第2節 快適な生活環境の実現

第2節 快適な生活環境の実現

■1 都市公園等の整備及び良好な都市環境の形成

 都市公園等については、人々のレクリエーションの空間となるほか、良好な都市環境の形成、都市の防災性の向上、地域の観光拠点・賑わい拠点など多様な機能を有する都市の根幹的な施設であり、全国の国営公園の計画的な整備のほか、地方公共団体による都市公園等の整備を社会資本整備総合交付金等により支援している。
 また、平成28年4月の社会資本整備審議会の「新たな時代の都市マネジメント小委員会」において、今後の都市公園等のあり方として、ストック効果の向上、官民連携の加速、都市公園等の一層柔軟な活用等の方針が示された。
 27年度末現在の都市公園等整備状況は、106,849箇所、約124,125haとなっており、一人当たり都市公園等面積は約10.3m2となっている。また、国営公園については、28年度の年間利用者数が約3,898万人となっており、17箇所で整備及び維持管理を行っている。
 
図表II-5-2-1 観光振興の拠点となっている国営ひたち海浜公園のみはらしの丘(茨城県ひたちなか市)
図表II-5-2-1 観光振興の拠点となっている国営ひたち海浜公園のみはらしの丘(茨城県ひたちなか市)

 都市における緑地等については、地球温暖化や生物多様性の保全等の地球環境問題への適切な対応、良好な自然的環境の保全・創出による緑豊かな都市環境の実現を目指し、市町村が策定する緑の基本計画等に基づく取組みに対して、財政面・技術面から総合的に支援を行っている。
 また、緑地と農地が調和した良好な都市環境の形成や都市農業の有する多様な機能の発揮に資する取組みについて調査を実施するなど、都市と緑・農が共生するまちづくりの実現に向けた取組みを進めている。併せて、緑に関する普及啓発として、全国「みどりの愛護」のつどいや全国都市緑化フェア等の行事等を開催するとともに、緑化を進める方々への各種表彰や、企業自らの緑化・緑地保全に対する取組みの評価・認証等、様々な施策を展開している。
 緑豊かな都市環境の形成をより一層図るためには、公園、緑地、農地等のオープンスペースの多面的な機能の発揮が必要であり、一人当たり公園面積が少ない地域の存在や、公園施設の老朽化の進行、都市の貴重な緑地である都市農地の減少など様々な課題への対応が必要とされている。また、28年5月には、都市農業振興基本計画を閣議決定し、都市政策上、都市農地の位置付けを都市に「あるべきもの」へと転換し、必要な施策の方向性が示したところである。
 これらを背景に、都市における緑地の保全及び緑化の推進並びに都市公園の適切な管理を一層推進するとともに、都市内の農地の計画的な保全を図ることにより、良好な都市環境の形成に資することを目的として、NPO法人等の民間主体が空き地等を活用し、公園と同等の緑地空間を整備して、住民に公開する市民緑地設置管理計画の認定制度や、公園施設の設置又は管理を行うことができる者を公募により決定する制度、農業と調和した良好な住環境を保護するための田園住居地域制度の創設、生産緑地地区の面積要件の緩和等を内容とする「都市緑地法等の一部を改正する法律案」を29年2月に閣議決定し、国会に提出した。


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