第1節 社会のすがたの変化

コラム 広島電鉄(株)の取組み

 広島市を中心に鉄道、バス、不動産事業を手掛けている広島電鉄(株)では、平成29年9月16日から、社員のライフスタイルに応じて、正社員のまま労働時間を選択できる「短時間正社員制度」を導入しました(図表1-1-13)。また、66歳まで働くことのできる従来の「シニア社員制度」を拡充し、70歳まで働くことができるようにしました。
 
図表1-1-13 広島電鉄(株)の取組み
図表1-1-13 広島電鉄(株)の取組み

 これらの制度の整備は、1)一部の人のための短時間制度から、全員のための制度への移行、2)困ったときにはお互い助け合うことができる組織への転換、3)短時間正社員を新規採用することにより、多様な人材の受け入れや育児、介護による離職の防止等を目的としています。
 短時間正社員制度では、本人が希望する3ヶ月以上の一定期間で、労働時間を個別に決定することができることとなっており、短時間正社員への転換理由や転換回数に制限はなく、職種の変更も原則行われません。ただし、賃金に関して、給与や臨時給与は短縮後の労働時間に応じて減額しています。平成30年3月現在、11名の社員が、この短時間正社員制度を活用しています。
 シニア社員制度では、70歳まで働けるようにし、職種に関しては従来の運転士・車掌のみならず、技術職や事務職でも働けるようにしました。
 広島電鉄(株)におけるこうした取組みは、性別、年齢等の事情にかかわらず働くことができる職場作りにつながり、現在、既に問題となっている少子高齢化に伴う人手不足への対策に有効であると考えられます。


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