第4節 政府の動き

第4節 政府の動き

■1 政府全体の動き

(1)一億総活躍社会の実現
 「一億総活躍社会」とは、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗を経験した方も、障害や難病のある方も、家庭で、職場で、地域で、あらゆる場で、誰もが活躍できる、いわば全員参加型の社会である注14
 政府は「一億総活躍社会」を実現するため、「ニッポン一億総活躍プラン」(2016年6月2日閣議決定)を策定している。その上で、働き方改革は「一億総活躍社会」実現に向けた最大のチャレンジであるとされ、具体的な実行計画である「働き方改革実行計画」(2017年3月28日働き方改革実現会議決定)が策定された。2017年12月8日には、生産性革命、人づくり革命を車の両輪として、少子高齢化という大きな壁に立ち向かうため、「新しい経済政策パッケージ」を閣議決定した。人づくり革命については、幼児教育の無償化、待機児童の解消、高等教育の無償化、介護離職ゼロに向けた介護人材の処遇改善など、2兆円規模の政策を盛り込んだ。年明け以降は、リカレント教育や大学改革などの論点について、更に議論を進めている。

■ニッポン一億総活躍プラン
 我が国の構造的な問題である少子高齢化に真正面から挑み、一億総活躍社会を実現するための施策の方向性を議論するため、関係閣僚と有識者からなる「一億総活躍国民会議」(議長:安倍内閣総理大臣)が2015年10月に開催された。
 2016年5月18日の国民会議(第8回)では、「ニッポン一億総活躍プラン」が取りまとめられ、同年6月2日に閣議決定された。「ニッポン一億総活躍プラン」は、新たな三本の矢(「希望を生み出す強い経済」、「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」)の実現を目的とする一億総活躍社会に向けたものであり、「成長と分配の好循環」を創りながら、誰もが生きがいを持って、その能力を存分に発揮できる社会の実現を目指すこととしている。
 なお、「ニッポン一億総活躍プラン」で決定したロードマップの進捗状況についての継続的な調査及び施策の見直しの検討に資するため、「ニッポン一億総活躍プラン」フォローアップ会合が開催されている。

■働き方改革実行計画
 働き方改革は、働く人の視点に立って、労働制度の抜本的改革を行い、企業文化や風土を変えようとするものであり、改革の目指すところは、働く方一人ひとりが、より良い将来の展望を持ち得るようにすることである。
 内閣総理大臣を議長とする「働き方改革実現会議」が2016年9月に開催され、2017年3月に「働き方改革実行計画」が取りまとめられた。本計画では、非正規雇用の処遇改善、賃金引上げと労働生産性向上、長時間労働の是正等の9項目の具体的対応策と、ロードマップが示されている(図表1-4-1)。
 
図表1-4-1 働き方改革実行計画の項目
図表1-4-1 働き方改革実行計画の項目


注14 「ニッポン一億総活躍プラン」より


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