への期待等から都市開発が進展しています。さらに、そのほか、石川県や富山県等へ企業が本社機能等の一部を移転する例も見受けられます。


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