第7節 東日本大震災を教訓とした津波防災地域づくり

第7節 東日本大震災を教訓とした津波防災地域づくり

 東日本大震災の教訓を踏まえ、「津波防災地域づくりに関する法律」が平成23年12月に成立・施行された。同法は、最大クラスの津波が発生した場合でも「人の命が第一」という考え方で、ハード・ソフトの施策を組み合わせた「多重防御」の発想による津波災害に強い地域づくりを推進するものである。
 国土交通省では、津波災害に強い地域づくりのため、地方公共団体に対する支援として、同法の施行に関する技術的助言を通知するとともに、津波浸水想定の設定に関する手引きの公表、津波浸水想定に係る相談窓口の開設、科学的知見の蓄積が十分でない日本海における最大クラスの津波断層モデルについて「日本海における大規模地震に関する調査検討会」報告書の公表等の技術的支援を行っている。
 これまでに30道府県において、最大クラスの津波を想定した津波浸水想定が公表されている(29年3月末時点)。また、26年3月以降、徳島県、山口県、静岡県(東伊豆町、河津町)、和歌山県(19市町)、京都府及び長崎県において津波災害警戒区域が指定され、8市町において津波防災地域づくりを総合的に推進するための計画(推進計画)が作成されている。
 被災地においては、24地区で、「一団地の津波防災拠点市街地形成施設」が都市計画決定される(29年3月末時点)など、「津波防災地域づくりに関する法律」を活用した復興の取組みも進められているところである。
 今後とも、地域ごとの特性を踏まえ、既存の公共施設や民間施設も活用しながら、海岸堤防等のハード整備や避難訓練等のソフト施策を組み合わせることにより、国民の命を守るための津波防災地域づくりを積極的に推進していく。


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