第1節 働き方に対する意識と求められるすがた

■2 働き方について求められるすがた

(1)ライフステージに応じた多様な働き方の実現
 ライフステージによって、働く上で重視することは多様であり、すべての人が希望するスタイルで働き続けることができる環境整備が必要である。

(勤労意欲の充足)
 30代の女性を中心に、現在は働いていないが、今後働きたいという希望がある。子育て・介護等によりキャリアを中断せずに働き続けることや、退職や休職等をした後でも、新たに働き始めることができる仕組みが求められる。
 また、全年代を通じ、定年に関係なく、長く働き続けたいという希望が多い。さらに、高年層は、労働を通じて収入を得るだけではなく、社会に貢献することを重視している。また、20代等若年層でも、賃金・給与を重視しながらも、仕事へのやりがいを望む声は多い。このことから、スキルを活用した勤務の継続や転職、スキルアップを支援する仕組みづくり等、やりがいを持って働き続けることのできる環境づくりが求められる。

(ワークライフバランスの実現)
 20〜40代を中心に、仕事をしながら、家事・育児のための時間を確保することや、心身ともに健康で働くために個人の時間を大事にするなど、ワークライフバランスの実現へのニーズがある。このことから、在宅勤務やサテライトオフィスの活用による勤務地の多様化や、フレックスタイム制や短時間勤務等の労働時間の多様化等、場所や時間の制約の少ない働き方に対する取組みが求められている。

(2)意識改革や技術革新等による仕事の効率化
 少子高齢化により労働力人口が減少する中で、女性や高齢者、障害者等の多様な人材を労働者として確保することとともに、生産性を向上させることは非常に重要である。そのためには、無駄な残業時間の削減等、働く人間の意識の変化が必要である。また、インターネットの利用に親和性が高く、第4次産業革命の中心になると思われる若年層をはじめ、あらゆる世代、分野でAIやビッグデータ等のイノベーションが導入され、仕事の効率化が図られることが求められている。
 さらに、こうした技術革新が進む中で、やりがいをもって長く働き続けるためには、時代の変化に対応できる人材である必要がある。このため、スキルの更新を目的とした学び直し等の機会の創出が求められる。


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