第2節 自然災害対策

コラム 官民連携による浸水対策が始動!

 頻発する局地的な大雨等に対して、都市再開発等のまちづくりに併せて、迅速で効率的な浸水対策を推進するために、公共下水道管理者と民間の事業者との連携による浸水対策を可能とする「浸水被害対策区域」制度を、平成27年7月に施行された改正下水道法により創設しました。

《浸水被害対策区域制度の概要》
○浸水被害対策区域の指定
 都市機能が集積し、公共下水道の整備のみでは浸水被害の防止を図ることが困難な地域において、官民連携した浸水対策を推進していく必要がある区域を、公共下水道管理者が「浸水被害対策区域」として指定することができます。

○条例による義務づけ
 指定した区域において浸水被害の防止を図るため、下水道法第10条の排水設備の基準に代えて、条例で、雨水の一時的な貯留又は地下への浸透に関する技術上の基準を定め、民間に対し雨水貯留施設の設置等を義務づけることができます。

○雨水貯留施設の管理協定
 浸水被害対策区域内にある貯留容量100m3以上の規模の雨水貯留施設を、公共下水道管理者が管理協定に基づき管理することができます。なお、管理協定は、施設所有者が代わっても次の所有者等に対しても効力を有する(承継効)ため、公共下水道管理者が雨水貯留施設を継続的に管理することができます。
 
浸水被害対策区域制度の概要

《浸水被害対策区域における民間等への支援策》
○特定地域都市浸水被害対策事業(下水道防災事業費補助)
 浸水被害対策区域において、下水道管理者による下水道施設や民間事業者等による雨水貯留施設等の整備に要する費用に対して国が直接補助を行い、官民連携した浸水対策を支援します。

○雨水貯留利用施設に係る割増償却制度(所得税・法人税)
 浸水被害対策区域において、民間事業者等が300m3以上の雨水貯留利用施設を設置した場合、5年間普通償却限度額の10%割増償却ができる税制措置です(適用期限:平成31年3月31日)。ただし、雨水利用施設については、雨水を貯留する構築物と併せて設置される滅菌装置及びろ過設備を除きます。

《全国初の浸水被害対策区域の指定》
 横浜市では、首都圏有数の拠点で横浜の玄関口である横浜駅周辺地区(エキサイトよこはま22センターゾーン)の浸水に対する安全度を高めるために、平成29年1月25日に全国で初めてとなる「浸水被害対策区域」を指定しました。今後、官民連携による浸水対策を推進するため、関係事業者との協議を進めていく予定としています。
 
横浜駅周辺地区

 
浸水被害対策区域


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