第3節 復興まちづくりの推進・居住の安定の確保

第3節 復興まちづくりの推進・居住の安定の確保

 被災者が住まいの確保について見通しを持てるよう、地方公共団体からの報告に基づき、民間住宅等用宅地の供給及び災害公営住宅の整備の見通しを取りまとめた「住まいの復興工程表」を踏まえ、復興まちづくりの推進・居住の安定の確保に取り組んでいる。被災地における復興事業が本格化する中、被災市町村における人員やノウハウの不足を補い、円滑に事業を進める必要がある。
 このため、被災地方公共団体等への人的支援や、被災地方公共団体の発注業務の負担を軽減する発注方式の導入、(独)都市再生機構の活用等により、事業の推進を支援しているほか、事業の効率的な実施のための手続に関する通知等による技術的支援や、支援施策を取りまとめたウェブサイト「復興まちづくり情報INDEX」の公開等による情報提供を行っている。

(1)復興まちづくりの推進
 復興まちづくりにおいては、住民の居住に適切でないと認められる区域内にある住居の集団的移転を支援する防災集団移転促進事業や、津波被災市街地における現地再建や、高台等への移転先の宅地整備等を行うにあたって、宅地と道路等の公共施設を一体的に整備するなど総合的なまちづくりを支援する被災市街地復興区画整理事業等を実施している。
 平成29年3月末時点で、防災集団移転促進事業については、「住まいの復興工程表」に基づき実施が予定されている331のすべての地区において事業着手の法定手続である大臣同意に至っており、ほぼ全ての地区において造成工事に着手し、307地区で造成工事が完了している。また、土地区画整理事業については、「住まいの復興工程表」に基づく50地区すべてにおいて、事業認可、工事着手に至っており、13地区で造成工事が完了している。

(2)居住の安定の確保
 居住の安定を迅速に確保するため、自力での住宅再建・取得が可能な被災者に対しては、(独)住宅金融支援機構による災害復興住宅融資について融資金利の引下げ等を行っているほか、宅地に被害が生じた場合についても支援するため、災害復興宅地融資を実施している。また、既往の貸付けについても、最長5年間の払込み猶予・返済期間の延長や、猶予期間中の金利引下げ措置を実施している。
 また、自力での住宅再建・取得が困難な被災者に対しては、地方公共団体が公営住宅(災害公営住宅)の供給を進めており、その整備等に要する費用や入居者を対象とした家賃減額に要する費用に対する助成の拡充を行っているほか、入居者資格要件や譲渡に係る特例措置を講じている。
 さらに、福島第一原子力発電所事故に係る対応として、避難指示区域に居住していた方々(避難者や帰還者)について、災害公営住宅の入居等に関し、災害による被災者と同様の措置をとることにより、居住の安定の確保を図ることとしている。
 
図表II-1-3-1 災害公営住宅の整備状況(H29.3.31)
図表II-1-3-1 災害公営住宅の整備状況(H29.3.31)


注 Bus Rapid Transitの略で、バス専用道路を走行することにより通常の路線バスより速達性・定時性を向上させた交通システム


テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む