第2節 自然災害対策

コラム 西之島の地図・海図作成のための現地測量

 平成25年11月に噴火を開始した西之島は、噴出した溶岩等により新たな陸地を形成し、噴火前の旧西之島をほぼ覆い尽くした上で更に拡大しました。噴火後、海上保安庁では航空機による毎月の観測を継続し、噴火開始から2年後の平成27年11月の噴火を最後に静穏な状態が続いていることを確認しました。平成28年8月には噴火警報が火口周辺のみへ縮小されたことから、平成28年10月から11月に新たな地図や海図を作成するための測量を海上保安庁と国土地理院が共同で実施しました。
 海上保安庁の測量船「昭洋」のゴムボートで西之島に上陸し、位置や高さの基準となる三角点や水路測量標を設置し、その後人工衛星による測量や潮汐観測、高さを決める水準測量を実施することで、地図や海図の作成に必要な位置情報(緯度、経度、高さ)を求めました。
 
測量船「昭洋」
測量船「昭洋」

 
ゴムボートによる上陸作業
ゴムボートによる上陸作業

 
機材運搬の様子
機材運搬の様子

 
高さを決める水準測量(背後は火砕丘)
高さを決める水準測量(背後は火砕丘)

 このほか、国土地理院では、現地測量後に測量用航空機「くにかぜIII」で空中写真撮影を行い、現地測量の成果を基に新しい地図を刊行・提供する予定です。
 また、海上保安庁では、測量船「昭洋」の搭載艇や航空機「みずなぎ」により、陸部と浅い海域の測量を行い、水深や海岸線等のデータを取得しました。これらのデータを基に新しい西之島の海図を刊行する予定です。
 測量船「昭洋」には報道機関も同乗しました。帰港後には、西之島での測量の詳細な様子やその意義が、島の動植物や自然とともに各種報道で取り上げられ、国民の関心の高さがうかがわれました。


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