第5節 危機管理・安全保障対策

■4 安全保障と国民の生命・財産の保護

(1)北朝鮮問題への対応
 我が国は、平成18年10月の北朝鮮による核実験を実施した旨の発表を始めとする我が国を取り巻く国際情勢に鑑み、「特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法」に基づき、北朝鮮に関連する特定船舶の入港禁止措置を実施している。28年1月、北朝鮮は核実験を実施し、また、2月には「人工衛星」と称する弾道ミサイルを発射した。これらを踏まえ、政府は、同月19日閣議において、入港禁止の対象としていた北朝鮮籍船舶に加え、同日以後に北朝鮮の港に寄港したことが我が国の法令に基づく手続等により確認された第三国籍船舶を追加することを決定し、また、4月1日の閣議においては、国際連合安全保障理事会の決定等に基づき制裁措置の対象とされた船舶を追加することを決定した。さらに、9月、北朝鮮が核実験を実施したこと等を踏まえ、12月9日の閣議において、同日以後に北朝鮮の港に寄港したことが我が国の法令に基づく手続き等により確認された日本籍船舶を追加することを決定した。海上保安庁では、本措置の確実な実施を図るため、北朝鮮船籍船舶の入港に関する情報の確認等を実施している。また、国連安保理決議第1874号等による対北朝鮮輸出入禁止措置の実効性を確保するための「国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法」に基づき、関係行政機関と密接な連携を図りつつ、同法による措置の実効性の確保に努めている。
 国土交通省では、累次の北朝鮮関係事案の発生を踏まえ、関係省庁との密接な連携の下、即応体制を強化し、北朝鮮に対する監視・警戒体制を継続しているところであり、核実験や弾道ミサイル発射事案においても、関係する情報の収集や必要な情報の提供を行うなど、国民の安全・安心の確保に努めている。

(2)国民保護計画による武力攻撃事態等への対応
 武力攻撃事態等における避難、救援、被害最小化の措置等について定めた「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」及び「国民の保護に関する基本指針」を受け、国土交通省、国土地理院、気象庁及び海上保安庁において「国民の保護に関する計画」を定めている。国土交通省では、地方公共団体等の要請に応じ、避難住民の運送等について運送事業者である指定公共機関との連絡調整等の支援等を実施することなど、海上保安庁では、警報及び避難措置の実施の伝達、避難住民の誘導等必要な措置を実施することなどを定めている。


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