コラム トップセールスの精力的な推進  平成28年度中、国土交通大臣・副大臣・大臣政務官は、相手国の政府要人に対して我が国インフラシステムのトップセールスを行いました。ここでは、今年度のトップセールスの中から事例を6つ紹介いたします。 (1)石井国土交通大臣のマレーシア・シンガポール出張  28年7月、石井国土交通大臣は、マレーシア及びシンガポールの政府要人と二国間会談を行い、港湾、都市開発、建設業の生産性向上等、国土交通分野における協力について対話を行うとともに、マレーシア・シンガポール高速鉄道に関して、新幹線の優位性に加え、日本政府として資金面や人材育成面での最大限の支援を行う用意があることを伝えました。 リオ・マレーシア運輸大臣との会談  また、シンガポールでは高速鉄道シンポジウムに出席し、日本の新幹線システムの優位性である、安全性、持続性、信頼性、工期を遵守するというプロジェクトマネジメントに優れている点、人材育成について紹介しました。さらに、「横浜港LNGバンカリングミニセミナーinシンガポール」を開催し、LNGバンカリングに関する日本政府及び我が国民間事業者の取り組みについて紹介しました。 (2)石井国土交通大臣のタイ・ベトナム出張  28年8月、石井国土交通大臣は、タイ及びベトナムの政府要人と二国間会談を行い、鉄道・航空・都市開発分野等におけるトップセールスをベトナムでは水防災と水資源の技術協力に関する新たな覚書の締結を行いました。 アーコム・タイ運輸大臣との会談・協力覚書への署名  タイのアーコム運輸大臣とは、バンコク〜チェンマイ間の高速鉄道について、今後我が国の新幹線システムにより整備することを前提に、二国間の協力を具体化していくこと等を内容とする新たな鉄道協力覚書に署名し、実現に向けた大きな前進をみました。さらに交通安全分野の協力に関する覚書も締結し日タイ関係の強化をはかりました。 (3)末松国土交通副大臣のTICAD VI(ケニア)出張  28年8月、末松国土交通副大臣は、第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)に出席するとともに、同機会にあわせてケニア政府と共催した「日・アフリカ官民インフラ会議」において、アフリカにおける「質の高いインフラ投資」の推進に向けて、アフリカ各国のインフラを担当する閣僚との間で「『質の高いインフラ投資』推進のためのリーダーズ・ステイトメント」に合意・署名しました。 リーダーズ・ステイトメント署名式  また、末松国土交通副大臣は、同会議の機会に、ケニア、エチオピア、モザンビーク、タンザニアの閣僚と、モンバサ港やナカラ回廊開発等、各国で進展するインフラ・プロジェクトやそれらのプロジェクトにおける我が国技術の活用の可能性等について意見交換を行いました。 (4)大野国土交通大臣政務官のペルー・コロンビア出張  28年9月、大野国土交通大臣政務官は、ペルー・コロンビア両国政府要人と会談したほか、現地の交通インフラを視察しました。 大野政務官のコロンビア メデジン市視察  先方からは、日本の経験や技術に対する大きな関心が寄せられ、国家の基盤となるインフラ整備全般で協力を深めていくことで一致しました。また、都市交通整備や、コロンビアの港湾マスタープラン策定について、具体的な協力の進め方を議論しました。 (5)石井国土交通大臣のミャンマー・インドネシア出張  28年12月、石井国土交通大臣は、ミャンマー及びインドネシアの政府要人とそれぞれ二国間会談を行いました。ミャンマーでは鉄道や港湾、防災、道路、都市開発等、インドネシアではパティンバン港やジャワ島北幹線鉄道について意見交換を行うとともに、ミャンマー建設省、インドネシア公共事業・国民住宅省との間でそれぞれ協力覚書を締結しました。 ブディ・インドネシア運輸大臣との会談 (6)末松国土交通副大臣のウガンダ・ザンビア出張  29年1月、末松国土交通副大臣は、28年9月に立ち上げた「アフリカ・インフラ協議会」(JAIDA)会員企業を同行し、ウガンダ及びザンビアで官民インフラ会議を開催しました。同会議では「質の高いインフラ投資」推進及び協力関係の継続に係る覚書に署名し、会議後も対話を継続するため、「質の高いインフラ対話」を立ち上げることに合意しました。 日・ザンビア官民インフラ会議における覚書署名式  また、ウガンダのルグンダ首相やザンビアのチトテラ住宅インフラ開発大臣等を同行企業とともに表敬し、カンパラ立体交差建設・道路改良事業等、我が国企業の協力を期待するプロジェクトについて意見交換を行いました。