第4節 政府の動き

■2 国土交通省の動き

(1)国土交通省生産性革命プロジェクト
 我が国の潜在的な成長力を高めるとともに、新たな需要を掘り起こしていくため、働き手の減少を上回る生産性の向上等が求められている。また、産業の中長期的な担い手の確保・育成等に向けて、働き方改革を進めることも重要であり、この点からも生産性の向上が求められている。
 国土交通省は、社会資本整備をはじめとする「現場」を全国にわたって擁しており、また、運輸業・建設業をはじめ経済活動のベースを支える幅広い「産業」分野を担当していることから、我が国の生産性向上などに向けて果たすべき役割は非常に大きい。
 こうしたことから、国土交通省では2016年3月に設置した「国土交通省生産性革命本部」(本部長:石井国土交通大臣)のもと、省を挙げて生産性向上などに向けた取組みを進めることとし、
 1)道路や都市、港湾、空港などの「社会のベース」における生産性向上
 2)観光業などの「産業別」の生産性向上
 3)自動運転や気象ビジネスなどの「未来型」の投資・新技術による生産性向上
 の3つの観点から、これまでに20の先進的なプロジェクト(生産性革命プロジェクト)を選定・推進している(図表1-4-2)。
 
図表1-4-2 国土交通省生産性革命プロジェクト20
図表1-4-2 国土交通省生産性革命プロジェクト20

(2)国土交通フォーカス2018
 国土交通省の様々な取組みを紹介するための施策集として、新年度に実施する施策のうち、一定のテーマに沿って、“新規性があり、かつ、工夫度の高い”ものに“焦点”(フォーカス)を絞った、「国土交通フォーカス」を作成することとしている。
 国土交通省では、2018年を生産性革命「深化の年」と位置付け、これまで実施してきた個々の取組みを更に具体化・強化するとともに、生産性革命の基礎にある「小さなインプットでも、できるだけ大きなアウトプットを生み出す」という考え方を国土交通行政のあらゆる政策分野に浸透させていく方針としている。
 この方針も踏まえ、初回となる「国土交通フォーカス2018」(2018年3月27日公表)では、2018年度に実施する施策のうち、“イノベーションの推進”による、1)安全・安心の確保、2)生産性向上の推進等による経済成長力の強化、3)社会の活力や生活の質の向上に資する地域づくりをテーマに、28の施策を選定した(図表1-4-3)。
 
図表1-4-3 国土交通フォーカス2018
図表1-4-3 国土交通フォーカス2018


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