第2節 人口減少が地方のまち・生活に与える影響 ■1 人口減少に対する国民の意識  前節で見たように、我が国では急速に人口が減少していくことが見込まれている。こうしたなかで、国民の間でもまた人口減少への危機感は高まりを見せており、内閣府が2014年8月に行った世論調査によれば、9割以上の国民が「人口減少は望ましくない」と回答している(図表1-2-1)。 図表1-2-1 人口減少に対する意識  その一方で、特に都市圏においては、住んでいるまちや日々の生活において、人口減少による影響を実感することは、上記で「望ましくない」と回答した割合の多さに比べれば、少ないのではないだろうか。国土交通省において実施したアンケート調査(以下「国民意識調査」という。) 注16 で見ると、日常的に行動している範囲で、人口減少を実感することが「ある」又は「どちらかといえばある」と回答した割合は、都市圏では32.1%にとどまるのに対し、地方 注17 では49.5%と約半数にのぼっており、都市圏と地方では人口減少の実感に差があることがわかる(図表1-2-2)。ただし、図表1-2-1で見た人口減少の危機感と比べた場合には、都市圏、地方のいずれにおいても実感とのギャップが見受けられる。 図表1-2-2 人口減少の実感 注16 2015年2月に全国の個人を対象としてインターネットを通じて実施(回答数3,000)。 注17 「国民意識調査」では、三大都市圏を都市、三大都市圏以外を地方と定義した。