第2節 国際交渉・連携等の推進

第2節 国際交渉・連携等の推進

■1 経済連携における取組み

(1)環太平洋パートナーシップ(TPP)協定
 TPP協定は、世界のGDPの4割を占め、アジア・太平洋地域の貿易・経済活動のルールの礎となる経済連携協定であり、我が国にとっても、アジア・太平洋地域の成長を取り込むための成長戦略の柱である。我が国は平成25年7月に交渉参加し、27年10月には、TPP協定が大筋合意された。国土交通分野の主な合意内容として、自動車の環境・安全基準については、国内基準を引き下げることなく、国際調和を進めることに合意した。また、政府調達については、マレーシアやベトナム等で新たに一般競争入札が義務付けられるなどにより、我が国のインフラシステム海外展開の促進に繋がることが期待される。同年11月には、TPPを我が国の経済再生や地方創生に直結させるための「総合的なTPP関連政策大綱」を政府として取りまとめた。28年2月には署名され、同年12月には、国会において承認され、関連法案が成立した。29年1月には国内手続き完了を寄託国(ニュージーランド)に通報した。

(2)日EU・EPA等の経済連携協定/自由貿易協定(EPA/FTA)
 我が国は、アジア・太平洋地域、東アジア地域、欧州等との経済連携を戦略的に推進しており、平成29年3月現在、15の国・地域(TPPを除く)とのEPAについて、発効済み・署名済みである他、日EU・EPAや東アジア地域包括的経済連携(RCEP)等の締結に向けた交渉に取り組んでいる。EPA/FTAを活用し、我が国の運輸、建設業等の国際競争力の強化及び海外展開の推進の観点から、相手への外資規制の撤廃・緩和等を通じたサービス分野の自由化、相手国の政府調達に関する参加機会の拡大に取り組んでいる。
 日EU・EPAについては、25年3月に交渉開始を決定し、29年3月現在までに17回の交渉会合が実施されている。28年12月に、岸田外務大臣とマルムストローム欧州委員の間で可能な限り早期の大枠合意を目指すことで一致したことを受け、国土交通省を含む日本政府全体で早期締結に向けた取り組みを加速している。
 RCEPについては、ASEAN諸国、中国、韓国、オーストラリア等16か国が交渉に参加している。25年5月より交渉を開始し、29年3月現在までに17回の交渉会合が実施されている。

(3)世界貿易機関(WTO)
 日本を含む有志国・地域により、サービス分野の一層の貿易自由化を目的とした新サービス貿易協定(TiSA)の策定に向けた議論が行われており、平成25年6月から交渉を開始している。


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