第4節 動き方に対する意識と今後の取組みに求められること

■2 動き方について求められるすがた

(1)都市における移動の快適化
 都市では、東京圏において、公共交通の混雑や遅延に対する不満や、移動時間や待ち時間の長さ、慢性的な道路渋滞に対する不満が大きく、移動する上での快適さが課題となっている。
 このことから、公共交通の混雑や遅延自体の緩和のため、ハード・ソフト両面からの不満解消のための取組みや、道路渋滞の要因を取り除くための取組み等が求められている。また、都市における移動の快適化は、移動時間の短縮や混雑緩和によって生まれる労働時間の短縮やストレスの解消等、時間の質の向上をもたらし、「働き方」「楽しみ方」等ライフスタイルの充実につながるものと考えられる。

(2)地方における移動の確保
(公共交通の維持・活性化)
 人口5万人以上市町村や5万人未満市町村では、三大都市圏や政令市・県庁所在地・中核市と比較して、公共交通自体が充実していないことへの不満が大きく、交通手段の確保が課題となっている。
 このことから、各地域の人口規模等に応じて、効率的で持続可能な公共交通の維持・活性化が求められている。

(自動運転技術の発展)
 三大都市圏以外の地域では、自動車がなければ生活できない移動環境が大きな不満となっており、特に、人口5万人以上市町村や5万人未満市町村において、大きい。このため、前述の公共交通の維持・活性化に加え、公共交通以外の移動手段の確保が課題となっている。さらに、移動手段の確保の一つとなる自動運転技術については、特に、地方において、今後、運転能力の低下が懸念される高年層においてそのニーズが高い。
 このことから、自動運転技術の発展は不可欠であり、特に、高齢者等の移動弱者が、地方において日常生活の中で利用可能となるまで進展することが求められている。 

 以上のような地方における移動の確保については、安心な暮らしの確保や利便性の維持・向上等をもたらし、地方における「楽しみ方」、「住まい方」等ライフスタイルの充実につながるものと考えられる。

(3)高齢者等に優しい移動の確保
 都市の70代や子育て世代と考えられる20代〜30代を中心として駅や歩道等の公共施設においてバリアフリーが進められることに対する希望が多く、高齢者・子育て世代等に優しい移動の確保が課題となっている。
 このことから、高齢者や子育て世代等が、自ら円滑に移動することを確保するために、ハード・ソフト両面からの公共施設等におけるバリアフリーの進展が求められている。
 また、高齢者等に優しい移動が確保されることは、安心な暮らしの確保や、活動の幅を広げること等、「楽しみ方」や「住まい方」等ライフスタイルの充実につながるものと考えられる。


テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む