第3節 社会資本整備の推進  社会資本整備重点計画は、「社会資本整備重点計画法」に基づき、社会資本整備事業を重点的、効果的かつ効率的に推進するために策定する計画である。  平成27年9月に第4次社会資本整備重点計画(27〜32年度)が閣議決定された。同計画では、厳しい財政制約の下、1)切迫する巨大地震や激甚化する気象災害、2)加速するインフラ老朽化、3)人口減少に伴う地方の疲弊、4)激化する国際競争という4つの構造的課題に対応するため、社会資本のストック効果の最大化を図ることを基本理念とし、「既存施設の有効活用(賢く使う)」や「集約・再編」を進めながら、ストック効果の高い事業に「選択と集中」を徹底することとしている。また、今回初めて、社会資本整備を支える現場の担い手・技能人材の安定的な確保・育成を位置付け、計画的な社会資本整備の実施及び担い手の確保育成の観点から、安定的・持続的な公共投資の見通しの確保が重要であるとしている。さらに、中長期的な見通しを持った社会資本整備を進めていくため、4つの重点目標(「社会資本の戦略的な維持管理・更新を行う」、「災害特性や地域の脆弱性に応じて災害等のリスクを低減する」、「人口減少・高齢化等に対応した持続可能な地域社会を形成する」、「民間投資を誘発し、経済成長を支える基盤を強化する」)と13の政策パッケージを設定するとともに、代表的な指標についてはKPI(Key Performance Indicator)として位置づけた。  計画の達成状況等を把握し、改善検討を行うため、社会資本整備審議会・交通政策審議会交通体系分科会計画部会において今後適切にフォローアップを実施することとしており、その一環として、計画部会の下に設置された専門小委員会において、「賢く投資・賢く使う」ための工夫の視点や類型、ストック効果の「見える化・見せる化」の方法、こうした取組みを体系的に進めるための仕組み等について調査審議が行われ、「ストック効果の最大化に向けて〜その具体的戦略の提言〜」(平成28年11月)が取りまとめられた。今後、提言に示された考え方を踏まえながら、施策の具体化に取り組み、重点計画を着実に推進する。  また、第4次社会資本整備重点計画に基づき、各地方の特性に応じて重点的、効率的、効果的に社会資本を整備するための計画として「地方ブロックにおける社会資本整備重点計画」を28年3月に策定した。加えて、当該計画に記載された将来のインフラ整備の時間軸を地図化(可視化)する「インフラみらいMAPプロジェクト(仮称)」の立ち上げに向けた基礎研究を平成28年8月に官民共同で開始した。 図表II-2-3-1 第4次社会資本整備重点計画