第2節 楽しみ方に関する取組み

■2 楽しみの活用に関する取組み

(人のつながりを生む場の創出とそれらを社会貢献活動に活かす取組み)
■エリアマネジメントの推進
 社会貢献活動に参加することにより、生きがいを感じ、人生の楽しみと捉える人が多く存在しており、このような意欲を、さらに、まちづくり等に活用することが求められている。そのような中、その活動の一つとして「エリアマネジメント」があり、これは特定のエリアにおいて、民間が主体となって、まちづくりや地域経営(マネジメント)を積極的に行おうという取組みとなっている。
 国土交通省では、エリアマネジメントの推進への取組みとして、都市再生特別措置法を改正し、まちづくりを担う法人として活動団体の指定による公的位置づけの付与等の支援をしている。都市再生推進法人の第1号である札幌大通まちづくり(株)は、札幌市の大通地区にある6つの商店街、商業施設等により構成されている。この会社は、まちを「つかってほしい」という思いのもと、「つながり」を重要と考え、歩行者天国の活用、オープンカフェ、市民参加のイベント、美化活動等を実施しており、主催者側のネットワーク化を図るとともに、多数の若者が参加者として集い、楽しめる場所を創出している(図表3-2-7)。
 
図表3-2-7 札幌大通まちづくり(株)によるエリアマネジメントの取組み
図表3-2-7 札幌大通まちづくり(株)によるエリアマネジメントの取組み

■ボランティアによる河川環境の保全
 身近にある自然環境に接しながら、それらの維持管理活動を行うという社会貢献活動もまた、生きがいとなり、人生の楽しみにつながる可能性を有している。
 国土交通省では、このような活動を推進するため、河川法を改正しており、これにより、河川管理者は、自発的に河川の維持、河川環境の保全等に関する活動を行うNPO等の民間団体を「河川協力団体制度」として指定し、河川管理事業を支援することができるようになった。この河川協力団体の一つである「エコロジー研究会ひろしま」では、太田川の美化活動への参加や「学ぼう」、「触れよう」、「楽しもう」をテーマにした子供への体験学習の提供、インストラクターの養成、放水路での干潟観察等の活動を行っている(図表3-2-8)。このような取組みは、河川管理者と河川協力団体の双方のコミュニケーションを活発化させること等により、より良い河川空間の形成、社会貢献活動につながっていくことが期待される。
 
図表3-2-8 エコロジー研究会ひろしまによる太田川河川団体活動
図表3-2-8 エコロジー研究会ひろしまによる太田川河川団体活動


テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む